番外編

主人公SIDE


どうも、『アキ・スプリングフィールド』でーす。
ネギまの主人公のネギ君の双子の弟として転生した転生者です。

転生特典は
・九角天戒の技と《力》
・別の世界の登場人物やアイテムを呼び出せるガチャを引ける。
・魔法の才能

の三つの様子。様子と言うのは二つ目の特典はまだ使えないからだ。
一応今まではオレの存在以外原作知識の通り進んでいる。……まあ、本編前の子供時代のことなんで正確なのかは分からないけど。
後は如何にオレはネギと距離を取り、バタフライ効果を減らして原作通りに進めるか。
まあ、一番良いのは麻帆良に行かないことなんだろうけどな。

当然ながら、オレの両親「サウザンド・マスター」ナギ・スプリングフィールドと「災厄の女王」アリカ・アナルキア・エンテオフュシアとはオレが1歳頃に別れた。
ライフメーカーを2人で封印するための旅に出る前に別れを告げられた。
2人は分かっていないと思っていただろうが、オレは転生者、前世の経験から英語で話した内容ぐらいはなんとか理解できた。
ネギとオレに向かって「すまねぇ」とか「元気で生きろ」とか何度も繰り返してたしな。

……だけど、危険だと思う力が有るんだけどね、この力はさ!?
剣術は兎も角、この最初の特典の力の中には有ったんだよ、《鬼道》が!

そう、魔人学園に於いて前編の敵である九角天童とその先祖である幕末の鬼道衆の頭領である九角天戒は優れた剣士であると同時に鬼道を操ることが出来る術者でもある。

そんな男の力が有るのだから術者としても一流になれるのは約束されてしまった未来だ。オレの未来は鬼を統べる者という事だろうか。

そして、スプリングフィールドと九角家の共通の特徴の深紅の髪意外はネギとは似ていない。

今後の事を考えると力があっても損は無いが、この村の『ナギ教』、『英雄教』には反吐がでる。内心では早く悪魔こないかと思うほどのストレスに苛まれている時点でかなりのストレスだ。

3歳の誕生日に初心者用の魔法の杖を貰って魔法を習い始めた。やはり、魔法の才能はあるが特典の影響だろうか、剣術の方が性にあっていると思う。
そして、魔法を習い始めてより影響が顕著になって「英雄」ナギ・スプリングフィールドの話しからネギが暴走しだし、最終的にネギが湖で溺れて一月程経っただろうか。




オレの運命が変わる日が、




『アキ・スプリングフィールド』が死に、『九角 秋』が生まれる日が近づいていた。











SIDE OUT










アキにとっての初めてのガチャはネギが溺れた後だった。
なんでこんな時にガチャが引けたのかと思ったが、出てきたアイテムはシンフォギアに出て来るテレポートジェムだった。
何故これが出て来たのか分からなかったが、ガチャで出て来る物なんてこんな物だろうと思って深くは考えなかった。
便利な離脱アイテムだが、危険性もあり安全に使う為には離脱の為に使うしか無い。
……しかも、ウッカリ子供の時分で使ったらどこか分からない場所に転移してしまうので取り扱いは厳重にしなければならない。

……アキにとっての最大のミスは偶々これをネギに見られた事だった。
珍しい|魔法道具《マジック・アイテム》と思われてテレポージェムに興味を持たれてしまった為にどこで手に入れたのかとか聞かれる様になってしまった。

元々シンフォギア世界の錬金術とこの世界の魔法みたいな物なので差はないだろうが、割と便利な転移アイテムなのだが危険性もあるので、迂闊にネギに使われても危険なので何度も秘密だと言っているのに飽きる事なく聞いてきて本当に鬱陶しい。

そんな日々を過ごす中で起こった……元老院による悪魔の襲撃。
アキは悪魔から逃げる最中に悪魔からの攻撃の影響でテレポートジェムを砕いてしまう。
目的地も座標固定された場所も無く使ってしまったそれの効果によりアキの姿は村から消えてしまった。

……本来の使用者であるキャロルは転送事故防止のためにしっかりと座標固定した拠点への転移にのみ使い、低確率の事故を防止するために細心の注意を払って使っていた。
アキの使い方はそれとは全くの真逆。事故とは言え、低確率の事故を意図的に起こそうとしない限りそんな普通は使い方はしないだろう。






幸か不幸か事故は起こる事なくアキは転移する。
転生前の故郷の国である日本、それも今から四年前の過去に。























日本のとある場所、幼くして子供を亡くした1組の夫婦が悲しみにくれていた時に突然の光と共に一人の子供が現れる。

突然の事に驚く夫婦の前に現れた少年アキ。

アキにとっての幸運だったのはこの時点でウェールズにもアキは存在している事。
夫婦が魔法関係者だったと言う事。
魔法関係者とは言え西洋ではなく東洋の側の神秘に属する者だと言う事。
其処がとある東洋呪術の者達の住まう隠れ里だと言う事。





そして、





彼と同じ深紅の髪を持っていたと言う事。



意識を取り戻したアキは夫婦に自分のことを(テレポートジェムの事やスプリングフィールド姓の事は伏せて)説明し、今いるのが四年前だと言う事に愕然してしまう。

この時代において、行く所の無いアキを夫婦は自分達の子供として引き取ってくれた。

彼らの子供と同じくアキと言う名前だった事や深紅の髪だった事から他人とは思えないとの事だった。


その日、関東の呪術組織の頭目の家『九角家』の養子としてアキ・スプリングフィールドだった少年は九角秋となった。

















アキが秋になってから二年。

秋は現状の確認を終えた。
此処が関東の小規模呪術組織の隠れ里であると言う事。
当然ながら麻帆良を中心とした西洋魔術に属する関東魔法協会に属さない組織になる。

現在、そう言った他の関東魔術協会に属さない関東に残る東洋魔術組織を纏めながら連合組織の長になっているのが九角家だそうだ。

「面倒ごとにならなきゃ良いけどな」

「既に面倒ごとになっているのでは無いのですか、主様?」

秋の影に潜む様に居た少女へと視線を向けて溜息を吐く。全くその通りだからだ。
ガチャから呼び出した最初の仲間である彼女の指摘に最もだと思ってしまう。

この一年で剣術と鬼道の習得はできた。そして、すべきことは一つ。

「オレたちの組織の表社会での顔、だな」

カバンの中に収めて居たベルトとプログライズキーを手に取りながら秋は、

「さあ、始めようか、オレ達の歴史を」

「はい、主」

フォースライザーを身に付ける。
ライジングホッパープログライズキーと共に秋となってからのガチャによる入手品で有るのだが、悪魔襲撃の時に仕えて居たら良かったのに、と内心思ってしまうがそれはそれ。

平成のど真ん中の時代に令和1号ライダーの力を使うのも複雑な気分でも有る。

フォースライザーを身につけた秋に片膝を付き従者の様に付き従う和服姿の少女『切姫夜架』。






















さて、関東の呪術組織が集まり表社会での居場所として完成した企業が現在は『九角インテリジェンス』では有るが、最初は小さな企業から始まった。

その企業にこっそりとガチャで手に入れた科学技術を父に『アルト・J・ナイト』の名で流しながら裏で企業の技術発展に協力しつつ秋は小さな企業を一代で大企業に成長させる事に成功した。
結果、旧呪術組織の幹部がそのまま会社の幹部になり、多くの一般人の社員も雇い入れる様になった。

呪術と言う古の技術を扱う者達がロボット工学やAI、IT部門等の研究を行う企業を運営しているのも不思議な話だ。

まあ、そんな状況は急成長した九角インテリジェンスに魔法使いが忍び込んできた事から変化していった。

それを迎え撃ったのはフォースライザーで仮面ライダー001に変身した秋だったのだが、侵入者の迎撃に出てきた父達に変身シーンから目撃されてしまったのだ。

流石に本物のヒーローに変身したとはいえ、ポーズを決めて変身している所を見られるのは恥ずかしい物がある。
追い討ちとばかりに夜架が変身シーンから戦闘シーンまでしっかりと録画までして居たのだから、余計に恥ずかしい物がある。

秋が身悶えている間に捕らえられた魔法使いと父が話をしていたのだが、彼はスパイというやつで魔法を使えば忍び込んでもバレる訳でないし、それで生計を立てていたらしい。
立派な魔法使いを目指さないのはそれで腹は膨れないから、との事。

仕事に困っていた彼を魔法使いに対するカウンターとして雇い入れ、秋がトップとなる警備部隊の副隊長にされていた。

「え? なんで、オレが隊長なのさ!?」

「そんな力を持っているのに対外的な説明もあるだろう」

つまりは仮面ライダー001の力を大っぴらに使う背景として警備部隊のトップとしての立場を与えてくれたらしい。
部下の人達も秋と実質的な戦闘チームのサポートが主な役割だそうだ。

「私が秘書を務めますわ、主様」

しっかりと秘書の立場に収まっている夜架さん。

「それに、お前は狙われる立場、になる筈だからな」

両親は夜架と同じく秋の事情を知っている。ウェールズにいるアキ・スプリングフィールドが消える時期が来れば秋がアキだと知られる可能性だってある。
過去に飛ばされたなどと考えなかったとしても、魔法級の中に篭っていたと考えれば年齢が一致しないことも説明できるのだ。

英雄の子とは言え、態々あんな小さな村に住む子供を始末するために悪魔の大群を送り込んだ元老院の執念を考えると、敵対勢力に拾われた抹殺対象など始末しやすいと考えられても不思議では無いだろう。

特に傀儡では無いにしても下位組織の関東魔法協会ならば、そこに居るナギ教の人間を動かして最低限秋の身柄の確保を狙っても不思議では無い。

「分かったよ、父さん」

仕方ないとアキは名目上のトップを引き受ける。
こうして、企業を守る仮面ライダー001が誕生したのだった。
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