『改訂版転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』
日本神話側の代表として若手悪魔の会合の後に行われるパーティーに参加することになった四季達。
「あれ、髪染めたのか?」
「ああ、これ?」
ドレスに着替えた詩乃、雫、クリスの三人だったが、クリスが詩乃の髪の色が緑色に変わっている事に気付く。
「《力》が有るからあまり使わないけど、私は元の世界でプレーしてたVRMMOのアバターになる事が出来るのよ」
「ガンゲイルオンラインのシノンとしての私、と言う事になるわね」と付け加える詩乃に感心した様な声を上げるクリスと雫。
桜井小蒔の技等の力の所持や、アバターとなる事で髪の色の変化(GGO)や、髪の変化だけでなくネコミミの生えるALOのアバターへの変化は目立つと言う事で、あまり使わないが今日はファッションとして久しぶりにGGOに於けるシノンの姿となった訳だ。
「ねえ、四季、似合ってる?」
「あ、ああ、似合ってる」
自分を覗き込みながら問いかける詩乃…………いや、今はシノンと呼ぶべきだろうか? そんなシノンに照れてしまい、ちょっと素っ気ない態度になってしまったか、と思いながらも緑の髪のシノンのアバターとドレス姿は正直、似合っているとは思う。
「……そう」
「おいおい、四季、お前、もうちょっとちゃんと褒めてやれよ」
「……ちゃんと褒めてあげないとダメ」
そんな四季の態度に不服そうなシノンと、ダメ出しをするクリスと雫。
「……ごめん」
どうも、詩乃とは、転生前の自分が最初の好感度を意図的に上げていた事で、引け目を感じてしまい、彼女との関係が前に踏み出せない。
そう自覚はしているが、関係を進められずにいた。
(……そう言えば二人で出掛けたこともなかったな)
前にクリスとは二人きりで出掛けた事があったが、まだ詩乃とは二人きりで出掛けた事はなかった。
クリスの時は詩乃と雫が他に用事が有ったからではあったが。
そんな事を自覚しながらルシファー城で行われるパーティーに出席する四季達。
「そこにいるのは、誰だ?」
「んっ、気づいていたか、これは失礼したな」
そう、四季達の前に一人の男性が現れた。
これまでにない気配に、四季は警戒心を抱く。
「なに、廊下を出ていた所で、何やら面白い気配をしている人物がいてな。君が噂の日本神話からの客人の、龍の魔術師なのかね」
「ええ、この度は日本神話から友好のために遣わされた者で、天地四季と言います。それで、あなたは?」
「んっ、そう言えば、紹介がまだだったな。俺はサイラオーグ・バアル。まぁ、リアスと同じ上級悪魔だと考えてくれたら分かりやすいだろ」
そう言って差し出された手を握り返す。
「彼女達は俺の仲間の」
「アタシは雪音クリスだ」
「北山雫」
「初めまして、私は朝田詩乃よ」
それは、悪魔側の……否、龍脈の力を持つ四季の存在に呼応されたのか、この世界に生まれた、純粋なる《力》を持つ者となったイレギュラーとなったサイラオーグとの出会い。
そして……
「はっ、はい! し、詩乃さんと仰るんですね!? よ、宜しくお願いします!」
顔を真っ赤にして詩乃の前に立ち、直立してそう答えるサイラオーグ。
四季にとって詩乃との関係を前に進める決意を抱くキッカケとなる相手との出会い。
パーティーの裏での小猫の姉であるはぐれ悪魔の黒歌との戦いを終えた四季達に齎されたのは、日本神話を極東のマイナー神話と蔑む悪魔の|元老院《老害共》によって組まれた若手悪魔の代表とのレーディングゲーム。
「妙な事になってしまったが、噂の龍の魔術師と戦えるのは、嬉しく思う」
「まあ、確かに、こんな形でなければ良かったんですけどね」
『親善試合』と言う名目を出されてしまった為に、試合を断る事も難しくなった。
危険性は高いが、レーティングゲームが悪魔の中で流行しているゲームであり、他の神話にもそのファンがいる以上は、日本神話側の代表として出席した以上、断りずらい物がある。
また、今回の試合は四季達側の人数の少なさもあり、互いに代表者一名を出しての一対一の試合となった。
悪魔側の代表に元老院から指名されたのは若手No. 1とされているサイラオーグ・バアル。
「試合前に一つ聞きたいんだが、良いだろうか?」
「? 構いませんけど」
「そ、そうか……。それでは、君に聞きたいんだが…………その…………君とし、詩乃さんは、こ、恋人なのか?」
「っ!?」
突然の問いかけたに戸惑う四季。
(って、この人、いきなり何を聞いているんだ!? い、いや、確かにオレは詩乃の事は……)
心の中で『好きだ』と言葉に出そうとした瞬間、言葉に詰まる。同時に「そうだ」と言いたくなった言葉が止まる。
「い、いや……まだ、恋人、じゃない」
「そ、そうなのか!?」
そして、四季の言葉を聞いたサイラオーグは覚悟を決めて四季へと言葉を続ける。
「この様な場でこんな事を言うのは間違っている、と言うのは分かっている。だが、この機会を逃したら、他勢力の君達とはこんな機会は得られないかも知れない」
サイラオーグ自身の夢の為にも、今を逃せば、もう二度とこんな機会は無い。有ったとしても、その時はもうそれを選ばないかもしれない。だからこそ、元老院によって仕組まれた試合であったとしても、
「天地四季、君とは全力で戦いたい。そして、その上で君に勝てたなら……」
己の胸に抱いたその気持ちに真っ直ぐに決着を着けたいと願ってしまったのだ。
「朝田詩乃さん、彼女に告白する機会を与えてくれないだろうか?」
「っ!?」
彼女が四季と恋人だったのならば、出会うのが遅かった、と諦めていた。
だが、四季は恋人では無いと言っていた。
だから、ただ一言、彼女に己の気持ちを伝えたい。そう願ってしまったのだ。
「い、いや、そう思うなら、オレの許可なんて取らなくても、告白すれば良いじゃ無いですか」
「そうかも知れない。だが、こんな気持ちは初めてなんだ。いざ、告白しようと思っても伝えられそうに無い。だからこそ、君に勝った上で、彼女に思いを告げる決意がしたかったんだ」
他勢力に所属する相手、バアル家と言う立場、そんな物を言い訳にして、想いを告げる事を止める理由にしてしまうかもしれない。だからこそ、己の背を押すために、と願ってしまったのだ。
「あれ、髪染めたのか?」
「ああ、これ?」
ドレスに着替えた詩乃、雫、クリスの三人だったが、クリスが詩乃の髪の色が緑色に変わっている事に気付く。
「《力》が有るからあまり使わないけど、私は元の世界でプレーしてたVRMMOのアバターになる事が出来るのよ」
「ガンゲイルオンラインのシノンとしての私、と言う事になるわね」と付け加える詩乃に感心した様な声を上げるクリスと雫。
桜井小蒔の技等の力の所持や、アバターとなる事で髪の色の変化(GGO)や、髪の変化だけでなくネコミミの生えるALOのアバターへの変化は目立つと言う事で、あまり使わないが今日はファッションとして久しぶりにGGOに於けるシノンの姿となった訳だ。
「ねえ、四季、似合ってる?」
「あ、ああ、似合ってる」
自分を覗き込みながら問いかける詩乃…………いや、今はシノンと呼ぶべきだろうか? そんなシノンに照れてしまい、ちょっと素っ気ない態度になってしまったか、と思いながらも緑の髪のシノンのアバターとドレス姿は正直、似合っているとは思う。
「……そう」
「おいおい、四季、お前、もうちょっとちゃんと褒めてやれよ」
「……ちゃんと褒めてあげないとダメ」
そんな四季の態度に不服そうなシノンと、ダメ出しをするクリスと雫。
「……ごめん」
どうも、詩乃とは、転生前の自分が最初の好感度を意図的に上げていた事で、引け目を感じてしまい、彼女との関係が前に踏み出せない。
そう自覚はしているが、関係を進められずにいた。
(……そう言えば二人で出掛けたこともなかったな)
前にクリスとは二人きりで出掛けた事があったが、まだ詩乃とは二人きりで出掛けた事はなかった。
クリスの時は詩乃と雫が他に用事が有ったからではあったが。
そんな事を自覚しながらルシファー城で行われるパーティーに出席する四季達。
「そこにいるのは、誰だ?」
「んっ、気づいていたか、これは失礼したな」
そう、四季達の前に一人の男性が現れた。
これまでにない気配に、四季は警戒心を抱く。
「なに、廊下を出ていた所で、何やら面白い気配をしている人物がいてな。君が噂の日本神話からの客人の、龍の魔術師なのかね」
「ええ、この度は日本神話から友好のために遣わされた者で、天地四季と言います。それで、あなたは?」
「んっ、そう言えば、紹介がまだだったな。俺はサイラオーグ・バアル。まぁ、リアスと同じ上級悪魔だと考えてくれたら分かりやすいだろ」
そう言って差し出された手を握り返す。
「彼女達は俺の仲間の」
「アタシは雪音クリスだ」
「北山雫」
「初めまして、私は朝田詩乃よ」
それは、悪魔側の……否、龍脈の力を持つ四季の存在に呼応されたのか、この世界に生まれた、純粋なる《力》を持つ者となったイレギュラーとなったサイラオーグとの出会い。
そして……
「はっ、はい! し、詩乃さんと仰るんですね!? よ、宜しくお願いします!」
顔を真っ赤にして詩乃の前に立ち、直立してそう答えるサイラオーグ。
四季にとって詩乃との関係を前に進める決意を抱くキッカケとなる相手との出会い。
パーティーの裏での小猫の姉であるはぐれ悪魔の黒歌との戦いを終えた四季達に齎されたのは、日本神話を極東のマイナー神話と蔑む悪魔の|元老院《老害共》によって組まれた若手悪魔の代表とのレーディングゲーム。
「妙な事になってしまったが、噂の龍の魔術師と戦えるのは、嬉しく思う」
「まあ、確かに、こんな形でなければ良かったんですけどね」
『親善試合』と言う名目を出されてしまった為に、試合を断る事も難しくなった。
危険性は高いが、レーティングゲームが悪魔の中で流行しているゲームであり、他の神話にもそのファンがいる以上は、日本神話側の代表として出席した以上、断りずらい物がある。
また、今回の試合は四季達側の人数の少なさもあり、互いに代表者一名を出しての一対一の試合となった。
悪魔側の代表に元老院から指名されたのは若手No. 1とされているサイラオーグ・バアル。
「試合前に一つ聞きたいんだが、良いだろうか?」
「? 構いませんけど」
「そ、そうか……。それでは、君に聞きたいんだが…………その…………君とし、詩乃さんは、こ、恋人なのか?」
「っ!?」
突然の問いかけたに戸惑う四季。
(って、この人、いきなり何を聞いているんだ!? い、いや、確かにオレは詩乃の事は……)
心の中で『好きだ』と言葉に出そうとした瞬間、言葉に詰まる。同時に「そうだ」と言いたくなった言葉が止まる。
「い、いや……まだ、恋人、じゃない」
「そ、そうなのか!?」
そして、四季の言葉を聞いたサイラオーグは覚悟を決めて四季へと言葉を続ける。
「この様な場でこんな事を言うのは間違っている、と言うのは分かっている。だが、この機会を逃したら、他勢力の君達とはこんな機会は得られないかも知れない」
サイラオーグ自身の夢の為にも、今を逃せば、もう二度とこんな機会は無い。有ったとしても、その時はもうそれを選ばないかもしれない。だからこそ、元老院によって仕組まれた試合であったとしても、
「天地四季、君とは全力で戦いたい。そして、その上で君に勝てたなら……」
己の胸に抱いたその気持ちに真っ直ぐに決着を着けたいと願ってしまったのだ。
「朝田詩乃さん、彼女に告白する機会を与えてくれないだろうか?」
「っ!?」
彼女が四季と恋人だったのならば、出会うのが遅かった、と諦めていた。
だが、四季は恋人では無いと言っていた。
だから、ただ一言、彼女に己の気持ちを伝えたい。そう願ってしまったのだ。
「い、いや、そう思うなら、オレの許可なんて取らなくても、告白すれば良いじゃ無いですか」
「そうかも知れない。だが、こんな気持ちは初めてなんだ。いざ、告白しようと思っても伝えられそうに無い。だからこそ、君に勝った上で、彼女に思いを告げる決意がしたかったんだ」
他勢力に所属する相手、バアル家と言う立場、そんな物を言い訳にして、想いを告げる事を止める理由にしてしまうかもしれない。だからこそ、己の背を押すために、と願ってしまったのだ。