第二章『聖剣! 二つのエクスカリバー』

「イッセー、アーシア、改めて紹介するわ。こちらは支取蒼那、知っての通りこの学園の生徒会長よ」

「よろしく、イッセーくん、アーシアさん」

「こ、こちらこそ宜しくおねがいします!」

「あ……どうも!」

オカ研の部室にてリアスの紹介でこの学園のもう一人の上級悪魔であるソーナとその新人眷属同士の顔合わせが行われていた。その際に紹介された匙が資料にあった黒い龍人の様な怪物に変えられた被害者で有り、その際に四季に助けられたと言う話も明らかになった。

「ハハハ! オレのこともよろしくね、変なコウモリ男にバケモノにされた匙くん! つーか、アーシアに手を出したら殺すからね!」

「うん、よろしくね、訳の分からない怪盗から貰った道具のおかげでフェニックスに勝てた兵藤くん! 真昼間から女生徒襲うなんて本当にエロ鬼畜だよね、天罰に当たって死んでしまえ!」

互いの手を握りつぶさんばかりの勢いで握手をしている二人にリアスとソーナはため息をつく。


























「それにしても……」

目の前で行われている球技大会の練習風景を眺めながら四季は呟く。

「下手に旅行したらまた事件に巻き込まれるんじゃないか?」

「それは同感ね」

「うん」

先日の一件の経験談からの四季の呟きに同意する詩乃と雫の二人。
夏休みに入ったらサッサとみんなで旅行にでも行って、冥界に連れて行かれる可能性を僅かにでも減らそうと考えたが、下手に何処かに出掛けたら、行った先で事件に巻き込まれるとなっては堪ったものではない。

いっそ、安全策をとってナデシコの性能テストも兼ねて宇宙旅行にでも行くかとも考えてしまうのも無理はない。

そんなぶっ飛んだ夏休みの旅行の計画を四季達が立てている中、三人の視線の先ではリアス達オカ研の一同が何故か野球の練習をしていた。

単なる学校の球技大会とは言え、先日のレーディングゲームで負けたリアスは勝利に飢えていた。なので今回の球技大会では是が非でも勝利が欲しいのだろう。

そんな勝利への飢えで力を狙われている側としては、なんとも迷惑な話だが……。

「それにしても、なんで野球の練習なんてしてるんだ?」

「球技大会の練習だと思う。けど、球技大会で野球はしないと思う」

「野球以外にも、球技大会の部活動対抗の試合って、普通は特定の部が有利になる競技って採用されないわよね」

主にサッカーと野球、バスケ、バレー等がそれに当たる。

「そうなるよな。やるならルールがシンプルな、みんな知ってる可能性が高い、ドッチボールとかだろうな」

まあ、その辺は四季の持つ未来に対する知識による物なので予測では無いが。

「まあ、帰宅部のオレ達はその時は見学だろうけどな」

「あと一人くらい居れば私達で部活を作れるのに」

学校内に自分達の拠点を得られると言うメリットから、以前から自分達で部活を作ろうと考えていた。
ある程度初期メンバーは顧問以外は全員が秘密を共有できるメンバーが望ましいと言う理由から、あと一人味方が増えてからと考えているが部活動の申請書は受け取っている。

なお、匙の一件で恩がある生徒会側としては四季達が部活を作ると言っても書類に不備さえなければ反対もし難いだろう。使えるものは最大限に利用するに限る。

(それにしても……)

そんな球技大会の練習に一人、木場だけが身が入っていない。既にイッセーの家で過去にこの街に存在していたエクスカリバーの存在を目撃したであろうことを想像するのは容易い。

今まで燻っていた復讐心が、復讐対象を再度目撃したことによって燃え上がってようと関係ないことだ。
他人の八つ当たりの復讐劇(笑)に巻き込まれたくは無いのだ。

(天界や教会じゃなくてエクスカリバーに復讐って、な)

復讐するべき相手は天界や教会といった、道具ではなく主導した組織では無いのかと疑問に思う。

そんな事を考えながら詩乃と雫の二人と連れ立って帰宅する。当面の悩みは前回米花町に行った時に巻き込まれた時間、そのお陰で貰ったガチャチケットだ。


『原作介入記念十連ガチャチケット』


とあるガチャチケットが届いた。間違いなく自分達が舞台のど真ん中にいる『ハイスクールD×D』ではなく『名探偵コナン』の方に介入したことが理由だろう。だが、何故かこのチケットのタイトルにはルビが見える気がする。


『|原作介入記念十連ガチャチケット《何やってんだ、お前は!》』


と。まあ、介入と言うよりも予想外に事件解決の足を引っ張りかけたのでちょっと使う気になれないのだ。

このチケットは緊急時用に残しておくとして、現状は球技大会がのトラブルに遭遇しない事を祈るのみである。(自分達から介入する際は基本的に正体を隠したルパンレンジャーの怪盗コスチュームでなので)
















そして、球技大会当日。女子はテニス、男子は元々女子校だった影響で人数が少ない為に複数の学年共同でのサッカーとなっていた。

ボールをキープしたまま相手のDFを躱しシュートを決める四季。

四季と一緒のチームに割り当てられたイッセーへのヘイトが集まっている為に、何故か彼を狙って一部超次元な技、ジャッジスルーシリーズが披露されている。
『死ね、兵藤!』やら叫び声が聞こえてくるが、周囲からイッセーに対してコロセコールが響いている上に、|審判の教師《ジャッジ》も文字通りスルーしている。

イッセー達三人の変態行為に対する対応でストレス溜まったり、彼らの行動が原因で給料減らされたりして教師からイッセー達三人への怒りもあるのだろう。
まあ、そこは悪魔に転生した事による肉体的強度の強化も有り、多少鍛えているとは言え精々が運動部員程度の一般人の攻撃では多少痛い程度で済んでいるのだろう。

こんな時にも木場は心ここに在らずと言った様子を見せている。時折ボールが当たりそうになって危ないのだが本人は気にも止めていない様子だ。

そんな訳で実質2人が味方として機能しない状況での試合だったが、四季の所属チームの勝利に終わった。
試合終了後の対応が敵味方合わせて四季と木場を除いて、イッセーへの殺意を満たせなかった事に対する不満だらけだったのには内心、それで良いのかと言いたくなったが。最早、スポーツの持つ爽やかなイメージは存在していなかった。

「なんか、もうサッカーじゃ無いな」

敵味方揃って励まし合いながら『本番は部活動対抗の方だ』などと言ってる時点でスポーツでは無いと思う。
リアスを始めとして美少女揃いのオカルト研究部の中の男子に二人だけの男子の一人の上に、女子からの人気も無いどころか、痛い目に合わせても寧ろ女子から感謝されるかもしれないイッセーに対して、木場の分の敵意も向くのも当然と言える事だろう。

なお、普段から詩乃と雫と言う美少女二人と仲の良い四季に対しては木場と同じ理由で敵意を向ける者はいない。




















そして、また元々は女子校なだけに人数の多い女子のテニスでは、現在一年の詩乃と雫の二人の試合が繰り広げられていた。

「これで!」

「負けない」

さて、詩乃の力は単純な身体能力ではなく視力を中心に強化している。前線で戦うタイプでは無い彼女にとって敵を狙い撃つための視力の強化が必須なのだ。

それに対して雫の力は回復系や味方や自分にバフを掛ける術が中心となっている。

だが、元々身体能力はそれなりに高い上に自身へのバフで強化している雫に対して、動体視力を強化した詩乃が物凄い精度で打ち返しにくい位置に打ち込んでいるというのが二人の試合の流れである。

「二人とも、なんか物凄いやる気だな」

そんな持てる手札を使った全力全開なテニスの試合を繰り広げている二人を応援しながらそう思ってしまう。

試合は最終的に詩乃が勝ったのだが、二人がやる気になっていた理由が判明するのは後日わかる事になる。




















一方、三年生の部では、

「行くわよ、ソーナ!」

「良くってよ、リアス!」

リアスのサーブがソーナのコートに突き刺さり、バウンドしたボールをソーナが打ち返す。……此処までは普通のテニスだ。

「お喰らいなさい! 支取流スピンボール!」

「甘いわ! グレモリー流カウンターを喰らいなさい!」

高速回転を加えて打ち返されたボールはリアスのラケットに当たる事無く、ボールが軌道を変えて急速に落下して行った。


 
『15-30!』
 
 
 



「魔力込めてないか、あれ?」

「込めてるわね、あれ」

「うん、あれは込めてる」

魔力込みの派手な試合を始めた二人に呆れた視線を向ける四季と詩乃と雫。
流石に普通の人間相手に魔力を使うと言う大人気ないマネはしていないだろうから何も言う気は無いが、納得してやっているのなら、魔力を使おうが必殺技を使おうが、相手をKOしようが問題は無いだろう。
試合やってるのは悪魔同士なのだし。






「やるわね、ソーナ。さすが私のライバルだわ」

「うふふ、負けた方が小西屋のトッピング全部乗せたうどんを奢る約束、忘れていないわよね」

「ええ!  絶対に私が勝たせてもらうわ! 私の魔動球は百八式まであるのよ?」

「受けて立つわ、支取ゾーンに入った物は全て打ち返します!」

どこかのテニス漫画のようなことを言いながらやる気十分といった様子の駒王学園の悪魔のトップの二人。

「なんか、賭けの対象が庶民的過ぎないか、あのお嬢様方」

「なんでうどんなのかしら?」

「小西屋のうどんは美味しいけど」

「オレはトッピングの全乗せはしない派だからな」

「それで、四季はこの試合はどっちが勝つと思う?」

「引き分けだと思うな、オレは。あれ……二人とも、ラケットは強化してないし」

そんな二人の妙に庶民的な賭けにそんな感想を持つ三人。詩乃の問いに答える四季の目は二人の持つラケットを捉えていた。
賭けの内容とは打って変わって何処かのテニス漫画のような試合が続く中、最初に限界を迎えたのは四季の予想通り互いのラケットだった。

魔力を込めたパワーショットを強化していないラケットで打ち合っていればそれも道理だろう。それによって試合は両者優勝の引き分けに終わった。

***

「狙え! 兵藤を狙うんだ!」

「うおおおお! てめえら、オレばっかり狙いやがって、ふざけんな!」

さて、建前は生徒達が球技を通じて青春を謳歌しつつ、競い合う歓びを分かち合う大会なのだが、そんな建前など知らぬとばかりに、一誠は全男子から狙われていた。
いや、ドッチボールのはずなのにイッセーだけが狙われていた。
……少なくとも、アウェーで試合する国際大会の選手でさえ此処まで敵意は向けられないだろう。

まあ、

『学園の二大お姉様』と呼ばれている駒王学園のアイドルである、リアスと朱乃に投げる? その瞬間、味方さえも敵に廻る。今後の学園生活は恐ろしい事になるだろう。

小猫に投げる? 戦車の特性で簡単にキャッチできそうだが、学園のマスコットのロリっ子に投げるのは心理的に無理だろう。序でに上記の様に今後の学園生活は恐ろしいこととなる。

アーシアに投げる? 癒し系の美少女に投げたら、当てた瞬間罪悪感に苛まれた上に周囲から冷たい目で見られるのは覚悟すべきだろう。その後の学園生活は推して知るべし。

木場に投げる? 当てた瞬間、女子を敵に廻す事になる。その後の学園生活は推して知るべし。

なので、イッセー以外の相手に投げたら学園の大半を敵に回したり、罪悪感を背負ったりするので、怒りと共に全員の殺意がイッセーへと向くのは自然な事だろう。

「死ね野獣!」

「「「イッセーを殺せえええええ!」」」

周囲のギャラリーからは『イッセーを殺せぇぇぇぇぇ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!』とのコールが響き渡り、一誠が避けたりキャッチする度にギャラリーや選手からは舌打ちや残念そうな声が響く。

「イッセーにボールが集中しているわ! 戦術的には『|犠牲《サクリファイス》』って事かしらね! チャンスよ、イッセー!」

「頑張りますぅぅ!」

正にヘイト集めまくりのイッセーが居るために勝手にサクリファイスが成立しちゃっている現状。チャンスと言えば確かにチャンスなのだが……。

ヘイトが勝手に集まったイッセーを狙って投げられるボールをイッセーがキャッチして、それを小猫にパスして|戦車《ルーク》のパワーを活かした彼女が当てていく。

それなりに良いコンビネーションを見せながら試合を進めている中、やはり木場だけが心ここに在らずと言った様子でボーッとしている。

「クソォ! 恨まれても良いぃ! イケメンめぇぇぇえ!」

そんな試合の中で中々当てられない事に苛立った者が、自棄だとばかりにボーとしていた木場に向かってボールを投げる。
それに気付いた一誠が木場に声を掛けるも運悪くボールはイッセーに当たった上、ボールの当たり所が悪く、治療係のアーシアと運搬係の小猫と共に倒れた一誠が引き摺られて出て行く事になった。












「あれって……」

「また新しい事件が始まるって所だな」

ボーッとした様子の木場の姿を眺めながら、詩乃の言葉に四季が答える。これから起こるのは木場の過去に関わる事件なのだ。

「血塗られた聖剣に纏わる因縁、か」

今回の事件に関わる話として詩乃と雫にも、この世界のエクスカリバーと認識されている剣の事を話しておいた。

エクスカリバーはかつての三大勢力間の戦争で砕かれ、砕かれた七つの欠片を核に七振りの聖剣として複製が作られた。
その七振りの剣はカトリック、プロテスタント、正教会の三つの教会で二本ずつ管理され、最後の一振りは行方不明とされている。だが、最後の一振りの所在を知る身としては三つの派閥に二本と言うのは、パワーバランス的に良いと考えるべきだろう。

だが、これも考えてみれば妙な話だ。そもそもアーサー王の逸話でエクスカリバーは返却されている筈だ。天界が所持しているとしたら、一番可能性が高いのは、自らの剣をエクスカリバーと呼んだリチャード1世が使ったそれなりに力を持った名もなき聖剣なのだろうが……。

「正真正銘の本物だった場合が一番不味いよな……」

天界による強盗か良くて借りパク。実際借りパクだとしたら、その行方不明扱いの一本がこの世界のアーサー王の子孫の元にあるのも頷ける。

「ん?」

丁度イッセーが運び出されて試合が中断された時だった。
頬に当たる冷たい水滴。空を見上げると黒い雲に覆われた空から雨が降り出していた。

「雨か」

屋外での球技大会が中断されて体育館で続行と言う放送を聴きながら、詩乃と雫と連れ立って四季は校舎側へと避難していく。


























―パァンッ!―

球技大会の団体戦、それはオカ研の優勝に終わった。そんな体育館へと続く渡り廊下に出た時、其処に乾いた音が響く。

「どう? 少しは目が覚めたかしら」

体育館の渡り廊下、其処でリアスが木場の頬を平手で叩いていた。

「対抗戦、優勝は出来たけれど、チームが団結しないとならない場面で終始貴方は心此処に有らずだったわ。一体どうしたの?」

特に三人とも部活に参加しておらず、応援の立場で観戦していた四季達だが、外に出た時にタイミング悪く拙い所に出てしまったと思う中、治療を終えたらしい一誠とアーシアもその場面に出くわしてしまう。

「……木場」

死んだような目で項垂れている木場の姿を見て、そんな木場の様子に一誠が疑問に思う。

「大会では申し訳ありませんでした。調子が悪かったみたいです」

明らかに作り笑いと分かる笑顔で木場はリアスへと謝罪を告げる。

「もういいですか? 球技大会も終りましたし……。少し疲れましたし、暫く部活も休ませてください」

「おい、木場。お前、マジで最近変だぞ!?」

「君には関係ないよ」

肩を掴んで呼び止めるイッセーの手を払って木場は冷たく告げる。












「あら、ごめんなさい、見苦しい所を見せちゃったわね」

気付かれる前に立ち去ろうとした四季達の姿に気が付いたリアスが四季達へと声をかけてくる。

「いえ、此方も偶然聞いてしまっただけなので」

其方の事情に首を突っ込む気は無いと言う様子でリアスの言葉に返す。

「彼が聖剣計画の生き残り、程度の事情は知っていましたけど」

調べればわかる程度の事なのでその程度の情報は出しても良いだろうと言葉を続ける。
基本的に前世の事を記憶していない四季が転生者である事の証明の一つである『原作知識』と言う名の精度の高い未来予知によるものだ。

未来の事は兎も角原作前に確定している過去についての知識はその正確性も確かめ易い。

「っ!? そんな事まで知っているのね。本当にどうやって知ったのか教えてほしいわ」

「それは、企業秘密というやつですね、グレモリー先輩」

流石に原作知識となどとは言えないのでリアスの言葉にはそう言って誤魔化しておく。
流石に自分の情報の出所を教えるとは向こうも思っていないだろうし。

「そう」

素直に教えてくれるとは思っていなかったのだろう、リアスも四季の言葉にそう返す。

「あなた達の力といい、その情報網と言い、本当に興味深いわね」

「それはどうも」

簡潔にそう言い切って手を振って四季達は立ち去ろうとするが、








「僕は復讐の為に生きている。聖剣エクスカリバー、それを破壊するのが僕の戦う意味だ」

丁度木場とイッセーの会話が終わって居たのだろう。憎悪に染まった目でイッセーへとそう告げていた。

そう言って雨の中傘も差さずに濡れながら立ち去っていく木場の後ろ姿に四季は何処か冷たい感想を抱く。

(なんで、そこで道具に当たるかな)

仲間達を殺した研究者への復讐、計画を立てた教会への復讐ならば分かる。
だが、エクスカリバーは言ってしまえば所詮は道具、木場の言うエクスカリバーへの復讐は教会や天界という強大な組織に勝てないと諦めた上での代償行為にしか見えない。
四季に言わせれば、復讐とは名ばかりの道具への八つ当たりに過ぎない。

「そもそも、あいつの復讐の方向性もそうだけど、教会がエクスカリバーを持ってることも不自然だと思うけどな」

ガチャ産とは言え別世界のエクスカリバーを二本も入手してしまったからこそ、持ってしまった教会が所持するエクスカリバーに対する不自然さではあるが、

そんな呟きがこぼれた瞬間、イッセーにも聞こえたのだろう、四季の言葉に気が付いたイッセーが四季を呼び止める。

「待てよ、お前、木場の事情知ってるのかよ!?」

「ん? ああ、客観的にと言う点でだけどな。詳しい事は自分の所の王にでも聞いたらどうだ。部外者のオレには態々説明してやる理由はないからな」

そう簡潔に切って捨てる。
今回の事件は街の安全を考えて参戦する必要性は感じていたが、イッセー達に味方する必要は無いのだ。

同時にそれは、木場の復讐の手助けをしてやる必要もないと言うことにもなる。
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