12月25日

一時間近くしてからだろうか?アレンの嗚咽も少なくなりようやくアレンが口を開いた

「ごめんなさい…僕…」
アレンが顔をくしゃくしゃにしながらミランダに言う

「……いいのよ、よかった元のアレン君だ…ねぇアレン君何があったの?」

「………‥」
ミランダの質問に沈黙で返すアレン

「アレン君?」

「……信じられないかもしれないですけど僕はある日を境に毎年この日はこうなるんです」

「え?」
毎年12月25日?クリスマス?……アレン君の誕生日?

「僕は……」
ゆっくりと次の言葉を吐くアレン



「義父を殺した年から毎年こうなるんです…」



「え?」

「駄目なんです…僕は毎年この日に必ず同じ夢を見るんです…その夢を見た朝はあんな……誰かを傷付ける言葉も平気で吐いてしまう気分になって…」
そう言って顔を伏せるアレン

「今まで師匠と暮らしてたときは下宿先に籠もっていたりしてやり過ごしていたんです…でも…ここは…毎年ミサを開いて一ヶ所に教団の人が集まって祈りを捧げる習わしがあって……そんな所にこんな気分で行ったらと思うと……!」
アレンは最悪の状況をイメージしたのか自己嫌悪に陥ってしまっている

「アレン君…夢ってどんな夢なの?」

「ミランダさん?」

「私はアレン君に悪夢を払ってもらったわ…今度は私がアレン君の悪夢を払ってあげたいの…」
真っすぐにアレンの瞳を見据えるミランダにアレンは総てを任せてもいい気分になれた

「わかりました…全部話します…」
その言葉を聞いてミランダは『聞かせて』と口を動かした
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