バスルームで髪を切る100の方法

「………………」
「………………」
その言葉の後は何も言わない二人…そして

「……っはははははは!何だよそりゃ?願じゃなくてお願いじゃねぇか!」

「なっ何よ!笑う事ないでしょ!」

自分でも言ってみてからいくら何でもこれはないだろうと思っていたのだ、そこに神田の笑い声で何やら複雑な気分になる

「ははは……いいっていうまでねぇ?」

「何よお?そんなに笑わ…」
「お前…俺の髪の感触が好きなのか?」
リナリーの言葉を区切る神田

「えっ……うん…好き………」

「そうか……わかった」
そう言ってまたスタスタと歩きだす神田

「ちょっと神田?わかったって……」
後ろ姿の神田に言うリナリー

「あぁ?……俺の願が終わったら次はお前のにするって事だよ」
振り返らずに言う神田、そして部屋の方へ歩いていく

「………終わったら?………!それじゃあ髪切った後じゃない!待ってよ!」
早足で神田の後を追うリナリー
神田の機嫌は一応は直ったと考えていいのだろうか……
……






一方談話室では
「あーあリナリーはユウの機嫌直せたかねぇ」
ラビの言葉にアレンはビクリと体を震わせる

「だって……神田の髪の第一印象がそうだったんですから…仕方ないじゃないですか……」

「でもなぁ?言っていい事と悪いことがあるだろうに」

「大丈夫よアレン君、機嫌が直ったら一緒に謝りに行ってあげる」

「ミランダさぁん」

「あーミラ姉ぇ、甘やかしちゃ駄目さぁ自分でやった事の責任は自分で取らすさぁ」

「えー!斬り殺されちゃいますよぉ…」

「だっ大丈夫よ、いくら何でも神田君はそこまでしないと思うわ…」

「でもなぁ……」
「でもねぇ……」

………

「「ふぅ」」
そうして三人同時に溜息を吐くのだった

(今日も平和であるなぁ)

END
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