バスルームで髪を切る100の方法

「ちょっと待ってよ!」
早足で歩く神田にリナリーが言う

「何だよ?どうせお前も女みたいな髪だって思ってんだろ?」
何やら卑屈な言葉をリナリーに言う

「思ってるわよ?」
「何?」
あっさりと言われて少し調子が狂う神田

「だってずるいわよ!そんな長い髪なのにそんな綺麗な髪だなんて!」

「おっ、おい……」
誉めてるんだかけなしてるんだかわからない言葉で責め立てられ神田は困惑した

「……そんなに女に間違われたくないならいっそ髪切ったら?」

「……この髪は切らねぇよ、少なくとも今はな…」
何やら訳ありな空気を感じたリナリー

「どうして?」

「……願掛けてんだよ、誓いを果たすまで髪を切らないってな……」

「願って?」

「……教えねぇよ」
神田の髪を切らない理由を聞いてリナリーは少し考え込んだ

「じゃあその願が叶ったら神田は髪の毛切っちゃうの?」

「………?ああ、そのつもりだ」

「えぇー!勿体ない!」
神田の言葉にリナリーが叫ぶ

「…お前はどっちなんだよ?俺の髪が嫌いなのか好きなのか……」

「私?私神田の髪好きよ?大好き」
笑顔で神田の質問に答える

「…なんだそれ?」
まさか大好きなんて答えが返ってくるものだとは予想だにしていなかった

「だって、私神田に抱き締められてるときの神田の髪の感触が好きなんだもん」
「そんな事真顔で言うんじゃねえ!」

「どうして?本当の事よ?」

「あー……う…ん…」
真顔で言うリナリーには勝てない事を悟った神田は言葉をなくす

しばらく言葉をなくし何も言わない神田にリナリーが思いついたように言う

「そうだ!また新しく願掛けしてよ!」
「はあ?」

何を突然突拍子もないことを言うんだこの女は……

「……何だよ?どんな願だ?」

「そうねぇ……」
言ってみたはいいが何も内容を考えていなかったリナリーは少し考えこんで……




「私がいいって言うまで髪を切らない!」

何やら自信満々にそう答えた
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