眠れないあの娘のために

「昔のミランダさん?」

「そう…それでね…‥皆が私を怒ったり笑ったりしてるの、お前はこんな事もできないのかって、それでそんな私を置いて皆どこかへ行ってしまうの、暗闇に私一人だけ…皆の笑い声だけがこだまするような…」
ミランダは先程の夢の内容を鮮明に思い出し涙が溢れていた…‥
そんなミランダの話を頭をなでながら優しく聞いているアレン

「………大丈夫です、ミランダさんは一人じゃありません」

「アレン君、私怖いの…」

「悪夢がですか?」

「ううん、悪夢もそうだけど…」

「けど?」

「……」

「ミランダさん?」

「……また必要とされなくなったらどうしようって」

「………」
ミランダの言葉をアレンは黙って聞いた

「私に本当に世界を救う力があるのかしら…皆の期待を裏切るようなことになったら…私……また一人になるんじゃないかって…」

ここでアレンが口を開いた

「違いますよミランダさん」

「えっ?」

「私 じゃなくて『私達』ですよ?」

「あっ」
にっこりと笑顔を見せるアレン

「駄目ですよ?全部自分一人で考えちゃ?大丈夫です、ミランダさんができない部分は僕達が補います、ミランダさんにはミランダさんにしかできない役割がちゃんとあります」

「……うん」
ミランダを抱き締めながらアレンは話を続ける

「ミランダさんは自分を少し低く見すぎですよ?僕はミランダさんを尊敬してるんですから…」

「わっ私を?」
アレンの言葉にミランダは顔を上げた

「はい」
アレンはミランダの顔を見ながらそう言った

「そっそんな私尊敬される様な…」

「…僕はミランダさんの何があっても諦めない強さを尊敬しています」

「えっ?」
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