眠れないあの娘のために

教団内の増改築によって同じ部屋になった二人、あてがわれた部屋にはコムイが変な気を使い、ダブルベッドが一つだけだった(どんな使い方だ…)
アレンは『一緒に寝ます?』と笑いながら言ったがミランダに『それは絶対にだめ!』と即断で断られてしまった
普段あまり自己主張しないミランダもさすがにここは譲らなかった。
その結果ダブルベッドはミランダ一人が使いアレンは部屋のソファーで寝るという形となっていた(ちなみにソファーで寝させるのはいくらなんでも申し訳ないと思っていたミランダにアレンの「じゃあ一緒に寝てくれます?」の一言が決め手となっていた)

「いいんですよ…それよりどうしたんですか?」
アレンは真夜中に起きたミランダに心配そうに聞いた

「うん…‥ちょっと…‥嫌な夢を見たの…」
そう言って顔を伏せるミランダ、先程の夢を思い出したのか寒さに体をやられたのか心なしか少し震えているようだった……


………てくてく、ぱふっ

「?…‥アレン君…‥何してるの?」

「悪夢を払うおまじないです。」
ミランダの質問にアレンは簡単に答えた

「おまじない?」

「はい」
おまじないと言われてもミランダにはただ抱き締められて頭をなでられてるようにしか感じない

「…恥ずかしいわアレン君」
この歳になって年下の少年に頭をなでられているというのがミランダには少し照れくさい様だ、まるで子供をあやすように優しく頭をなでるアレン…‥

「怖い夢を見た時はこうするのが一番なんですよ……どんな夢を見たんですか?」
ミランダの耳元で呟くアレン、抱き締められながら頭をなでられミランダは徐々に心が安まるようだった…‥

「うん…‥昔の私の夢…」
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