変わらない想いをあなたに


そこにはいつもの様に逃げようとして足を滑らせ、盛大な音をさせて廊下にスッ転んでいたリナリーがいた。
やれやれ…と額を押さえながらリナリーに近づく神田

「痛~い…」

「おい、大丈夫か?」

「へ!?」

「…どこか怪我してないか?」

「う、うん…大丈夫」

真剣に自分を心配している神田の姿を見て逃げるに逃げれなくなったリナリー
自分に差し出された神田の手を取ってゆっくりと立ち上がる

「あ、ありがとう神田」

「気にするな、それで…」
「? それで…?」

「……何で最近俺を付け回すような真似をしてる?」

「!」

神田の一言にビクリと身体を震わせたリナリー
すかさず逃げの体勢に入ろうとした時、がっしりと肩を神田に掴まれてしまった

「だから何で逃げるんだ…!」

「か、神田…?」

リナリーの耳に聞こえて来た悲痛な声
自分を見つめている悲しい瞳を見た時、リナリーの身体から逃げる力は失われた。
代わりに、リナリーの口から、とある言葉が生まれた




「私達って付き合ってるんだよね……?」

「はっ……?」

突然のリナリーの言葉に神田の頭上に?マークが浮かぶ

「それとお前が逃げるのが何の関係が-」
「神田が変わらないからっ!」

神田の言葉を遮る大声
何事かと思った神田であったが、更にリナリーの言葉は続いた

「私はっ…!今の関係になれてから神田に会うたびにドキドキが止まらなかったりするのに、神田の態度が付き合う前と何も変わらないから…もしかしたら…私だけが神田を好きなんじゃないかって思って…不安になって…それで-」

悲しみという感情が含まれたリナリーの言葉を今度は神田が遮った






「…馬鹿かお前は?」

「なっ…!?」

予想だにしていなかった神田の言葉にリナリーが面食らってしまう、が更に神田の言葉は続いた

「変わらなくて当たり前だ…」

段々と、言葉の語尾に近づくにつれて神田の顔に赤みが増していくのがリナリーには見て取れた
そして次の瞬間に、リナリーの耳に神田の小さな呟きが聞こえた





「…俺はこういう関係になる前からお前の事が好きなんだ、変わらなくて当たり前だ」

「……へ?」

恥ずかしそうにリナリーから顔を逸らす神田
そんな神田の顔を見た時に自惚れかもしれないが、自分が神田を想ってるのと同じくらい、もしかしたらそれ以上に神田は自分を想ってくれているとリナリーは思ったのだ…



そしてその日から、いつもと変わらない態度で一緒に過ごす二人の姿が教団で見られるようになったという…





『変わらない想いをあなたに』
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