食欲=?

いんやぁ、食欲と性欲の違いはあれど本能の欲求の表し方は似てる物らしいさ、本人の無意識のうちに色々な共通点が出てるらしいさ」

ラビ出した話題に赤面してしまうミランダであったが、そんなことはお構いなしに話を続けるラビ…

「例えば…礼儀作法がキチンとしてるヤツってのはマメで優しくて丁寧だったり…逆に暴食気味のヤツってのは激しくて情熱的だったりねえ?」

「そそそそそそんな事…!?」

情熱的!?マメ!?優しく丁寧!?
ラビの語る情報に耳まで真っ赤になってしまうあたふたとしてしまうミランダであったが、次のラビの言葉に身体を強ばらせてしまう

「だからさあ…」

何かを思うようにニヤリと笑って…

「…あんなに不規則に何でもかんでも食事を取るアレンは女性関係も移り気なヤツかもしんないねぇ?」

「………え?」

女性関係に…移り気…?
ラビの言葉を聞いたミランダの動きがピタリと止まる
そして、ゆっくりとアレンの方を見ると…
……


「ジェリーさ~ん、これ美味しいですね、ちょっとお弁当にして貰っていっていいですか?」

「いいわよぉ~、特盛りにしてあげる♪」
……


「ん~、自分の食べたい時に好きな物食べるという生活…こりゃあ本当に女性関係でも移り気なヤツなのかもねぇ?」

「!!?」

ラビの言葉にビクリとミランダの身体が震える

だ、だってそんな事…でも確かにアレン君は女性には紳士的に振る舞ってるし…
だ、駄目、駄目よそんな!恋人を疑うなんて良くないことだわ!
でもアレン君が…そんな……

ラビの言葉ですっかり疑心暗鬼になってしまったミランダの耳にとある言葉が聞こえてきた…
……


「あの、ジェリーさん!これもお弁当にして貰っていいですか?」

「いいわよぉ♪ふふふ、本当にアレンちゃんは食べる事が好きなのねぇ?」

「ジェリーさんの作る色んな料理が美味しいからつい沢山食べたくなっちゃうんですよ♪」

……


アレン君は美味しい料理を食べるのが好き→色々な料理を食べてみたい→性欲と食欲は似ている=沢山の女性と付き合ってみたい…!

ミランダの脳内で恐るべき方程式が完成した…

「あ、あの~ミランダ?さっきのは俺が街の週刊誌で読んだ単なるゴシップ記事だから当てには…」

何も言わないで下を向いて震えているミランダの姿を見たラビが恐る恐る声を掛けた次の瞬間-

ダッ!

「……え?」

ミランダがアレンの元へ駆け寄った




「アレン君!!」

だんっ!とミランダが目に涙を浮かべながらアレンの机を叩く
目の前のアレンはフォークを咥えながら何事か?と言ったような顔をしている
普段あまり大声を出さないミランダが、あろう事か机を叩き顔を真っ赤にして涙まで浮かべているのだ…
一体どうしたのかとアレンは言葉を失う

「…そんなに色々な物が食べたいの?」

「…へ?」

「お腹が一杯になるまで沢山料理が食べたいの?」

「あ、あの…ミランダさん…?どうしたんです?」

「……答えて」

「!?」

いきなりやってきたミランダの言葉にアレンは頭が真っ白になる、ミランダが何を聞きたいのかさっぱり解らなかった
先程のラビとのやり取りが解らなければミランダの尋ねている事は意味不明である

「あの…ジェリーさんの料理が美味しいからついついお代わりしちゃって…ジェリーさん色々な料理が作れるから…」

「アレン君!!」

「は、はい!?」

突然のミランダの大声にアレンはビクリと身体を震わせた
そして次の瞬間、息を大きく吸ったミランダの言葉が食堂に響いた








「今度から食べたくなったら私を食べて!!」
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