カンチガイの海

「あ、ミランダさん!今落ちましたよ!」

「え!?ドコ!?」

「あ~…もう見えなくなっちゃいました…」

「そう…残念だわ…」

「大丈夫ですよミランダさん、まだチャンスはありますよ!」

「そうね…」

そう言ってミランダとアレンは夜空に目を移した
アレンとミランダは教団近くの草原に二人で座り込んで夜空を眺めていた
それというのも教団で晩ご飯を食べ終えたミランダにアレンが

『ミランダさん、実は今日は流れ星が多い日なんですよ、一緒に天体観測に行きませんか?』

とミランダを夜のデートに誘ったからであった
ミランダもアレンの誘いを了承し二人は教団近くにある草原へとやって来た訳で
先程から二人で夜空を眺めては流れ星を見つけ合っている…
流れ星を見つける事が楽しいのか、二人きりで夜空を眺めている事が楽しいのか
二人はそれがどちらでもいい気がしていたし、もしかしたらその両方だったのかもしれない
しかしその束の間の二人の楽しみを邪魔するモノが現れた、それは…

ひゅう~…!

冬の夜風が容赦なく二人の体温を奪いに来たのだ、風が吹く度に二人の顔が強ばる、

「うぅ…」

「ミランダさん…大丈夫…ですか?」

「だ、大丈夫よ、心配しないで…」

時間を忘れて星空に魅入っていた二人であっったが気付けば二人とも手が冷たくなっている…

「すいませんミランダさん…僕が急にミランダさんを誘ったから…」

「ううん、アレン君のせいじゃないわ…それに私は自分から進んでここに居るんだもの、気にしないで?」

そう言って再び目線を夜空へと移すミランダであったが、その肩が震えているのをアレンは見てしまった
ここで帰ると切り出してしまうとミランダに悪い気がしたアレンは少し考えた後、お互いの体温を暖めるいい方法を思いついた
そしてそれを笑顔でミランダに伝えた

「あの、ミランダさん!」
「?  どうしたのアレン君?」

振り向いたアレンの笑顔にミランダも自然と笑顔になる
そしてその笑顔の少年からミランダの耳にとある言葉が聞こえてきた






「あの…ミランダさんの事抱いていいですか?」
「…………え!?」
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