狂い咲く人間の証明

「マホジャ?」

甲板にいるマホジャに声をかける

「あぁ…主…」

「ラビ君にお別れはすんだの?」

「…言えませんでした」

「そう…私もよ」

「でも…ラビにこの船の事を忘れないように頼みました」

「あら?私もブックマン様に頼んだのよ?」

「そうなんですか?」

「ふふふ…ブックマン二人に頼んじゃったから私達いつまでも歴史に遺るんじゃない?」

「ふふ…そうだといいですね」

「どうしましょう?どうせだったらブックマン様にお願いして『女船長は絶世の美女だった』って書いといてもらおうかしら?」

「…言わなくても主は美しいですよ」

「…ありがとマホジャ」

「………主、申し訳ありません」

「え?」

「…私は主を守れませんでした」

「マホジャ…」

「私は必ず主を守りクロス元帥の元へとお連れ…」

「いいのよ」

「…え?」

「私…クロス様やエクソシスト様の戦いがこんなにも激しいだなんて想像も出来なかったわ」

「主…」

「もし私が無事にクロス様の元へ着いても…私はきっと足手まといになっていたわ」

「主…そんな…」

「足手まといの私よりも…彼等はきっとクロス様の力になってくれるから…いいの…それに……」

「それに?」

「こんなにいい女を泣かすあの方なんて最後はきっと独り淋しく死ぬんだわ」

「あ、主…?」

「ふふふ…だから私一番にあの方を迎えに行く為に早めに行って待ってるの」

「……主、それでは私がそれまでの時間を潰すお相手をいたしましょう」

「ふふ…ありがとう、こんなに尽くしてくれる従者がいて私幸せだわ?」

「「ふふっ」」

二人の笑い声が重なった
その笑い声は本当に楽しそうな声だった
そしてそのまま二人で終わりの時間まで楽しそうに語り合っていた

皆最後まで笑顔だった


NeverEND…
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