キスして欲しい

キョウトマッテイッテモイイデスカ?

「い、いやいや!どうしたんだ!?」

「……駄目ですか?」

ティキの反応にしゅんとしてしまうリナリー
その姿を見たティキは…

「いや…駄目って事はないんだが…」

「本当ですか!?」

ティキの返事を聞いたリナリーは途端にぱぁっと明るい顔になった

「あ~…と、取りあえず今日はもう遅いからリナリーは俺のベッドに寝てくれ…俺はソファーに寝るから」
突然目の前に起きた出来事に半分混乱しながらリナリーに言うティキだったが
次のリナリーの言葉に更に混乱することとなる

「あの…!い、一緒に寝てくれませんか…?」

「……ハイ!?」

この娘は何を言い出すんだ?
自慢じゃないがリナリーとの交際は清い関係を続けている
まだキスもしていないし…
本当に大切にしたいと思っている…
それなのに…!!

「いやいや!さ、流石にそれはマズイだろう?」

「…駄目ですか?」

しゅんとして下を向いてしまうリナリー
その時に気付いた
リナリーの顔が真っ赤で心なしか少し震えているのを

あぁ…駄目だ…

「……いいよ、一緒に寝ようか」

「…え?」

ティキの台詞に顔をあげるリナリー

「ホラホラ、そんな顔をしてる子に俺が駄目なんて言える訳ないだろう?」

「…ティキさん!」

リナリーがティキに飛び付く
それを優しく抱きしめるティキ

「…甘えん坊だな、リナリーは……」

「…ティキさんにだけですよ……」

「…じゃあ、寝ようか」

「は、はい…」

そう言って寝室に向かう二人…
………
……


「…どうしてティキさん背中向いちゃううんですか?」

「え!?だ、だって見つめ合ってたら眠りにくいだろ?」

なるべく正気を保てるように考えた苦肉の策を指摘されてしまい困るティキ

「そんな事ないですよ?私ティキさんと一緒なら安心して眠れます」

俺は眠れなくなっちまうよそれじゃあ…
でも仕方ない

ゴロリと身体をリナリーの方へと向ける

うっ、リナリーの顔が目の前に…


「ティキさん…わがまま言ってごめんなさい」

「リナリーならいいよ…」
思っていたより心が安らいでいるティキがボソリと言った

「えへへ…………」

「リナリー?」

寝ちゃったか…
俺だって男なのに
まぁこんなに安心しきった顔で寝ちゃって…

文句を頭の中に浮かべてみるが
幸せそうに寝ているリナリーには敵わないという事を悟ったティキ

大丈夫だ…
俺のリナリーを大切にしたい気持ちは本物だ…
間違いは犯さない…

リナリーの寝顔を眺めながら
ティキも眠りの世界へと堕ちて行った
………
……
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