K×M短編集


「神田君、Trick or treat?」

「…あ?」

声を掛けられた神田が振り返ると、魔女の姿をしたミランダが笑いながら立っていた

「……何やってんだミランダ?」

面倒くさそうにミランダに言葉を返す神田の姿を見てミランダはため息を吐く

「はあ…神田君はハロウィンでも相変わらずなのね…」

「ん、何だ今日はハロウィンなのか?」

「…そうじゃなきゃ私はこんな格好してないわ」

「……『Trick or treat』…か…生憎だが俺は何も持ってないぞ」

「でしょうね…それじゃあ神田君、ハロウィンを楽しんでね…」

そう言って神田の元から去ろうとしたミランダ…その瞬間-

「…待て」

「え?」

神田がミランダを呼び止めた、何事かと思って振り返るミランダ

「ど、どうしたの神田君?」

「…俺はお前にtreatできなかった」

「え、ええ…そうね、でも気にしないで-」
「-だから…」

その時、ミランダの言葉を遮りながら神田がミランダの目を見て言葉を呟いた





「だから俺はお前のTrickを受けて立つ、何でも好きな事をしてみろ」

「………は?」

神田の言葉を聞いてミランダの思考が停止してしまう

「どうした?俺を好きにしていいんだぞ?」

何故か得意そうな顔でミランダと向き合う神田と…困り果てた顔で固まってしまったミランダ…
どちらが悪戯しているのか、もう誰にも分からない…


END
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