L×M短編集

【本当の言葉】


「え、あ、え…?」

ミランダは性格上、本当に言いたい事が言えてないんじゃないかと思う。
今だって、自分に何が起きたのか、どうして俺がそんな事をしたのか知りたいはずなのに。

「ラ、ビ くん」

途切れ途切れにやっとの思いで搾り出したであろう小さな声はその次の言葉を吐こうとしない。
どうして、だとか。
なんで、だとか。
そういった言葉を続ければ、どうして俺がそうしたかを俺は答えることができるのに。

どうして

なんで

キスしたの?

そう言ってくれれば俺は…
俺は…?

(…何だよ)

(…俺だって)

俺だってミランダには本当に言いたいことが言えないじゃないか。



沈黙の中、言葉になるはずだった声は溜息となって消えていった。

END
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