K×L短編集



「ねぇ神田?」

「あ?」

私が神田に話し掛けると神田はいつも面倒臭そうな声をする

「…私の事いつから好きだった?」

私は恋人のそんな態度が
少し気に入らないので
そんな時は恋人が真っ赤になって慌てるような質問をするのだ……
しかし…
今日はいつもの反応がなかった…
いつもなら…

『何馬鹿な事聞いてんだ!』

と言って
顔を真っ赤にしながら
恥ずかしさで私から顔をそらす恋人の姿を見て
私はあまのじゃくな彼を笑うハズだったのだ

でも…

「……お前は?」

「え?」

「……お前は俺の事いつから好きだったんだ?」

今日は逆に私が赤面させられそうになった…
しかしここで慌てては面白くないので
私は早鐘のようになる心臓の鼓動と…
少し熱くなってきた顔を見られないように少し下を向きながら


「…私は初めて見たときから神田が好き」


と、動揺を悟られないようにゆっくりとした口調で言った
私は今度こそ神田が慌てる姿が目に浮かんだのだが…今日の恋人は私の言葉を聞いて


「…何だ、お前も俺と一緒か」


と、少し嬉しそうに答えたのだった



私は
恥ずかしさのあまり
その場から走って逃げてしまった……



背後から勝ち誇ったように笑う恋人の声を聞いた…
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