K×L短編集
ひっく!
「………」
ひっく!
「さっきからなんだ、どうした?」
「う~ん、さっきからどうも…ひっく!…しゃっくりが止まらないのよ…」
尚もリナリーの息を飲むような声が神田の部屋に響き渡る。
「…水でも飲んだらどうだ、ホラ」
「うん、ありがと」
神田に差し出された水を受け取り、それをゆっくりと流し込み、ごくり、と喉を鳴らしそれをそれ飲み干した。
「…どうだ?」
「……ひっく!」
リナリーの返答に神田は頭を抱える。
「そろそろ止まってくれないと…ひっく!困っちゃうなぁ…」
「しょうがねぇな…」
しゃっくりを止める良い策を思いついたのか、神田はそっとリナリーの傍まで近づいた。
「おい、ちょっとこっち向けよ」
「え…?」
振り向いたリナリーの頬に神田は優しく手を添えた。
そして…
「むっ…ん~!?」
リナリーの唇に神田の唇が押し当てられた。
驚きの余り離れようとするリナリーの唇を神田は強引に奪い続ける。
やがてリナリーの抵抗も弱くなり、ただじっと目を閉じて神田に身を任せ始めた。
どれほどの時間であったのであろうか、息をする事も忘れるくらい重なっていた二人の唇が離れた。
はやる鼓動を押さえるかのようにゆっくりと呼吸を整え、神田と向き合うリナリー。
「きゅ、急に何するのよ!」
しかし突然の出来事に落ち着けるはずもなく、興奮した面持ちで神田を問い詰めた。
問い詰められている神田は冷静といった面持ちからにやりと口角を上げて得意そうに呟いた。
「びっくりしたか?」
「へ…?」
「しゃっくり、止まっただろ?」
「あ…」
気づけばしゃっくりは先程のキスのせいでもあるのか、喉の奥底へと追いやられてしまっていた。
「しゃっくりが止まらなくなったらいつでも来いよ、何回もびっくりさせてやるからよ」
自分の顔が赤くなっていくのが熱で分かった。
胸の奥がむずむずと痺れていく。
ただ、今はその感覚が心地よかった。
END
