K×L短編集


「神田はさ、夢の話って知ってる?」

二人で部屋でまどろんでいた時、リナリーが神田に言った。

「…夢の話?どんな話だ?」

リナリーの言葉に興味を示したのか、神田がリナリーの方を向く。
聞いた話なんだけれどね、と前置きをしてからリナリーは夢の話を始めた。

「実は夢って言うのは全部繋がっているっていう話」

「繋がってる?どういう事だ」

「えっとね、全ての人の夢は繋がっていてね…例えば自分が強く誰かのことを想うと、その想った人の夢の中へいけるっていうの」

何処か楽しそうに、リナリーは話を続ける。

「だから誰かが自分の夢に出てきたらその人は自分の事を想ってくれてるんですって…」

話を終えると、くすくすと笑い出すリナリー。

「どうしたんだ、リナリー」

「あのね、昨日…私の夢に神田が出てきたんだ」

「…はぁ…!?」

リナリーの言葉を聞いて驚きの声をあげて固まってしまう神田。
その神田の反応を見てまた、くすくすと笑うリナリー。

「私はさ、この話本当だったらいいなぁって思うんだけど神田はどう思う?」

にこにこと神田の反応を楽しむかのように見ているリナリー。
当の神田は顔を真っ赤にしながら何かを考えるように目を瞑った…そして、一言だけ呟いた。



「…多分…その話は本当の話なんだろうよ…」



神田の言葉を聞いてリナリーの顔にも赤みが増す。

「ふふ…嬉しいな…」

「ちっ…」

恥ずかしそうにリナリーから顔を逸らす神田。
このやり取りがあったせいかどうかは分からないが、その日の晩…神田の夢にはちゃんとリナリーが出てきたという…

END
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