K×L短編集



ドゴォーン!

爆音と共にAKUMAが爆発した
「ちっ…手間かけさせやがって…」

六幻をしまいながら神田が呟いた…
そこに

「ちょっと神田!」

「あ?」

何やら怒った様な顔でリナリーが走って来た

「今の爆発で左腕怪我してるじゃない!」

「ん…?」

ちらりと左腕を見てみると確かに先程の爆風で受けたのかうっすらと血が流れていた

「……こんなもんなんでもねぇよ」

「でも…!ちゃんと治療しなきゃ…!」

リナリーも神田の身体がどういうものかを重々理解していた…
しかし理解していると言っても今見ている痛々しい怪我を黙って見ている気にはなれなかったのだ
そんなリナリーの心配をよそに神田はさっさと歩いて帰ろうとしてしまう

「…このぐらいなら大丈夫だ」

「…でも!」

行かせまいとリナリーが神田の服を掴む
急に服を掴まれて何事かと神田が振り返るとそこには涙目なリナリーの姿…
その姿に神田はドキリと心臓を揺らし
その動揺を悟られまいとついつい…

「ちっ…こんなもん舐めときゃ治るんだよ!」

と少し強い言い方をしてしまう

「え……?」

言われたリナリーは大声に驚いたのか…キョトンとした顔で…何かを考えているような顔で動きを止めてしまった


(少し強く言い過ぎた…か?)
「……じゃあな」

神田はその場の気恥ずかしさから早く立ち去りたくなって再び踵を返そうとした時…


ぎゅっ


再びリナリーが神田の服を掴んだ

「?……何だよ…?」

不思議に思った神田は再び振り返る
瞬間、リナリーが怪我をした方の神田の袖を捲くる
(もう傷は治り始めていたのか先程よりも傷が小さくなっていた)

「おい、何す」
何するんだ?と言おうとした神田は次のリナリーの行動に言葉を飲み込まざるをえなかった




ぺろっ

「!!!!!?」

神田の袖を捲くったリナリーが神田の傷口を舐めたのだ

「ななななな!!」

自分がされた事を理解した瞬間神田が真っ赤になった、そんな神田に不思議そうに顔を上げるリナリー

「え…だって舐めれば治るんでしょ?」

「ち、違っ…!」

しかしそこには 違う と口で言いながらも満更でもない神田がいたという…

END
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