A×M短編集
「アレン君!!」
「ミランダさん!!」
互いの名前を呼びながら、嬉しそうに距離を縮める二人
「ミランダさん…会いたかったです」
「私もよ…アレン君…」
「ミランダさん、団服似合ってますね」
「アレン君も、新しい団服似合ってるわよ…あら?」
ミランダの目がアレンの耳元で止まった
ミランダの目線の先には…
「アレン君…ピアス付けたの?」
「あ、これですか?これは…」
アレンがピアスについて説明しようとしたその時…
「アレン君、ファッションに気を遣うのもいいけれど自分の身体を傷つけるのは良くないわよ?」
少し悲しそうにアレンに言葉を掛けるミランダ
「い、いや、あの…これは…」
何故かミランダの言葉を聞いて気まずそうにしてしまうアレン
(え~と!?どうしよう!?ミランダさんはピアスとか嫌いなんだ!?)
久しぶりに会ったのにミランダに嫌われてしまうと言う事を恐れたアレンは必死に自分のピアスの正当化を考えた、結果-
「(そうだ!)な、何言ってるんですかミランダさん?」
「へ?」
「…僕を一番先にキズモノにしたのはミランダさんじゃないですか」
「ア、アレン君!!」
アレンの言葉を聞いて何も言えなくなってしまったミランダ
しばらく無言で向き合っていた二人であったが…
「………」
「ミ、ミランダさん?」
無言でアレンに近づくミランダ、そして…
ぴしっ!
「痛っ!?」
突然のミランダからのデコピンにアレンは額を抑える
ぴしっぴしっ!
「痛っ!?痛っ!?」
無言で顔を真っ赤にしながら容赦なくアレンにデコピンを繰り返すミランダ
ミランダの攻撃に額を抑えているアレンだが、それでもミランダの攻撃はやむことはない(むしろ強くなっていく)
「ちょ、ちょっとミランダさ…!」
「わ、私だって…!」
目に涙を浮かべたミランダが息を大きく吸い込んだ
「私だってアレン君が初めてだったんだから!」
「ミ、ミランダさん…」
「それにあの夜私を押し倒したのはアレン君じゃ…!そうよ!それに私だってアレン君にキズモノに…!」
「うわああああ!!?」
結果的に言うと、話を別の方向へ行かせることには成功したアレンだったが、錯乱したミランダが大声で『あの夜』の事を話そうとするのを止めるのに無駄な神経を使うハメとなってしまった
END