A×M短編集




老人の様な白い髪

僕はこの髪が嫌いだった

義父を殺した報い

それが僕から髪の色を奪った

同年代の人間を見たって誰も僕と同じ髪の色をしている人はいない

まるで世界に独りぼっち…

僕の髪の色が変わってから周りの人は更に僕を畏怖する様な目を向ける様になった

左腕と白髪のせいで僕は益々世界から孤立している様に感じてしまった

だから僕は自分の髪を隠すように生活するようになった

毎日帽子を被ったりフード付きの服を着て生活を続けていた

そう

貴女に会うまでは…



『アレン君の髪…とても綺麗ね』



偽りのない貴女の言葉


『私はアレン君の髪が好きよ?』


そう言って少しはにかんで僕の髪を撫でる貴女の手

瞬間に

嫌いだった自分の髪が好きになった

貴女が『好き』と言ってくれたから

理由なんてそれだけで十分だ


END
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