ブレーキンダウン

(何?何だ?この女今何を言ったんだ?)

神田はまだ理解ができない

「…何でだよ?俺の何がいいんだよ?」

「そんなの分からないわよ!でも!」

「でも?」

「…神田と居るときが私は一番安心できる…神田と一緒に居たい!」
絶叫。哀しみと切なさに彩どられたその声は神田の鼓膜ではなく心を揺らした

「…いいのか、俺で」

「神田じゃないとダメ…私には神田が必要なの…」

「そうか…何だ、今気付いた」

「…神田?」

「最初からお前の事しか考えてなかったんだな、俺は」
それと同時に何故かその気持ちに反発して歪んだ態度を取り続けていた自分にも気付かされる

(俺がこの女と居るのはどうしてだろう…
俺もこいつもエクソシストだ、いつ死んでもおかしくはない…
それでも二人で居るのが多いのは………この女が好きだからだ)

「でもな、リナリー…」

「なあに?」

「いや……何でもない…」
神田に満面の笑みを向けているリナリーを見て、神田は言おうとした言葉を飲み込んだ

「ふふ、変な神田?何だか湿っぽくなっちゃったわね?ジェリーの所でお茶にしましょ?」
そう言って神田の手を掴むリナリー

「うわっ」
突然手を掴まれバランスを崩しながらもリナリーに連れられていく
途中

(…‥もしも俺がこの手を振り払ったらこの女は泣くだろうか?俺はこの手を握り返してもいいのだろうか?)
先程の言葉の続きを思い出す

でもな、リナリー…





俺はお前より早く死ぬぞ?

END
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