おままごと
いつからだろう
俺がこの感情を持ったのは
俺が持ってはいけない感情を持ってしまったのは
その途端
俺の頭の中に
何か黒っぽくて歪んだ例え様のないものが
そんなモノが頭の中をグルグルとはいずり回ってくる………
……
…
「下向いてどうしたのラビ?」
談話室の椅子に座りながら下を向いていた俺に突然『君』が声をかけてくる
(人通りの多い所なんだからいずれ誰かがかけたであろうが)
「リナリー…」
顔をあげて『君』の名を口に出す
「大丈夫?体調が悪いの?」
俺の考えなんて何一つ解らないであろう『君』は『本当』に心配そうな顔で俺に声をかけてくる
だから
「……ん~?ちょっと考え事~」
俺はいつも通りの笑顔を『作り』リナリーに笑いかける
「本当?」
「あ~本当だって、いやぁ見習とはいえブックマンは考える事が多くて嫌になるさぁ~」
「そっかぁ…ラビも大変なんだぁ…」
「あ~何?何だか引っ掛かる言い方だねぇ?」
「フフッ…」
『君』は俺の言葉に楽しそうに微笑む
俺も君の笑顔を見て楽しそうな顔を『作る』
「考えすぎは身体に悪いよ?」
「ハイハイ、気をつけますよ」
こうして『いつも通り』リナリーと他愛もない会話を始める
そうしてるうちに君は誰かに呼ばれ行ってしまう
「じゃあラビ、またね?」
「ハ~イ、またね?」
手を振ってリナリーが見えなくなるまで『笑顔』で手を振り続けた…
「またね…か…」
ポツリ呟いて振っていた手をじっと見る
(俺は利用してるだけなのに、簡単に信じちゃって)
さっきまでいたリナリーの事を考える
すると
「ラビ…」
無人のハズだった談話室から声が聞こえてきた
声の主はわかってる
「何よ?ジジイ?」
くるりと後を振り向くと
いつの間にか談話室のソファーに俺の師匠にも当たるブックマンのジジイが立っていた
「椅子の上に立つなよ?行儀悪いさ」
「吐かせ…それよりもラビ…」
「ん~?」
「お前…最近あの娘に心を開こうとしておらんか?」
「………」
さっきまでの笑顔を無くし
ジジイと顔を合わせたくなくなった俺は再び身体を出口に向ける
「な~に言ってんのよ?今日も俺は『作ってた』っしょ?」
「…そうか?」
「そうだよ、まぁやっぱり向こうが俺に心を開いてくれれば情報が引き出せやすいからさぁ?ちょっと一歩進むために…ねぇ?」
「…まぁいい…目的を忘れるなよ…ラビ…」
「はいはい、わかって…」
振り向いた時にジジイはもういなかった
「ったく…」
さっきまでジジイが立っていたソファーまで歩き
ゴロンと身体を横に倒す
天井の光が左目に映る
「俺は…本気に…」
それだけ呟いて
ラビは瞳を閉じた
続きの言葉を
夢に見ようとして…
暗い世界へと落ちていった
俺がこの感情を持ったのは
俺が持ってはいけない感情を持ってしまったのは
その途端
俺の頭の中に
何か黒っぽくて歪んだ例え様のないものが
そんなモノが頭の中をグルグルとはいずり回ってくる………
……
…
「下向いてどうしたのラビ?」
談話室の椅子に座りながら下を向いていた俺に突然『君』が声をかけてくる
(人通りの多い所なんだからいずれ誰かがかけたであろうが)
「リナリー…」
顔をあげて『君』の名を口に出す
「大丈夫?体調が悪いの?」
俺の考えなんて何一つ解らないであろう『君』は『本当』に心配そうな顔で俺に声をかけてくる
だから
「……ん~?ちょっと考え事~」
俺はいつも通りの笑顔を『作り』リナリーに笑いかける
「本当?」
「あ~本当だって、いやぁ見習とはいえブックマンは考える事が多くて嫌になるさぁ~」
「そっかぁ…ラビも大変なんだぁ…」
「あ~何?何だか引っ掛かる言い方だねぇ?」
「フフッ…」
『君』は俺の言葉に楽しそうに微笑む
俺も君の笑顔を見て楽しそうな顔を『作る』
「考えすぎは身体に悪いよ?」
「ハイハイ、気をつけますよ」
こうして『いつも通り』リナリーと他愛もない会話を始める
そうしてるうちに君は誰かに呼ばれ行ってしまう
「じゃあラビ、またね?」
「ハ~イ、またね?」
手を振ってリナリーが見えなくなるまで『笑顔』で手を振り続けた…
「またね…か…」
ポツリ呟いて振っていた手をじっと見る
(俺は利用してるだけなのに、簡単に信じちゃって)
さっきまでいたリナリーの事を考える
すると
「ラビ…」
無人のハズだった談話室から声が聞こえてきた
声の主はわかってる
「何よ?ジジイ?」
くるりと後を振り向くと
いつの間にか談話室のソファーに俺の師匠にも当たるブックマンのジジイが立っていた
「椅子の上に立つなよ?行儀悪いさ」
「吐かせ…それよりもラビ…」
「ん~?」
「お前…最近あの娘に心を開こうとしておらんか?」
「………」
さっきまでの笑顔を無くし
ジジイと顔を合わせたくなくなった俺は再び身体を出口に向ける
「な~に言ってんのよ?今日も俺は『作ってた』っしょ?」
「…そうか?」
「そうだよ、まぁやっぱり向こうが俺に心を開いてくれれば情報が引き出せやすいからさぁ?ちょっと一歩進むために…ねぇ?」
「…まぁいい…目的を忘れるなよ…ラビ…」
「はいはい、わかって…」
振り向いた時にジジイはもういなかった
「ったく…」
さっきまでジジイが立っていたソファーまで歩き
ゴロンと身体を横に倒す
天井の光が左目に映る
「俺は…本気に…」
それだけ呟いて
ラビは瞳を閉じた
続きの言葉を
夢に見ようとして…
暗い世界へと落ちていった
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