「味覚ってのは変わるもんだ、今なら美味いと思えるかもしれねぇぜ？」

「……そうかしら？」

「ほら、試しに飲んでみろよ」

ミランダにコーヒーを差し出す神田
神田は何としてもミランダにコーヒーを飲んでもらいたいようだ
神田の熱心なすすめに観念したミランダは神田からコーヒーを受け取った
受け取ったカップからは良い香りの湯気が出ている

「う～ん…それじゃあ…私も一口ね？」

「どうぞ？」

少しニヤニヤしながらミランダに言う神田
そして神田から受け取ったコーヒーを一口飲んでみるミランダ
ミランダも一口飲んだ後は顔が歪んだ

「…苦～い、神田君お砂糖入れないの？」

「この苦みがいいんだぞ？コーヒーってのは」

お子様だなっ？

とミランダの様子を見た後に得意げな顔をする神田
明らかに子供の反応を見せているのは神田であった
ミランダはそんな神田に少し微笑ましい気分になった
「私はやっぱり紅茶の方がいいわね……あっ！」

自分の紅茶を一口飲んだミランダは驚くような声をだした

「どうした！？」

神田が何事かとでも言いたい顔をしてミランダを見た
「ううん！？なんでもないのよ！？気にしないで！？」

ミランダを見た神田はミランダの顔が真っ赤になっているのに気付いた

「なんだよ？顔が赤いぞ？どうしたんだ？」

「いや…あのね……大した事じゃないんだけど………ｽ……しちゃ…て…」

「は？」

語尾に近づく度どんどん声が小さくなっていき
神田には何を言っているのかわからなかった

「何だ…？ス？何の事だ？ハッキリ言えよ」

少し強い口調でミランダに言う神田
ミランダは更に顔を赤くしてしまった

「だからね…いま…神田君と……ｽ……しちゃったの」

「は？何？」

「っ……だから！」

ミランダはそんなに何度も言いたくないのか珍しく大声を出した…
その後やはり蚊の鳴くような声だがハッキリと言った




「……キスしちゃった」

「え？」