紅茶とコーヒーと子供と大人

「じゃあ…少しもらう」

ミランダに差し出された紅茶を受け取る神田
紅茶を受け取った時は好奇心に満ちた顔をしていたが紅茶を ぐぃっ と一口飲むと…
その顔が歪んだ


「すっぱい……」

「ふふふ…そんなに欲張って飲むからよ?」

ミランダはいつも強気な少年が紅茶の一杯で顔を歪めているのを見て顔が綻んだ

「…俺はコーヒーの方がいいな」

そう言って神田はミランダに紅茶を返し…
口直しだろうか
自分のトレイに置いておいたコーヒーを飲みだした

「神田君はコーヒーが好きなの?少し意外だわ?」

「…そうだな…リナリーがコムイにいつもいれるコーヒーを飲んでる内に…好きになったんだ」

「…そうなんだ」

今度は神田のコーヒーを見たミランダが顔を暗くした
その変化を神田は見逃さなかった

「ミランダはコーヒーが嫌いなのか?」

「え!?どうして!?」

「…顔に書いてあるぞ」

少し笑みを含みながらミランダの顔を指差す神田

「……子供の頃に一度飲んだコーヒーが苦くて…それ以来コーヒーは飲んでないわ」

「今でも駄目なのか?」

「…うん」

コーヒーの苦い思い出(そのまんま)を語り始めたミランダ
それを聞いた神田は少し面白そうに

「飲んでみたらどうだ?」

とミランダに自分のコーヒーを差し出した

「え?」
2/5ページ
スキ