それぞれのホワイトデー

神田、リナリー編

その日…というか今日もリナリーは朝から不機嫌だった…
それもこれもコムイの与えた任務のせいで三日前から神田がいないからだった

「任務なんだから仕方ないじゃないかぁ~」
機嫌の悪いリナリーに必死にコムイが説明する
しかしそんな兄の言葉もリナリーには届かない…

「何よ…兄さんの意地悪…」
教団の出入口でポツリと呟くリナリー
そして遅くても帰りは一週間後になるだろうと言われた恋人の帰りを待ってみた

(……馬鹿みたい…会える訳ないのに…)

「……こんな所で何やってんだ」

「…うーん…別に…」

「……お帰りぐらい言えよ」

「………え?」
リナリーが顔を上げてみるとそこには一番会いたかった人物が立っていた

「どうして!?任務は!?」

「あぁ…ガセネタだった…イノセンスなんてなかったからな…さっさと帰って来た……リナリー」

「え?」

「…ただいま」

「っ…おかえり!」

そして神田に抱きつくリナリー…
その姿を遠巻きに見ている人物が…

「チッ…もう帰って来たのかい…」
「室長…ガセネタなんて流したって無理ですよ…」
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