それぞれのホワイトデー

アレン、ミランダ編

その日のミランダは落ち着きがなかった…
あの日、一ヶ月前のアレンは本当に嬉しそうにしていた
(一ヶ月前に食べたチョコは悔しいがアレンがくれたチョコの方が美味しかったらしい…アレンはミランダのチョコに少し苦い顔をしていたが幸せそうな顔をしていた…)

あんなチョコにお返しなんて貰えないわ…

しかしミランダは心のどこかでお返しをくれるのを期待している自分がいることに気付いていた…
そしてそんな自分が嫌になっていた…

こんな気分じゃ…駄目よね

そして気分転換をするため中庭に行きベンチに座っていた
そんな時

「ミ~ランダさん♪」

「! アレン君!?」

「探しましたよ?」

笑顔でミランダに声をかけてきたアレン
その笑顔に実は今日は会いたくなかったなどとは口が裂けても言えない

「…アレン君」
しかし…やはり会えた事に喜んで知らず知らずのうちに笑顔になっているミランダ
その笑顔を見たアレンは

「あ~…ミランダさん…そんな笑顔は…やめてください…」

「…え?」

ミランダはアレンの言葉にショックを受けたが…

「……僕…こんなものしか用意できなかったんです…」
そう言って小さな包みをミランダに差し出すアレン

「そんな……たいした物じゃないんです…」
「そんな事ないわ!…凄く…嬉しい…」

ミランダの頬を涙が伝っていた…

「わわ!ミランダさん!」
「アレン君…ありがとう…」

そしてその日…
嬉し涙を流すミランダを泣きやます為に四苦八苦しているアレンの姿があったという…
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