奇跡の軌跡

「ふむ…自分を5歳だと思っているのか…」

「今朝になって突然なんです」

「ドクター、あれって記憶喪失なのかしら?」

「ふむ……話を聞くと幼児退行を起こしているが……実際見てみると少し違うな」

「どういうことです?」

「幼児退行を起こしていても今までの記憶というものは若干残る物なんだ……しかし今のロットーを見ると完全にこの場所を知らないし……」
うむむ…と考えるドクター

「それでドクター!ミランダさんは治るんですか!?」
別室の二人をちらりと見るアレン
「ううぅ……ミランダさんがあんなに楽しそうに神田と話してるぅ………」
ガラスにへばり付いているアレンを無視してリナリーはドクターに聞いた

「ドクター…ミランダは大丈夫かしら?」

「ふむ……何かショックを受けて幼児退行を起こしたのじゃないなら…もしかしたら…」

「もしかしたら?」

「……脳に腫瘍でも出来てるかもしれん」

「なんですって!?」

「まぁ…見てみないとわからないが……すぐにMR検査をしてみよう」
そうして三人ミランダと神田の元へ…

「待たせたねミランダ?」

「私病気だったの?」
不安げな顔のミランダ

「ごめんね?それを今から確かめるんだよ…だから一緒に来てくれるかな?」
不安を与えないように笑いながらドクターは言う

「……うん」

「じゃあこっちの部屋に…」

「うん……ユウおにいちゃん…」

「…なんだ?」

「一緒に来て…」

「は?」

「そうだな……不安を与えないために神田も来てくれ」

「なっ何で俺なんだ…」
ドクターに呼ばれミランダと一緒に行ってしまう神田

そんな二人を不安そうに見送るリナリー
「アレン君…ミランダ大丈夫かしら?」
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