奇跡の軌跡

何とかミランダに落ち着いてもらいアレンはヘブラスカに事情を話す

「…と言う訳なんですが…大丈夫でしょうか?」

「わかった……見て…みよう…ミランダ…おいで」
名前を呼ばれたミランダはびくりと身体を揺らした

「……痛くない?」

「ああ……大丈夫……だ…」

「……」

びくびくとヘブラスカの前に出るミランダ

「目を…閉じて……」

言われて目を閉じるミランダ…
目を閉じたミランダの周りにヘブラスカの触手の様な手が絡み付く…
ビクりとミランダの身体が震える…
「大……丈夫…心配…いら…ない…」

そしてミランダの額に自分の額をくっつけるヘブラスカ…

「……こ…れは…」

ミランダと額を付けたヘブラスカがそんな声をだす……
そして直ぐにミランダから手を離した
その姿を見てアレンはミランダに聞く…

「…ミランダさん?」

「おにいちゃん?私治ったのかな?」
話しかけたミランダは先程と同じだった
「! ヘブラスカ?!」

「まぁ…待て…今説明…する…確かに……ミランダは…イノセンスのせいで…こうなって…いる」

「それで……イノセンスは出せなかったの?」
リナリーがヘブラスカに不安げに聞いた

「これは……非常に…珍しい…事だ…」

「…どういう事だ?」
と神田

「確かに…ミランダは……イノセンスの…せいでこうなっているが……抜け殻が力を持った…んだ…」

「抜け殻?」
とラビ

「うむ……これは…ミランダのイノセンスの…抜け殻…談話室の…古時計が…やっている」

「どういう事である?」

「…これは…かなり…珍しい出来事…だ………アレン…リナリー…」

「「はい?」」

「ミランダはまた……時計に何かを願った…ようだ」

「「え?」」

「それを……古時計…に…僅かに残っていた…イノセンスが叶えて…しまった……ただ…完全な力は働かなかったよう…で…精神だけが…巻戻った様…だ…それは…完全な…イノセンスではない…だから…私には取り出す事が…出来ない…」
「「「そんな!!」」」

「安心…しろ…」

「安心?」

「所詮は……抜け殻……徐々に力を…失いつつ…ある…しばらくしたら…元に…戻る…」

「本当ですか!?」

「あぁ…本当…だ…」

「うぅん…」
ヘブラスカとの会話中…ミランダの声が…

「ミランダ?」

「ん…眠い…」
振り返ったアレンの目に映ったのは膝から崩れ落ちそうなミランダであった

「危ない!」
倒れそうなミランダをアレンがキャッチした

「すー…」

「…寝てる?」

「もう…力が解けるの…だろう」
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