それぞれのバレンタイン

ラビ、マホジャ編


その日ラビは階段の踊り場にいた…
この場所が1番目立つ場所だからだ…
想い人がすぐに見つけてくれる…
そんな思いで立っていたが…


「マホジャ…」
いつまでたっても現れない想い人の名をポツリと呟く

(やっぱりくれないのかなぁ?正式にお付き合いしてないし…)

そんな思いが頭に浮かび顔を下に向けているラビ…その時二階では…


(わっ私は何を迷ってるんだ?ただこれを渡すだけじゃないか!それにこれは義理チョコだ!まだ正式に付き合っていないのだからな!うん!これは義理チョコだ!別に義理チョコを手作りしてはいけないという決まりもない!)

義理にしてはやけに力を入れたチョコを手に迷う人物…

(ええい!こうなったら!)
………
……

「ラビ!!」

下を向いていたラビ…
突如二階から声がした
声のした方へ顔を上げると…

「ぶ!」

突然何か固いものが顔にぶつかった…

「テテテ……誰だ!」

だが声のした方には誰もいない

「なんだよ……ん?」

そして先程顔にぶつかったものを拾いあげると それはチョコの包みだった
そして先程の声を脳内で再生させその声の主が誰かとわかり
恥ずかしがり屋な彼女のとった精一杯の行動だとわかり
一人踊り場で笑いを抑えているラビの姿があったという…
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