冬のセーター

木枯らしの吹く寒い帰り道

貴女と二人だけの帰り道

少し寒くなった僕は

体を温めるためにある話を貴女に聞かせる…




「そういえばミランダさん知ってますか?」

「何を?アレン君?」

「……この森……出るらしいんです……」

「……なっ何が…?」

ほら、もう怖がってる

「ある日…検索隊の人達が任務終わりにこの道を歩いていたんです」

「うっうん…」

「その日は奇妙な日だったそうで…冬の夜だと言うのに生温い風が吹いてて…」

「………」

黙っちゃった…もう一息かな

「奇妙に思い、早く帰ろうと思った矢先…一筋の風が検索隊の間をすり抜けました…」

「………」

よし…トドメだ…

「そして何気なく風の通った先を見ると………木の間から何本も青白い手が伸びていたそうです!」

「………」

あれ?反応が無いな…

「…ふふ」

「え?」

「こ、怖がりね…アレン君は…きっと枝か何かを見間違えたのよ……」

うーん?震えながら言われても…もう少しか…

「…そんなはずはありません」

「え?」

「だって…その腕は今ミランダさんの後ろ―」

がば!

「い…嫌ぁ…怖いぃ……」

……あぁやっぱり寒い日は


ミランダさんの温もりに限るなぁ…





「もういないわよね…アレン君…?」

「………」

「ねぇアレン君!どうして黙ってるの!?…後ろに何かいるの!?」

(…ミランダさん…あったかいなぁ///)

聞いちゃいねえアレンであった…

END
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