お兄ちゃんは心配性

今まで神田の話を冷静に聞いていたコムイはこの発言にピクッと眉を動かした
「だ…誰が義兄さんだあ!まだ呼ぶなあ!やっぱり認めない!僕は認めない!」
「兄さん……」
過度な兄の愛情に困り果てているリナリー

「ダメだ!やっぱり神田なんか!リナリーが汚れる!」

ぷちっ
リナリーが汚れるだと……!?

「ちょっと兄さん!?そんな言い方は……!!」

「そうだなぁ…大事な大事なリナリーだからな…」

先程の発言にキレた神田がゆっくりと語り始めた…
そして次の発言で科学室の全員の時を止めた…

「だがもう遅えんだよ!リナリーはもうとっくに俺が頂いてんだよ!」

ピキッ

世界が凍り付く音が聞こえた
たっぷり数十秒は凍り付いた世界で初めに動いたのはリナリーだった
「ば……」
ゆっくりと口を動かすリナリー


「馬っ鹿じゃないの!!大声で何言ってんのよ!!!」
顔を真っ赤にして神田に怒鳴るリナリー

「リ、リナリー…?」
信じられないという様な顔をしているコムイ

「……兄さんも聞いたでしょ!?私と神田はそういう関係なの!!もう私達は放っておいて!!……じゃないと嫌いになっちゃうから!!」
「!!!!」
走って科学室を出ていくリナリー…その足はとても早い…

「室長…もう二人は子供じゃないんだし…認めてあげましょうよ…」
止まった世界で次に動いたのはリーバーだった

「そうですよ室長…」
「室長…」
止まった世界から次々に現世に戻って来た科学班の一員
全員が揃って同じ言葉をコムイにかける
先程のリナリーの言葉もあってかコムイは観念したように言った

「神田君…」
「………?」
「リナリーを頼むよ…」

よく言った室長!

周りから声が上がる

「頼まれなくてもわかってる…」
それだけ言って神田はリナリーの後を追おうとした神田にコムイが声をかける

「そうだ神田君?リナリーを泣かせたら許さないからね?」
すこし冗談混じりに言うコムイ

それを聞いた神田は科学室の扉を開ける手を止めた

「……それは無理だ」

「え?」

「リナリーには毎晩いい声で鳴いてもらってる…」
それだけ言って科学室を出ていく神田

また科学室の時間が止まった…

そして数分後…

「室長を止めろー!!」
「アハハハ!!行くぞコムリン!!馬鹿な義弟に魂の救済をー!!」
精神が崩壊したコムイがリナリーに再び蹴り飛ばされるのはコムイがコムリンを使って教団を半分破壊してからだった…


END
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