お兄ちゃんは心配性

そして科学室の空気とコムイの様子がいつもと違う事に気付いた二人
「リーバー班長、兄さんどうしたの?」

「あー…うん…」
何か困った顔のリーバー
「ついにイカれたのか?」
含み笑いを浮かべコムイを見る神田…その神田の言葉にピクリと反応を見せるコムイ

「やあ……いい所にきたねぇ……神田…」
ゆらり…とコムイの体が二人を向く
その姿は何やら不気味である
「…兄さん?どうしたの?」
いつもと違う兄の姿に戸惑っているリナリー
「………リナリー…どうしてだい?」

「え?」

「どうしてよりにもよって神田なんだい!?お兄ちゃんは悲しいよ!!」

「え?に、兄さん?」

「もう隠さなくていいんだよ…君と神田が付き合ってるのは知ってるんだ…」

「え?」
ドキリと神田と顔を合わせるリナリー
その行為で不安が確証に変わったコムイ…

「何故だい!?何故神田なんだいリナリー!?」

「なっ何故って…」

「なんで!?いつからなの!?二人が付き合ってたのは!?」

「え?……えと…正式に付き合い始めたのはアレン君が教団に来たぐらいから…」

「そんな前から…」

「ゴメンね兄さん…言おう言おうと思ってたんだけど…」

「そりゃあここまでシスコンの兄がいりゃあなぁ…」
ここで沈黙を保っていた神田が口を開く

「何ぃ!」
「ちょっと神田!」

「なんだとぉ!僕はリナリーの幸せを願って…!」
「逆にそれがリナリーの幸せを潰してるんだよ…」
「ちょっと神田…」
制止の声をかけるリナリーを無視し喋り続ける二人

「う…うるさい!僕のたった一人の家族なんだ!君に僕の何がわかるっていうんだ!」
「なんにもわかんねぇよ…」
「何ぃ!」
「……お前が俺達をわかろうとしてないからな…」
「うぅ…!」
「一人になんのが怖いのか…」
「う、うるさい!」
「安心しろよ…」
「安心…?」
「別にお前からリナリーを取ろうってんじゃねえ」
「……」
「お前が生きていくのにリナリーが必要なのは知ってる…だがな俺にもリナリーは必要なんだ…」
「………」
真剣な顔でコムイに語る神田
コムイも神田の本気の気持ちを感じている
「だから…許せ…義兄さん」
「!!」
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