一月一日

「不可能が?どうして?」
不思議そうにリナリーが聞く

「えぇ?考えてもみなよ?今俺達は見る事が出来ないはずのモノを見てるんだぜぇ?」

「そう言えば…そうね?」

「不可能の花言葉を持ってる花を俺たちが造ってみせたんだ…なんか出来ないことなんて無い気がしてこない?」
ラビの説明はストレートだったがそれはその場にいた全員の心に突き刺さった

「そうね……その通りね!」
何か感動した様子でリナリーが声をあげる

「へへ、今は一輪だけだけどこの青いバラを教団の中庭で育てて一杯にしてみせるさぁ?」

「うむ、その花を見るたびに皆に勇気がでるようにしたいである…」
二人のプレゼントはいつか教団の人間みんなを幸せにするようなものだった…

「皆…本当に…ありがとう」
そう言って涙を浮かべるミランダ

「やだ、ミランダ泣かないで!」

「ごめんなさい…嬉しくて…」
涙を浮かべながらも笑顔を見せるミランダ、そこに…

「いやぁ!お待たせ!上の人間になるほど話が長いのは何でだろうねぇ?」

「「「…………」」」

「あれぇ?どうしたのぉ?」
完全に空気を読んでいないコムイの登場に皆言葉を無くした

「兄さん…」

「コムイ……」

「むぅ……」

「どうしたの皆!今日はめでたい日なんだから!楽しまなきゃ駄目だよ!」
楽しい時間に水を差したのはあなたなんですが…

「まあいいか、じゃあミランダまた後でね!」

「んじゃあ俺等も他の奴らに新年の挨拶しに行くかぁ」

「うむ!」

「あれ?…皆…?」
コムイとミランダを残しその場を去って行く三人…

「…じっじゃあミランダ!仕方ないから二人で…」
そう言ったコムイの元にリーバーが駆け込んでくる

「室長!挨拶の途中で抜け出すなんて何考えてんスか!」

「だってリーバー君?いつまでも同じ話ばっかり聞きたくないじゃない?」

「さっさと来い!あ、ミランダ?後で改めて挨拶に来るよ、んじゃ」
そう言ってコムイの首根っこを掴んでずるずると引きずって行くリーバー…

「またねぇ~ミランダ~」
そうして独り残されたミランダ…
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