一月一日

「アレン君コレ…」

「……僕が作りました」
がっくりと肩を落とすアレン

「だってリナリーやラビがあんなプレゼントを用意してるなんて…とてもじゃないけどかないませんよ……」

「この指輪はアレン君が私の為に作ってくれたの?」

「はい…形の残るモノをあげたくて気持ちを込めて作りましたけど……今になってみるとヒドイ形ですよね?駄目なんですよ僕、一つの事しか考えてなくて……」

「どうして?素敵よ?」

「え?」

「指輪なんてどうやって作ったの?」

「え?あの…まず蝋で形を作ってからですね…‥」

「うん……」
いきいきとミランダに説明を始めるアレン、嬉しそうにそれを聞くミランダ

「……‥そうして最終的に溶かした銀を流して完成です!」

「大変だったでしょ?」

「はい!でもミランダさんの喜ぶ顔が見れると思ったら全然!でも……こんないびつな形の…」

「そんなの関係ないわ!」

「ミランダさん?」

「アレン君が私の為に作ってくれたんでしょ?私はそれだけでも嬉しいわ……」

「ミランダさん…ありがとうございます…指輪はめてもいいですか?」

「?勿論いいわよ?」
ミランダの了解を得るとアレンはミランダの左手を取った

「え?」
そして指輪をミランダの左手の薬指に通した

「僕と結婚してくださいミランダさん」

「!!!」
突然のアレンのプロポーズにミランダが涙を浮かべる

「アレン君…」

「ミランダさん…」
二人顔を向かい合わす
ミランダが喜びに満ちた顔をしているのに関わらずアレンは顔を暗くしている

「アレン……君?」

「ミランダさん……」
次のアレンの言葉にミランダは言葉を失った

「僕との結婚泣く程嫌ですか?」

「!」

「ごめんなさい、勝手に勘違いしてて…忘れてください…」

「忘れられる訳無いでしょ!」

「そうですよね、ごめんなさい…」

「……お受けします」

「?ミランダさん?」

「貴方のプロポーズをお受けします…」

「! ミランダさん!」
ミランダを抱き締めようとしたアレンをミランダが制す

「ただし!」

「ただし?」

「…総てが終わってから…ね…」

「ミランダさん…わかりました…」

「ごめんなさい…今の私にはそれしか言えなくて…」

「…いえ、ミランダさんが僕の気持ちを受け入れてくれるってわかったので大満足ですよ…」

「…アレン君?」

「はい?」

「ありがとう……」

「……はい!」

「「ふふふ」」

そうして二人微笑みながら夜を明かした
………………
…………
次の日
「ミランダぁ!」
リナリーがミランダの元にかけてくる

「リナリーちゃん?」

「ミランダ?昨日あの後どこにいたの?探したんだけど……あれ?その指輪……?」

ミランダの左手の薬指にはめられた指輪を見つけるリナリー

「ふふふ、内・緒!」

あの夜に何があったのかは二人だけが知っている…
二人だけの約束なのだ…
END
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