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カカシ夢(2011.04~2016.09)
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「ナナさん!ナナさん!!」
「…っ、ん…」
眩しい光が目の中に入ってきて、ナナは手をかざした。瞬きを繰り返すとサクラの顔が視界に飛び込んできて、ナナの意識はしっかりとしてくる。
「良かった…大丈夫ですか?」
「あ…あぁ」
「あっ、まだ起き上らないで下さい」
サクラの話によると、その後サソリは自分の体を傀儡として戦ってきたらしい。強かったその傀儡の体にも弱点はあって。そこを突けばあっという間だったという。
その激しい戦いの最中、ナナの中途半端に脱がされていた服は切り裂かれてしまったというのだから今の状況に至るのだが。
「俺…ほんと、情けないな…」
「そんなことはいいんです…それより、大蛇丸とのこと、教えてくれますよね」
「いや、俺も詳しくは知らないんだ」
そんなこと、と流されてしまうのは少し切ないものがあったが、ナナは自分の知っていることを話すことにした。
「中忍試験のときに、一度…会ったんだ…」
本当にナナ自身よく知らない。ただ五色への興味とナナの顔が気に入っているだけ、ナナはそう認識していた。
「それで…ナナさんは大蛇丸に何かされたり…」
「いや、それはない。俺はサスケには劣るみたいだからな」
「そうですか…」
良かった、と言いながらサクラは細かくナナの体に異常がないか見てくれている。
「サクラ、先に…カカシたちと合流してくれ」
「え…そんな」
「いや、それがいいかもしれんのう。向こうは手こずっているやもしれん」
全員手負いで、それでもサクラが一番動ける。その中で、ナナは毒の後遺症の為、体が痺れている上に下半身が危うい。サクラでも、二人を抱えて移動するには時間がかかってしまうだろう。というかもう、ナナからすると先に行って欲しいといったところで。
「じゃあその…誰か呼んで助けに来てもらいますから」
「あぁ、頼む…」
二人が去って行くのを、ナナは戦っていた岩場から少し離れた平地の木を背に見つめていた。
・・・
時間の経過が長く感じられる。
解毒薬はやはり無くなったのだろう、サクラが術で多少の毒抜きはしたのだろうが体の痺れは治まる気配がない。
「役に、立ちたいのにな」
どうしてこうも上手くいかないものか。
「やっぱり俺は…五色なんだな」
戦いで役に立った例がない。でも本当は、カカシに背中を預けてもらえるくらい強くなりたいとは思っているのだ。
「なんて…かっこ悪いな」
はぁ、と息を吐いて顔を上げる。
丁度その時、近づいてくる足音が聞こえて、ナナは体を強張らせた。
「…誰だ…?」
「ナナさん、ご無事ですか!?」
「やだ、ナナさん…その格好どうしたんですか?」
真っ直ぐな声に、強張った体はすぐに緩んだ。リーとテンテン、それから後ろにガイとネジも見える。偶然ここを通りかかったようだ。
「立てますか?」
「悪ィ…手、貸してくれ」
「任せて下さい!」
手を貸せと言ったのに、リーはナナの体をおんぶした。自然に足が広げられてぞわっと鳥肌が立つ。
「っ、恥ずかしい…んだけど」
「わ、耳に息が…」
「ちょっとリー!ナナさんに変なことしないでよ!」
もうこいつらめんどくさい。そう思って、ナナはリーの首に手を回して静かにしていることにした。
「なーんだ…下着は穿いてるのかー…」
「…テンテン」
「あはは、なんでもないですー」
静かには出来そうになかった。
・・・
カカシと合流すると、やはり苦戦していたようで写輪眼を使ったカカシがへばっていた。デイダラは爆発を基本攻撃とする忍者で、避けられないほど大きな爆発を写輪眼で空間ごと飛ばしたのだった。
そしてナルトは、息のない我愛羅を腕に抱えていた。
「お前ら砂の忍が、我愛羅の中にバケモノを入れなきゃこんなことにはならなかった!」
全員で亡くなっている我愛羅を囲む。その我愛羅の一番近くでナルトが泣きながら怒りをチヨバアに向けた。我愛羅の中に一尾を入れた張本人。
「三年も必死に修業して…サスケも助けられねぇ…我愛羅も…」
ナルトの涙に心動かされたチヨバアが我愛羅に近づいて術を発動する。チヨバアの使える禁術、自分の命と引き換えに我愛羅を生き返らせる転生忍術。
「ナルト、お前は我愛羅の痛みを理解出来る、唯一の存在じゃ。我愛羅を、助けてやってくれ…」
人の死は何度も見てきた。ナナも多くの者を殺めてきたのに、こんなに胸の痛む人の死に際は初めてだった。
我愛羅が生き返ると、ナルトも、集まってきた多くの砂の忍も喜んでにぎやかになる。
老いたものから次の世代へと受け継がれていくことを実感してナナはカカシをじっと見つめていた。
「ナナ、どうした?」
「切ないもんだと…思って」
カカシもナナも少しにぎやかな輪から離れたところで座っている。力の使いすぎて動けないカカシと、毒によって上手く体を動かせないナナ。ナナは手で体を引きずらせながらカカシに寄っていくと、その肩に額を乗せた。
「甘えたくなっちゃった?」
「…そういう、余計なこと…言わなくていいんだよお前は…」
ふっと頭の上でカカシの笑う声が聞こえ、それから髪を梳かれた。優しい手の動きに更に切なさが勝る。
世代交代とは、どこからなのか。カカシからすれば、ナルトやサクラ達は次の世代だ。
「カカシ…」
「その格好で、そういう声出すな」
「…え?」
カカシの手がナナの肩を抱く。カカシの顔を見ようと顔を上げるも、そのカカシは顔は逸らされていて確認することが出来ない。
ただ、今となってはその行動の意図も読めてしまい、ナナはカカシから体を離した。そして我愛羅と握手するナルトを見て暖かい気持ちになるのだった。
木ノ葉への帰り道。
前方、随分先の方にカカシとガイがいる。
というか、ガイにおんぶされたカカシが連れて行かれた。
筋トレも兼ねているのか、それともガイが単に自分の力を見せつけたいだけだかは定かではないが、あっという間に見えなくなった二人を誰も追いかけることはしない。
ナナはナルトの背中を借りて、ゆっくりと長い道のりを歩いていた。
「悪いな…ナルト。重いだろ」
「ぜーんぜん重くねーし、ってか気にすんなってばよ」
少し前はあんなに小さい体だったのに、今ではひょいっとナナを背中に乗せてしまう。
ナルトのがっしりとした背中はたくましくて、そして誇らしくもあった。
「ナルトの体、暖かいな」
「何言ってんだ。ナナだって暖かいってばよ」
「人間だからな」
「ナナ?何か変だってばよ?」
振り返ろうとしたナルトの髪の毛がナナの首に当たる。
くすぐったくて首に回した手に力を入れると、ナルトは苦しそうな声を出した。
「ぐえっ」
「こっち見なくていいから、前見て歩け」
「お、おう…」
ナルトを見ていると過去の自分の弱さを思い知らされる。
自分より若いのに、抱えているものは想像も出来ないほどのことで。それでいて心折れない精神力の強さを持っている。
「ナルトはすごいな…」
「な、なんだってばよ急に」
「ナルトなら、立派な火影になるよ」
「へっ、ナナに言われると照れるってばよ」
カカシと同じくらい安心するナルトの体のせいで、ナナはおんぶされたまま眠ってしまった。
肩に頭を乗せたナナの微かな寝息がナルトの耳にも届く。
「そういえば…ナナってカカシ先生と同じ匂いがする」
「ナナさんはカカシ先生と一緒に住んでるから、そうなのかもね」
「え…なんか…怪しいってばよ…」
男同士の同棲…うっかり想像したナルトは少し嫌な気分になるのだった。
・・・
任務終了後、カカシとナナは木ノ葉病院に入院することになった。
ナナは毒抜きをして少し体を休めればすぐ動けるようになったが、カカシは少なくとも一週間は動けないらしい。
「別に来なくてもいいのに」
ナナは自身が退院したその日、カカシの病室に来ていた。
入院といっても写輪眼の副作用のようなもので、カカシは体を休めるという方法でしか元に戻らない。
写輪眼を使えばよくあることで、本人も慣れているようだ。
「なんだよ、俺が来たら迷惑?」
「まさか。嬉しいに決まってるけどね」
「なら素直に喜べよ」
ナナはカカシの寝るベッドに腰をかけた。
ぎしっというベッドの軋む音になんとなく欲情して、カカシに顔を近づける。
口まで覆っている布団をどかすと、最近作ったばかりの傷をつけたカカシの素肌がそこにあった。
「カカシ…傷だらけだな」
「まあね、こればっかりは仕方ないよ」
「まだ痛む傷、あんのか?」
「ん?いや、どれもこれももう痛くはないけど…ってナナ?」
カカシの裸を見る機会くらい散々あったが、こうしてまじまじと見るのは初めてだった。
だからか、その小さな傷を指でなぞって、でもそれだけで治まらない感情に急かされる。
筋肉のついたカカシの胸元に唇を寄せて、それから傷に舌を這わせて。
ぴくっとカカシの体が揺れたのに少し優越感に浸ったのは、いつもと立場が逆だからだろう。
「…何、どうしたの?積極的だね」
「無防備なアンタ…珍しいから」
確かに、ナナからカカシに触れることは今までなかったかもしれない。
しかしだからこそ、こんな風に触られてカカシが我慢出来るはずもなく。
「ナナ…抱きたくなるから…」
「…じゃあ、俺がしてやろうか?」
「え!?」
言いづらそうにカカシが言えば、思いの外ナナも乗り気で。
言うが早いか、ナナは布団に手を突っ込んでカカシの下半身に触れた。
途端にカカシの顔が今までに見た事ない程真っ赤に染まって、口は落ち着かずぱくぱくと開閉し続けている。
「はっ…なんだよその顔。すげぇ面白い」
「お、面白いじゃないでしょ…」
ナナは人の気配がしたらすぐ止めると告げてから、布団を退かしてカカシの下着を少し下げた。
既に膨らんでいるそれは、思わず動揺してしまう程大きい。
「こんなの、よく入ってたな…」
「そんなにじっくり見ないでくれる?さすがに恥ずかしいんだけど」
「へぇ、アンタでもそう思うんだ」
カカシの普段見られない顔。
それが嬉しくて、ナナは躊躇うことなくそこに顔を近付けていた。
片手で包みながら、舌を下から上へと這わす。
「ん…、ナナ…」
「ふっ…アンタの余裕ない声、ちょっと興奮する」
「ナナ…どうしたのホント…、っ」
耳につく水の音も、雄の匂いも嫌いだったのに。
カカシのものだと思うだけで気分が高揚して、もっと感じさせたいと思う自分がいる。
そしてその思いは止まることなく、ナナはひたすらに指と舌を動かした。
「あ、…ナナ…っ、ナナに触りたい」
「駄目、アンタは…まだ完治してねーんだろ…ん、俺がやる」
「…え!?」
ちゅ、と音を立ててカカシの下半身から顔を離す。
それからナナはベッドの上に乗ると、自分のズボンと下着を脱ぎ去った。
「ナナ…いいの?」
「ん…さっさと済ませれば、問題ない…」
自分とカカシのものを合わせて擦りながら、もう片方の手で自分の尻の孔を広げる。
もはや恥ずかしいとかそういう感情は吹き飛んでいた。
自らの行為にカカシが目を丸くして、動揺しているのがまた面白い。
「カカシ、またデカくなってる」
「こんなとこ見せられたらね…」
「はっ…じっと、してろよ」
ナナは腰を下ろしながら、カカシの腹部についた手をきつく握りしめた。
自分からやっておいてなんだが、やはり何度やっても入りきるまではきつい。
ゆっくり、痛くないように。
そんなナナの行為は、カカシをあっという間に限界にまで煽った。
「…ナナ、ごめん」
「え、あッ、馬鹿…!」
何の謝罪か、などと考える間もなく、カカシがナナの腰を掴んでぐいと押し付ける。
痛みと、熱さ。それと、圧倒的な気持ち良さが一気に頭まで突き抜けた。
「んあ、ぅ…っ」
「そう、声…抑えてな」
「だったら、っそんな…ぁ、激しくすんなっ…」
「ナナが煽ったのが悪い」
体動かせないんじゃなかったのかよ、という突っ込みは上手く口から出なかった。
ご無沙汰といえばご無沙汰ではあるが、ここまでするつもりはなかったのに。
と頭では思いつつも、気持ち良くて抵抗は今更出来ない。
「っ、や、もっと、優しく、あ…!」
「ん…もっと気持ち良くさせてよナナ」
「ぁ、あ…っくそ…早くいけよ…!」
上下に揺さぶられて、抑えきれない声が口から零れる。
揺れる度に奥が刺激されて、ぶつかる度にカカシが熱い息を吐いて。
それだけで、十分過ぎる程に満たされる。
「そ、いや…アンタ、結構モテてるらしい、じゃん?」
「え、何?」
「看護師の、女が…っ、噂してんの、聞いた…、ぁ」
この部屋に入る前も、カカシのことを看たのだろう女医がきゃっきゃと嬉しそうにしていた。
だからこそ、今のこの状況が悦びに変わる。
カカシのこの顔を知っているのは自分だけだ。
「何、嫉妬した?」
「べ、つに…嫉妬とかじゃねー、けど…ッ」
「心配しなくても、ナナだけを愛してるよ」
「…っ!わか、ってる、なこと…」
愛してる。
たった一言がこんなに嬉しいなんて。
ナナはカカシの頬に手を重ねた。
それから腰をかがめて顔を近付ける。
触れ合った唇はとても暖かくて、更に二人を深く繋げていた。