黒バス(2012.10~2017.12)
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休日、見慣れたいつもの自分の部屋。
元々物の少ない部屋だ、足場はちゃんとあるし床に散らばる物もない。
だから、というわけではないが、真司は床に体育座りをしていた。
「おい、なんでそんな離れてんだよ」
低い声が威圧してくる。本人にその気はないだろうが、真司はびくりと肩を揺らして唾を飲んだ。
ぐっと床の上で作った手を握り締め、見上げるはベッドに腰掛けるその人。
「そっちこそなんでそんな普通なの」
「は?」
「……はぁ?」
真司の返事に対して、青峰がぽかんと口を開く。
それに対して納得出来ない真司は、むっと頬を膨らませた。
本日の予定は青峰と二人でストバスコート。
視界が多少ぼやけていようとも、一対一での練習に大して支障はなかった。
それが分かり、青峰の方から練習に誘ってくれたのだ。
しかし外は生憎の雨。
仕方なく行き先をストバスコートから真司の家へと変更したのだ。
「…俺、君はもっと獣みたいな奴だと思ってたんだけど」
「さっきから何言ってんだ、お前」
「はー…なんなの?俺が変なの?」
部屋に恋人がいる高揚感とか、少し濡れた髪が色っぽいだとか。
さっきからそんなことばかり考えてしまうのは、自分の心が乱れているからなのか。
真司ははぁっと息を吐き出して、のそりと立ち上がった。
「そうでした、俺が変なんでした」
「何だよ。やっぱ来ちゃ駄目だったか?」
「そういうわけじゃないけど…てか俺ん家なんもないけど、どうしたい?」
そのままうろっと部屋を一周してウーンと考える。
真面目にバスケの映像見て研究しようとかいうタイプでもないし、ゲームなんてものもないし。
「別に、何もすることねぇだろ?」
「え?」
「何かしたいから真司と一緒にいるんじゃねぇし」
そんな真司に、青峰はさも自分の場所かのようにぽんぽんとベッドを叩く。
だから、どうしてそんなに余裕そうなんだ。
と思いながらも、真司は再び息を吐いて青峰の横に腰掛けた。
「だから…なんでそんな遠いんだよ」
「と、おく、ないでしょ」
「遠いだろ、二人しかいねぇのに何でもう一人分開けんだよ」
当然のように入る青峰からの指摘にパッと目を逸らす。
怪訝そうにしながらお尻を浮かせて距離を縮める青峰に、真司は息を呑んだ。
「青峰君…その、例えばさ…ここが桃井さんの家だったらどうしてる?」
「はあ?なんでさつきが出てくんだよ」
「可愛い女の子の部屋じゃん、どかっとベッドに座る?」
青峰の顔を見ずに、そう問いかけてみる。
自分が意識の対象としてどうなのか、それを確認したいという目的の上でのこの質問に、青峰は「ああ?」と乱暴に吐き出した。
「いやアイツは可愛い女の子じゃねーだろ」
「しっつれいな…」
確認するまでもないが、桃井さつきは美少女だ。男なら誰もが憧れるだろうスレンダーボディ。
とはいえ二人は幼馴染で付き合いも長い。比較対象として名を出すのは間違いだったらしい。
「それはともかくとして…青峰君には想像出来ないんでしょ」
不思議そうに青峰が顔をこちらに向けたのが分かった。
けれど、視線を合わせずにそのまま続ける。
「…俺は好きな人部屋に上げて、全然落ち着いてらんないんだけど」
「真司?」
「そんな風に、青峰君が俺のベッドで無防備にしてて…俺すっごく意識してんの、馬鹿みたいに」
言いながら、やっぱり馬鹿げていると自覚する。
隣で青峰が腕を動かし、首を傾けて、床の上で足を滑らせて。そんな些細な動き一つ一つが気になって仕方がない。
「ずっと触りたいって、そういう期待しちゃってんだから…」
足の先から熱くなっていく。
青峰がどう思っているのか、こんな事を聞いてどんな顔をしているのか確認するのが怖い。
汗ばんだ手をぎゅっと握りしめ、俯いたまま目を閉じた。
「……どうしたらいいんだ?」
しかし、その返答は思いの外早く、そして落ち着いた声色だった。
「え…」
「触りてえなら、触りゃいいだろ。脱げばいいのか?」
「そ…、は…?」
驚き顔を上げた真司の目には、隣で自分の服を脱ぎ始めている青峰の姿。
晒された腹部はあまりにも健康的で、艶やかに筋肉で隆起している。
「ちょ…、な、や、やめてよ」
「何でだよ、真司がしてぇんだろ?」
「し、したくても…だって、そんな簡単に…っ」
ベッドの下に青峰の服が落ちて、思わずそれを目で追う。
それに対してのそりとベッドの上に上がった青峰は、体を真司の方へずいと向けた。
「なァんだよ、今更。別に裸なんて見慣れたモンだろが」
「み、見慣れてない…」
「好きなようにしてみろよ、ほら。お前にされて嫌なことなんてねぇから」
その言葉を信じて良いのだろうか、疑い半分抱えたまま青峰の方に向き直る。
確かに何度も見ただろう彼の体。
けれど、それを、“そういう目”で見て良いのだと本人に許可をもらってからでは話は別だ。
そんな内情を語られないように顔を繕って、真司は恐る恐るその褐色の健康的な肌に指を滑らせた。
「っ、くすぐってぇ」
「あ、ご、ごめん」
胸から腰へ。手に吸い付く感触にたまらなくなって、今度は顔を近付けて首元に唇を寄せる。
駄目だ、もっと触れたい、もっと。
「青峰君…」
背中に手を回して、青峰の体に自分の体を密着させる。
こんなことして、嫌がられないだろうか。少しの不安はあったけれど、それ以上に触りたいという思いが強すぎて。
真司は軽く青峰の肩に口付け、熱い息を吐き出した。
「…なあ、オレも触っていいのか?」
ぽつりと、突然青峰が耳元でそう呟いた。
「え!?っ、だ、駄目!」
「あ?何でだよ、不公平だろ」
「だ、だって俺、今君に触られたらたぶん…我慢出来なくなる…」
驚いた勢いのまま青峰から体を離す。
触るだけならまだしも、触られたらどうなるか分かったものではない。
そもそも、青峰の想像する豊満な体を持たない真司に、触られるというのはハードルの高い要求だ。
「お、俺は青峰君の体好きだし、あれだけどほら…俺の体柔らかくないし…」
自分の体を見下ろして、ぺたぺたと胸を触る。
それからチラと青峰を見ると、がしがしと頭をかいて溜め息を吐いていた。
「あー…や、無理だ」
またぽつりと、そう呟いて青峰の目が真司をとらえる。
ぎしっと音を鳴らして膝を立てた青峰の腕は、真司の肩を掴んだ。
「勃った」
「…へ?」
ぱたんっと真司の体がベッドに沈む。
青峰の手は迷うことなく真司の服を掴み、ぐいと乱暴にたくし上げていた。
「ちょ、ちょっと!?青峰君!!」
「うっせ。テメェが悪いんだからな。何されても文句言うなよ」
「な、なんで、だって青峰君、俺の体なんて興味ないんじゃ…っ」
青峰の手が真司の胸に重なる。
明らかに青峰が好むものとは違う平らな胸。けれどそれを撫でて、青峰はニッと笑った。
「お、結構しっかり筋肉ついてんじゃねーか。これはこれでエロいな」
「な…ど、どこでスイッチ入ったんだよ…!さっきまで全然…っ」
「そりゃ、いきなり意識しろなんて無理だけどよ。男とどうこうなんてまだ想像出来てねぇし」
青峰の言っていることは分かる。そうだろうと察したから少し触らせてもらうだけで我慢しようと思っていたのに。
焦って青峰の腕を掴む真司のことなど気にする様子もなく、形勢逆転とでも言わんばかりに青峰の体がのしかかった。
「でも、お前がエロい顔して触っから」
「えっ、うわっ!?」
「意識してから見っと違うな…。真司、お前こんなエロい体してたのかよ」
そう言う青峰は、親指で執拗に真司の乳首を撫でている。
明らかに、“そういう目的”をもった触り方だ。
「…、ひ、あ、青峰君…っ」
妙な疼きに、自然と身を捩じらせる。
そんな真司を見下ろして軽く舌なめずりをした青峰は、面白い遊びを見つけたと言わんばかりにニッと口角を上げた。
「オレにゃ分かんねーけど、男でも感じんだ?ここ」
「ち、ちが…びっくり、しただけ…」
「へぇ」
そう、決して胸を触られて感じたとかじゃなくて。
それ以上にこの行為自体に問題があるのだ。
上半身を晒した青峰に押し倒されて、服を捲られて、直接肌に触れる青峰の手付きはやらしくて。
本当にしているような…
「っ待って、ねぇ!」
ぎしっとベッドが音を立てる。
どんっと強めに熱い胸板を叩くと、青峰は少し顔をしかめて手を止めた。
「なんだよ」
「そこばっか、やめてよ…っ」
熱くなった頬に自分の手の甲を当てて、はぁっと息を吐き出す。
想像しただけで頭がおかしくなりそうになった。
このままでは、本当に、本当に我慢出来なくなってしまう。
「君ってさ…巨乳っていうか胸が好きなだけでしょ…」
「あ?巨乳舐めんな。デカい方がいいに決まってんだろ」
「っ、それはそれで、最低なんですけど…っ!!」
散々人の胸を触りつくして良く言う。
キッと睨み付けると、青峰は真司に顔を近付けて勝気に笑った。
「つか気持ち良くなってんじゃねーか、いい感じに固くなってっし」
「うるさ…ん、」
真司の胸に青峰が舌を這わせる。
熱く柔い感触に一瞬腰が浮いて、真司は咄嗟に口を押さえた。
その反応に、青峰はまたかはっと笑う。
「ほら、気持ちいんじゃねーか」
「そ、ういう問題じゃない…っ」
既に頭はおかしくなりそうなのに。
本当に感じ始めた胸に、真司はきゅっと唇を噛んだ。
「服が擦れるだけで感じるようになっちゃったらどうしてくれんの…っ」
指が軽く触れるだけでも足が勝手に動いてしまう。
気持ちが良くて、でも物足りなくて、真司は震える声を漏らした。
「い、いけないし…」
恥ずかしい。
けれどそれ以上に乱れた気持ちが落ち着かなくて、真司は自分の手を下半身に伸ばした。
「っ、あ!?」
しかし自分の手が触れる前に訪れた刺激に、真司の体がびくりと震えた。
「っ、あ、青峰君…!?」
「真司も、オレの触れよ」
「え、や…嫌じゃないの…?」
青峰の手が真司の股間に重ねられている。
その手がゆっくりと上下に動かされ、真司は咄嗟にぎゅっと目を閉じた。
「真司なら嫌じゃねーよ」
「っ、っ…で、でも…触んのは…?男の、なんて…」
「はー…おっまえな」
うっかり変な声を出してしまわないように、シーツを掴む手に力を込める。
呆れたようなため息を吐いた青峰は、真司のズボンに手を滑り込ませた。
「オレは、お前なら嫌じゃねーって言ってんだろ。男とか女とか、そういう話じゃねんだよ」
「な、なんでそんな…ん、嬉しいこと言うの…」
「感じてる真司がエロいからじゃね」
「っ…エロいのは君の方だ…」
さっきから余裕な顔ばかり見せる青峰に、仕返しとばかりに手を伸ばす。
触れたそこが熱くなっていることが嬉しくて、真司は口元を緩ませた。
「…何だよ」
「ん…ふふ、死ぬほど嬉しい…」
「っ、真司…お前、いいから手ェ動かせよ」
「っあ、」
緩んだ口から甘い息が漏れる。
けれどそれも青峰にとって嫌悪するものではないらしい。
好きなのは自分ばかりだと思っていたが、青峰も同じくらい思ってくれているのだろうか。
本当は、もっと求めたいけれど。
それでも今は青峰が自分に触れてくれることが嬉しくて、熱い肌に手を絡ませた。