黒バス(2012.10~2017.12)
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中身があるものと無いものと。
散らかるお菓子の袋を眺めながら、真司は口に広がる甘さを感じていた。
見ているだけでお腹がいっぱいになる。
彼は基本的にお菓子に属するものならば何であろうと好きなようだ。
まいう棒から一般的なポテチ、チョコやら飴やら、種類に関係なく積み上げられている。
「紫原君は、甘いのとしょっぱいのどっちが好きなの?」
自分の横にちょこんと座っている大男は、その質問に対して暫く考えるような仕草を見せた。
興味があるか無いか。たいていこの二つのどちらかでモノを判断する紫原の、こんな反応はなかなか珍しい。恐らく、お菓子が関わっていなければ見られないだろう。
「それ、選ばなきゃダメ?」
「ダメじゃないよ。ちょっと聞いてみただけ」
「ふぅん…」
そうは言ったが、紫原は真剣に考え始めてしまった。
何気なく聞いたことだったが、紫原にとっては重要な問題だったのかもしれない。
病み付きになってしまうしょっぱさか、癒してくれる甘さか。
「烏羽ちんは甘いよね」
「え?」
「あ、でも部活の後はしょっぱいんだよねー…」
「ちょっと、それって」
紫原の腕が真司の首に回された。
体格にかなりの差がある紫原の腕は、言わずもがな太くてがっちりとしている。
さて、そんな腕が絡み付いてきて、真司はそのままでいられるのか。愚問だ。
「う、わ、」
されるがままに引き寄せられて、真司は紫原の腕の中にすっぽりとはまってしまった。
勿論、そこに真司が自由に動く余地はない。
「てことはー」
「ちょ…」
「烏羽ちんなら一石二鳥?」
あ、紫原って国語じみた言葉選び出来るんだなぁ。
などと悠長に考えている暇など与えられず、紫原はべろっと真司の首を舐め上げた。
「今はあまーい」
「や、そういうこと聞いたんじゃないんだけど」
「烏羽ちんはどうして美味しいのかなぁ」
真司の話など聞いちゃいない。
まともに取り合うだけ無駄だ。真司は諦めのため息を吐いて、頬をぽりぽりとかいた。
「…紫原君が、俺のこと好きだからじゃない?」
「そっかぁ」
「納得するんかい」
「じゃあオレも美味しいのかな」
上から覗き込んだ紫原は、人差し指を自分に向けている。
「何で?」
「だって、烏羽ちんはオレのこと好きなんでしょ?」
「…なるほど」
だから舐めていいよ、なんて。
理論的には正しいが、そういうものではない気がする。
しかし、期待に満ちた紫原の目を見てしまっては、今更そんな真面目な回答も出来なくて。
真司は紫原の鎖骨辺りに舌を這わせた。
「俺には甘過ぎですって…」
行為に及んで気持ち良さに頭がおかしくなっている時なんかよりも、こういう甘々しいことが胸に来る。
紫原の胸に顔を預けて、熱い息を吐き出す。
その真司の頭を大きな手にひらで撫でてくる紫原は、酷く嬉しそうだ。
「なんだかんだ言って、烏羽ちんってオレのこと大好きだねー」
「え?…まぁ、好きだけども」
「ふふ」
「もー、いい加減放してよー」
口ではそう言いながらも、やはり抱き締められると嬉しいと思うのは、紫原の言う通りだからだ。
(絶対言わないけど)
真司は紫原の体にすり寄って、そのまま目を閉じた。
甘い甘いひと時。いつか急に嫌になるかもしれないこの甘さ。それに、今は病み付きになっていよう。
「ちゅーしよ、烏羽ちん」
「うん」
そんな紫原とのキスは、コンソメ味だった。
散らかるお菓子の袋を眺めながら、真司は口に広がる甘さを感じていた。
見ているだけでお腹がいっぱいになる。
彼は基本的にお菓子に属するものならば何であろうと好きなようだ。
まいう棒から一般的なポテチ、チョコやら飴やら、種類に関係なく積み上げられている。
「紫原君は、甘いのとしょっぱいのどっちが好きなの?」
自分の横にちょこんと座っている大男は、その質問に対して暫く考えるような仕草を見せた。
興味があるか無いか。たいていこの二つのどちらかでモノを判断する紫原の、こんな反応はなかなか珍しい。恐らく、お菓子が関わっていなければ見られないだろう。
「それ、選ばなきゃダメ?」
「ダメじゃないよ。ちょっと聞いてみただけ」
「ふぅん…」
そうは言ったが、紫原は真剣に考え始めてしまった。
何気なく聞いたことだったが、紫原にとっては重要な問題だったのかもしれない。
病み付きになってしまうしょっぱさか、癒してくれる甘さか。
「烏羽ちんは甘いよね」
「え?」
「あ、でも部活の後はしょっぱいんだよねー…」
「ちょっと、それって」
紫原の腕が真司の首に回された。
体格にかなりの差がある紫原の腕は、言わずもがな太くてがっちりとしている。
さて、そんな腕が絡み付いてきて、真司はそのままでいられるのか。愚問だ。
「う、わ、」
されるがままに引き寄せられて、真司は紫原の腕の中にすっぽりとはまってしまった。
勿論、そこに真司が自由に動く余地はない。
「てことはー」
「ちょ…」
「烏羽ちんなら一石二鳥?」
あ、紫原って国語じみた言葉選び出来るんだなぁ。
などと悠長に考えている暇など与えられず、紫原はべろっと真司の首を舐め上げた。
「今はあまーい」
「や、そういうこと聞いたんじゃないんだけど」
「烏羽ちんはどうして美味しいのかなぁ」
真司の話など聞いちゃいない。
まともに取り合うだけ無駄だ。真司は諦めのため息を吐いて、頬をぽりぽりとかいた。
「…紫原君が、俺のこと好きだからじゃない?」
「そっかぁ」
「納得するんかい」
「じゃあオレも美味しいのかな」
上から覗き込んだ紫原は、人差し指を自分に向けている。
「何で?」
「だって、烏羽ちんはオレのこと好きなんでしょ?」
「…なるほど」
だから舐めていいよ、なんて。
理論的には正しいが、そういうものではない気がする。
しかし、期待に満ちた紫原の目を見てしまっては、今更そんな真面目な回答も出来なくて。
真司は紫原の鎖骨辺りに舌を這わせた。
「俺には甘過ぎですって…」
行為に及んで気持ち良さに頭がおかしくなっている時なんかよりも、こういう甘々しいことが胸に来る。
紫原の胸に顔を預けて、熱い息を吐き出す。
その真司の頭を大きな手にひらで撫でてくる紫原は、酷く嬉しそうだ。
「なんだかんだ言って、烏羽ちんってオレのこと大好きだねー」
「え?…まぁ、好きだけども」
「ふふ」
「もー、いい加減放してよー」
口ではそう言いながらも、やはり抱き締められると嬉しいと思うのは、紫原の言う通りだからだ。
(絶対言わないけど)
真司は紫原の体にすり寄って、そのまま目を閉じた。
甘い甘いひと時。いつか急に嫌になるかもしれないこの甘さ。それに、今は病み付きになっていよう。
「ちゅーしよ、烏羽ちん」
「うん」
そんな紫原とのキスは、コンソメ味だった。