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ピピピピッ…ピピピピッ…
目覚まし時計の音が鳴り響く。
オルガレーノがベッドから腕だけ出してアラームを止めれば、布団の中がもぞもぞと動いた。
「んー……」
眉間に皺を寄せながら、壁側を向いていたウィリアムがこちらに寝返りをうつ。
「おはよう、ウィル」
声をかけたが返事はなければ目を開けすらしない。それどころか
「んー……んーん!」
と首を振られてしまった。彼にとってまだおはようの時ではないらしい。
酒盛りで酔いつぶれたウィリアムを「どうして俺が野郎なんか…」「酒くっさ」と文句をたれるアユソとナワーブを宥め、3人がかりで部屋に運び込んだのが昨夜のこと。
数週間に1度行われる酒盛りの度に部屋に運び、しがみついて離れない彼に根負けしてそのまま寝るのが半ば定例化していた。
一緒に寝るようになってから知ったが、彼は朝弱いらしく、覚醒するまで時間を要する。
人前にいる時は頼れるオフェンスだが、今はむずたがりの大きな子どものようだ。
いや違うな…立派な体躯の割に甘えたがりなこのもさもさは、人より動物の方が近い気がする。
黒たてがみのもさもさライオン。
「アラーム鳴ったけど起きなくていいの?」
「んー…ん。」
この ん。はYESかNOかどっちだろう。
「ちょっとウィーっうわっと!」
確認しようと声をかけたら背中に腕をまわしてぐいっと引き寄せられ、オルガレーノの胸元に顔を埋めてしまった。
場所が場所なだけにさすがに恥ずかしく、ウィリアムの肩を押してみるが当然力で適うはずもない。
押し返された本人はというと、先ほどより幾分か穏やかな顔をして、既に寝息をたて始めていた。
そのあまりの屈託のなさに呆れと愛おしさがこみ上げ、思わず苦笑が漏れる。
「まったく…声はかけたからね。用事あっても知らないよ?」
幸いオルガレーノは午前中予定はない。
もしウィリアムに何か予定があったとしたら彼の自業自得として飲ませるとして、私はこの時間を堪能することにしよう。
そう割り切り、胸元の大きな子ライオンのたてがみをゆっくり撫でた。
***
「ふぁっ…あーあ」
ウィリアムが長い微睡みから半ば覚醒しかけた頃。
「ん…?」
包み込まれるような温もりに違和感を覚え目を開くが、視界がなにかに覆われて目の前が見えない。
(なんだこれ…)
頭上から微かに聞こえてくる、すーすーと穏やかな寝息。
そしてこの妙に安心感のある香りは、恐らくレノのものだろう。
背中に腕が回されていることを考えると、顔に触れる妙に温かくて柔らかいものは…
(っ!?や、ヤベェッッ!!)
人間、考えてはいけないと言われたものほど考えてしまうもので。
意識しないようにすればするほど、この柔らかさを生々しく感じてしまう。
(あ…本気でヤベェ)
何故とは言えないが、強いて言うなら生理現象上の都合で、今起きられたらとてもヤバい。
いつもは楽しみにすらしていた目覚めの挨拶を、今だけは来ないでくれ…と心の底から願うウィリアムであった。
目覚まし時計の音が鳴り響く。
オルガレーノがベッドから腕だけ出してアラームを止めれば、布団の中がもぞもぞと動いた。
「んー……」
眉間に皺を寄せながら、壁側を向いていたウィリアムがこちらに寝返りをうつ。
「おはよう、ウィル」
声をかけたが返事はなければ目を開けすらしない。それどころか
「んー……んーん!」
と首を振られてしまった。彼にとってまだおはようの時ではないらしい。
酒盛りで酔いつぶれたウィリアムを「どうして俺が野郎なんか…」「酒くっさ」と文句をたれるアユソとナワーブを宥め、3人がかりで部屋に運び込んだのが昨夜のこと。
数週間に1度行われる酒盛りの度に部屋に運び、しがみついて離れない彼に根負けしてそのまま寝るのが半ば定例化していた。
一緒に寝るようになってから知ったが、彼は朝弱いらしく、覚醒するまで時間を要する。
人前にいる時は頼れるオフェンスだが、今はむずたがりの大きな子どものようだ。
いや違うな…立派な体躯の割に甘えたがりなこのもさもさは、人より動物の方が近い気がする。
黒たてがみのもさもさライオン。
「アラーム鳴ったけど起きなくていいの?」
「んー…ん。」
この ん。はYESかNOかどっちだろう。
「ちょっとウィーっうわっと!」
確認しようと声をかけたら背中に腕をまわしてぐいっと引き寄せられ、オルガレーノの胸元に顔を埋めてしまった。
場所が場所なだけにさすがに恥ずかしく、ウィリアムの肩を押してみるが当然力で適うはずもない。
押し返された本人はというと、先ほどより幾分か穏やかな顔をして、既に寝息をたて始めていた。
そのあまりの屈託のなさに呆れと愛おしさがこみ上げ、思わず苦笑が漏れる。
「まったく…声はかけたからね。用事あっても知らないよ?」
幸いオルガレーノは午前中予定はない。
もしウィリアムに何か予定があったとしたら彼の自業自得として飲ませるとして、私はこの時間を堪能することにしよう。
そう割り切り、胸元の大きな子ライオンのたてがみをゆっくり撫でた。
***
「ふぁっ…あーあ」
ウィリアムが長い微睡みから半ば覚醒しかけた頃。
「ん…?」
包み込まれるような温もりに違和感を覚え目を開くが、視界がなにかに覆われて目の前が見えない。
(なんだこれ…)
頭上から微かに聞こえてくる、すーすーと穏やかな寝息。
そしてこの妙に安心感のある香りは、恐らくレノのものだろう。
背中に腕が回されていることを考えると、顔に触れる妙に温かくて柔らかいものは…
(っ!?や、ヤベェッッ!!)
人間、考えてはいけないと言われたものほど考えてしまうもので。
意識しないようにすればするほど、この柔らかさを生々しく感じてしまう。
(あ…本気でヤベェ)
何故とは言えないが、強いて言うなら生理現象上の都合で、今起きられたらとてもヤバい。
いつもは楽しみにすらしていた目覚めの挨拶を、今だけは来ないでくれ…と心の底から願うウィリアムであった。
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