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結婚しません、子供作りません、それでもいいってマジですか【後編】
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「さ、今日は俺がずっとそばにおってやるわ、ほらテレビつけて何か見ようや?」
遅れた代わりに直哉さんは今日一日中そばにいると約束してくれた。
いまさらきた所で何になるんだろう。私は抵抗してフル無視していたが、夕方が来ると怪我の具合を確かめに包帯をまき直してくれたり、私に代わって家事や部屋の掃除を担当してくれたり、頼りになると言われたらその通りだった。お腹が減ったと言えば栄養たっぷりの季節のフルーツとご希望のご飯を買ってきてくれる。一日だけ召使いがついた気分だった。
そして夜。
直哉さんは私の足に布団をかけ言う。
「ここは安全やから安心して眠ってや?
なーんも怖がることはあらへんで、怖くなったら俺が慰めたるから」
「いいの、おやすみなさい直哉さん」
「おやすみ あんま夜更かしせずはよ寝るんやで」
親と子供のやり取りみたい。
直哉さんが去ったあと、枕に頭を押し付けて寝返りを打つ。今更眠ることなんてできない。昼の出来事が強烈で、目が醒めて。
直哉さんは私の手を壊れものを扱うように優しく撫でてくれた。今までに感じたことのない、深い愛情のこもった手だった。直哉さんが私の目を見つめて「心配や」というので目を合わせることができなかった。
仰向けになってオレンジ色の光が付いた電球を見上げる。私は変わってしまった、一人で生きていたのに気付けば直哉さんに甘えてしがみついてしまっている。いまにも壊れてしまいそうに、脆い関係性。
私と直哉さんは他者から見てどのように見えるのだろう?そして、私自身は直哉さんをどう見てるんだろう。
直哉さんに恋をしてる?してない。
ならセフレ的な遊びの相手?
それより割り切れていないし、第一、体も許してない。
キープしている相手?いや、違う。別ものだ。
愛している?今までで一番遠い。たぶん対極にいる。
一緒に暮らしているのだから家族や兄弟に向ける家族愛や友情といった感情を持っているのが一番近い気持ちだろうか。
なら他者から見た時はどうなるんだろうな、昼家に来た女性は間違いなく直哉さんのことを恋愛感情ありきで見ていた。
ずっと彼に寄り添い、献身的にその身を捧げ、自分こそが恋人になれるのだと信じて疑わなかったのでポッと出の私が恋愛感情もないのにそばにいることにイラついたんだろう。実際あそこで直哉を愛しているかと言われて自分は言葉にするのに迷ってしまった。自分も愛せない私にとって他人を愛するのは難しい。
容姿端麗で私とは別の次元の人。到底比べられて勝てるような相手ではない。本来ならあの人と直哉さんが結ばれるべきだったんだと思う。
薄々気付いている。私は、邪魔者だって。私が彼の周りの関係性を破壊してしまっている。
私なんかに惹かれる直哉さんも半年も経てばきっと私のことなんて忘れ去って、新しい恋に向かうだろう。誰も私のことなんか見ない。それで私は充分だ。大体好きだとか、永遠に一緒にいようなんて甘ったるくて砂を吐きそうな言葉、本気で掛けるに値しない。
こんな嘘だらけの自分で、いつまで彼に貢がせてもらっているのやら。よし決めた。明日だ。
明日、全部打ち明けて、元いたところに帰ろう。
そんなとき、禪院直哉は当主を辞退することを申し出た。
頭が真っ白になった。
何で。どうして。
せっかくあなたのために計画を立てていたのに。当主になるという最大の目標は汚さないようにしていたのに。
まさか、私のせいでは__
遅れた代わりに直哉さんは今日一日中そばにいると約束してくれた。
いまさらきた所で何になるんだろう。私は抵抗してフル無視していたが、夕方が来ると怪我の具合を確かめに包帯をまき直してくれたり、私に代わって家事や部屋の掃除を担当してくれたり、頼りになると言われたらその通りだった。お腹が減ったと言えば栄養たっぷりの季節のフルーツとご希望のご飯を買ってきてくれる。一日だけ召使いがついた気分だった。
そして夜。
直哉さんは私の足に布団をかけ言う。
「ここは安全やから安心して眠ってや?
なーんも怖がることはあらへんで、怖くなったら俺が慰めたるから」
「いいの、おやすみなさい直哉さん」
「おやすみ あんま夜更かしせずはよ寝るんやで」
親と子供のやり取りみたい。
直哉さんが去ったあと、枕に頭を押し付けて寝返りを打つ。今更眠ることなんてできない。昼の出来事が強烈で、目が醒めて。
直哉さんは私の手を壊れものを扱うように優しく撫でてくれた。今までに感じたことのない、深い愛情のこもった手だった。直哉さんが私の目を見つめて「心配や」というので目を合わせることができなかった。
仰向けになってオレンジ色の光が付いた電球を見上げる。私は変わってしまった、一人で生きていたのに気付けば直哉さんに甘えてしがみついてしまっている。いまにも壊れてしまいそうに、脆い関係性。
私と直哉さんは他者から見てどのように見えるのだろう?そして、私自身は直哉さんをどう見てるんだろう。
直哉さんに恋をしてる?してない。
ならセフレ的な遊びの相手?
それより割り切れていないし、第一、体も許してない。
キープしている相手?いや、違う。別ものだ。
愛している?今までで一番遠い。たぶん対極にいる。
一緒に暮らしているのだから家族や兄弟に向ける家族愛や友情といった感情を持っているのが一番近い気持ちだろうか。
なら他者から見た時はどうなるんだろうな、昼家に来た女性は間違いなく直哉さんのことを恋愛感情ありきで見ていた。
ずっと彼に寄り添い、献身的にその身を捧げ、自分こそが恋人になれるのだと信じて疑わなかったのでポッと出の私が恋愛感情もないのにそばにいることにイラついたんだろう。実際あそこで直哉を愛しているかと言われて自分は言葉にするのに迷ってしまった。自分も愛せない私にとって他人を愛するのは難しい。
容姿端麗で私とは別の次元の人。到底比べられて勝てるような相手ではない。本来ならあの人と直哉さんが結ばれるべきだったんだと思う。
薄々気付いている。私は、邪魔者だって。私が彼の周りの関係性を破壊してしまっている。
私なんかに惹かれる直哉さんも半年も経てばきっと私のことなんて忘れ去って、新しい恋に向かうだろう。誰も私のことなんか見ない。それで私は充分だ。大体好きだとか、永遠に一緒にいようなんて甘ったるくて砂を吐きそうな言葉、本気で掛けるに値しない。
こんな嘘だらけの自分で、いつまで彼に貢がせてもらっているのやら。よし決めた。明日だ。
明日、全部打ち明けて、元いたところに帰ろう。
そんなとき、禪院直哉は当主を辞退することを申し出た。
頭が真っ白になった。
何で。どうして。
せっかくあなたのために計画を立てていたのに。当主になるという最大の目標は汚さないようにしていたのに。
まさか、私のせいでは__