第一章
夢小説設定
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「ねぇねぇ、知ってる?」
「なぁに?明恋おねーちゃん」
時計の針がちょうど夜の9時を指した。
机で漢字の宿題をしていた私__暁明恋は椅子を後ろに回して布団で絵本を読んでいる妹、眠夢に声をかけた。
眠夢は本を閉じると、
布団に座り直して私に笑いかける。
それに私も笑い返して、
今日教室で聞いたうわさ話を思い出した。
「実は、この世界の裏側に、
夢の世界があるんだって。」
「ゆめのせかい?」
首を傾げて私の言葉を繰り返した眠夢に
私は大きく頷き返した。
クラスの子達はここ数日この話ばかりだ。
"ゆめのせかい"
…私達はそれを「ネバーランド」と読んでいた。
「あっちの世界にはね、
お母さん達みたいな怖い大人がいないんだって。
みーんな子供。
大人は一人もいないんだって!」
ギシッと椅子が音を鳴らす。
私は大きく手を広げて後ろに反ると、
やりかけの宿題が見えちゃった。
あーぁ。やらないと。
私は椅子を戻すと、
宿題である漢字ドリルをもう一度始めた。
眠夢は後ろからそれをじっと見てから口を開く。
「明恋おねーちゃんがやってる
それ…しゅくだい…もないの?」
「ないよ!
だって子供はみーんな宿題が嫌いでしょ?」
今度は体を反らして眠夢を見た。
逆さまに見える眠夢は目を輝かせて、
さらに身を乗り出して私に聞いた。
「ねぇねぇ、明恋おねーちゃん!
どうやったらその…ゆめのせかいにいけるの?」
「…それがね。」
そう。
こんなに素敵な夢の世界があるって言うのにみんな噂ばっかりで誰も行かない理由。
それは、ネバーランドに行く方法にあった。
「それがね…高い所…
例えばうちのベランダからね。
飛び降りるの。ぴょんって。」
「えぇっ?!
それじゃあしんじゃうよ!」
眠夢は窓の外を見て首を横に振る。
クラスの皆も言ってた。
「もし失敗して死んだらお父さんとお母さんに会えない!」とか。
「ネバーランドからどうやって帰るの?
お母さんたちに会いたくなるよ!」とか。
私的には、別にそうなってもいいんだけど。
あんなことしてくる両親、嫌だし。
正直早く消えてなくなりたい。
「____ねぇ、眠夢。
明日、2人で試してみよっか。」
「…でもっ」
私がもう一度眠夢を見て笑うと、
眠夢は意外にも、不安げな表情を見せて
私の意見に反対しようとした。
…でもそれは途中で止まって。
眠夢はパジャマ越しに自分の腕を撫でた。
その手を少し愛おしそうに見ると、
ふっと顔を上げて私を見た。
「うん。あしたやってみよ!」
そう言ってにっこり笑うと、
眠夢は鼻歌を歌いながら読みかけの本を読み始めた。
私はそんな眠夢を見ながら、
クラスメイトのうわさの続きを思い出した。
「でも、ネバーランドってね、
大人や周りの人に酷いことされてる人しか行けないんだって。」
「えっ!それって…虐待…とか?
あとは____いじめとか?」
「じゃあ、明恋なら行けんじゃない?
やってみてよー明恋!」
「やだ、可哀想じゃん!
あはははははっ」
最後に残ったのは、いつもの笑い声だけ。
「なぁに?明恋おねーちゃん」
時計の針がちょうど夜の9時を指した。
机で漢字の宿題をしていた私__暁明恋は椅子を後ろに回して布団で絵本を読んでいる妹、眠夢に声をかけた。
眠夢は本を閉じると、
布団に座り直して私に笑いかける。
それに私も笑い返して、
今日教室で聞いたうわさ話を思い出した。
「実は、この世界の裏側に、
夢の世界があるんだって。」
「ゆめのせかい?」
首を傾げて私の言葉を繰り返した眠夢に
私は大きく頷き返した。
クラスの子達はここ数日この話ばかりだ。
"ゆめのせかい"
…私達はそれを「ネバーランド」と読んでいた。
「あっちの世界にはね、
お母さん達みたいな怖い大人がいないんだって。
みーんな子供。
大人は一人もいないんだって!」
ギシッと椅子が音を鳴らす。
私は大きく手を広げて後ろに反ると、
やりかけの宿題が見えちゃった。
あーぁ。やらないと。
私は椅子を戻すと、
宿題である漢字ドリルをもう一度始めた。
眠夢は後ろからそれをじっと見てから口を開く。
「明恋おねーちゃんがやってる
それ…しゅくだい…もないの?」
「ないよ!
だって子供はみーんな宿題が嫌いでしょ?」
今度は体を反らして眠夢を見た。
逆さまに見える眠夢は目を輝かせて、
さらに身を乗り出して私に聞いた。
「ねぇねぇ、明恋おねーちゃん!
どうやったらその…ゆめのせかいにいけるの?」
「…それがね。」
そう。
こんなに素敵な夢の世界があるって言うのにみんな噂ばっかりで誰も行かない理由。
それは、ネバーランドに行く方法にあった。
「それがね…高い所…
例えばうちのベランダからね。
飛び降りるの。ぴょんって。」
「えぇっ?!
それじゃあしんじゃうよ!」
眠夢は窓の外を見て首を横に振る。
クラスの皆も言ってた。
「もし失敗して死んだらお父さんとお母さんに会えない!」とか。
「ネバーランドからどうやって帰るの?
お母さんたちに会いたくなるよ!」とか。
私的には、別にそうなってもいいんだけど。
あんなことしてくる両親、嫌だし。
正直早く消えてなくなりたい。
「____ねぇ、眠夢。
明日、2人で試してみよっか。」
「…でもっ」
私がもう一度眠夢を見て笑うと、
眠夢は意外にも、不安げな表情を見せて
私の意見に反対しようとした。
…でもそれは途中で止まって。
眠夢はパジャマ越しに自分の腕を撫でた。
その手を少し愛おしそうに見ると、
ふっと顔を上げて私を見た。
「うん。あしたやってみよ!」
そう言ってにっこり笑うと、
眠夢は鼻歌を歌いながら読みかけの本を読み始めた。
私はそんな眠夢を見ながら、
クラスメイトのうわさの続きを思い出した。
「でも、ネバーランドってね、
大人や周りの人に酷いことされてる人しか行けないんだって。」
「えっ!それって…虐待…とか?
あとは____いじめとか?」
「じゃあ、明恋なら行けんじゃない?
やってみてよー明恋!」
「やだ、可哀想じゃん!
あはははははっ」
最後に残ったのは、いつもの笑い声だけ。
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