四人目の代表選手
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翌日土曜日なのでゆっくり寝るつもりだったのだがハーマイオニーに起こされ、渋々目を覚ましゆったりとした黒いTシャツワンピを着てニーハイブーツを履き朝食へと向かった
まだ眠かったので欠伸をしながら向かうと玄関ホールにある炎のゴブレットに誰が名前を入れるのかみんな気になっていたようで人だかりができていた
するとフレッドとジョージ・リーがニヤニヤしながら名前を書いた用紙を手に持っていた
「やったぜ、今飲んできた!」
「三人のうち誰かが優勝したら一千ガリオンは山分けするんだ!」
「リリスの手は借りずともやり遂げたぜ!」
「はぁ…そんなうまくいくとは思えないけど、ねぇリリス?」
「ハーマイオニーの言う通りよ、年齢線引いてるし辞めといた方が身のためよ」
三人へと忠告したが聞く耳を持たず線へと入った瞬間三人は吹っ飛び、三人とも白い長い顎髭を生やして床に倒れていた
「だから忠告したのに、自業自得ね…」
「忠告したはずじゃ、二人ともマダム・ポンフリーの所へ行くがよい」
ハリーとロンはお腹を抱えてゲラゲラ笑い、フレッド・ジョージ・リーは顎髭を揺らしながら医務室へと向かった
ハリー達と朝食を食べているとハーマイオニーが思い出したかのようにポケットから"S・P・E・W,と書かれたバッチを私に渡してきた
「リリスに言いそびれていたけどこれ作ってみたの!
しもべ妖精福祉振興協会、屋敷しもべ妖精の正当な報酬と労働条件を確保してあげたいの!」
突然のハーマイオニーの言葉に食べていたホットドッグを落としそうになりお皿へと置き、落ち着かせるためにハーマイオニーへと紅茶を淹れてあげた
「ハーマイオニー、確かに貴方の考えは素晴らしいわ。
でもね、我が家のアンナやドビーは屋敷しもべの中でも稀なの…
主人のお世話をするのがあの子達の本能なの、仕事を取り上げ給料を渡すなんてしたらあの子達は侮辱されたと大半のしもべ妖精が嫌な思いをするわ。
ドビーやアンナのように受け入れてくれる子にはいいけど、無理矢理押し付けるのはよくないんじゃないかしら…」
「でも貴方も賛成してくれたじゃない!!」
「確かにいいとは言ったわ、でもみんなにそれを押し付けるのはあまりよくないことだと思うわ。
別に反対してる訳じゃなくて、これは時間がかかる案件だからゆっくりやるべきだと言ってるの」
珍しくハリーとロンが頷いているのを見てハーマイオニーは一段と機嫌が悪くなったようで、バッチをポケットに戻しそれ以上は口を開かず朝食を食べた
「リリス、朝食を食べ終わったならホグワーツを案内してくれないかな?」
「あらノア、いいわよ!
ハリー、悪いけどハロウィンパーティーまでノアといるわ。
またパーティーでね!」
「あぁ、大丈夫だよ。
僕らはハグリッドのとこに行くよ、またあとで!」
拗ねているハーマイオニーが気掛かりだったがハリーとロンがいるし大丈夫だろうと納得し、ノアと手を繋ぎ大広間を出た
天文台塔や梟小屋がある西塔・トロフィー室がある四階・マートルのトイレがある三階・図書館がある二階・魔法薬の教室がある地下と一通り案内して行った…
暴れ柳やダームストラング校の船が停泊している湖までノアと共に歩いた
湖の側に大木があったのでそこに座り湖の景色を眺めた
「ホグワーツはダームストラングと違ってまた面白いね!
そう言えば先程ジョージ・ウィーズリーが髭を生やしたお爺さんになっていたね」
「あれは自業自得よ、ゴブレットに名前を入れた罰。
ノアは名前入れたの?」
「僕以外は全員入れたみたいだけど僕は入れなかったよ、ビクトールが選ばれるってわかってるからね。
ビクトールが君の親友のハーマイオニーに一目惚れしたようでね、ハーマイオニーはいつもどこに居るのか聞いてほしいって言ってきたんだけど…」
「まぁ、ハーマイオニーをビクトールが好きになったの♡
ハーマイオニーは知的で優秀な魔女よ、それに可愛いし親友としてはおすすめよ!
フフッ、これは面白くなるわね、ノアの頼みですもの教えてあげる。
大体あの子は図書館で勉強してるわ、気になるようならその時に話しかけてみたらどうかしら?」
「ありがとうリリス、ビクトールに伝えとくよ!
でもなかなか話かけれないかもしれないな…
ああ見えてビクトールはシャイな男だからね。
それよりもリリス…」
ノアは立ち上がると私の目の前でいきなり跪いて手を握ってきた
「三校対抗試合の交流イベントでダンスパーティが待ち遠しいよ」
「ふふふッ、そうね。
ノアとホグワーツ城で踊れるなんて夢のようだわ、よろしくね!」
ノアへとニコッと笑うとノアは私を高く抱き上げた
「リリスはそのままでも綺麗だよ、でもドレス姿のリリスも楽しみだよ」
鼻と鼻が触れてもう少しでキスができそうなぐらいの距離でお互い抱き合っているとカルカロフ校長がゴホンッと咳払いをした
「こらこらノア、いくら他校の生徒との交流も大事だからと言っても少し距離感が近いのではないかな?」
「校長、それは失礼しました。
リリスとは幼馴染ですので昔からこんな感じだったもので、気をつけますね」
抱き上げていたノアは私を下ろすとカルカロフ校長へと頭を下げた
「少しフレーベアと話があるから君は船へ帰っていなさい…」
「わかりました!
リリス、またハロウィンパーティーで会おうね」
「ええ、また後でね!」
ノアは湖に停泊している船へと上がり私はカルカロフ校長へと向き合った
「校長先生が自ら私に話とは何でしょうか?」
「リリシャーロ・フレーベア、連れ去られ女の子…
その指の痣はまだあるようだな」
左手の薬指の痣を見つめられたので思わず手で隠した
「それが何か…?」
「君はもう少し考えて行動した方がいい、幼馴染のノアを大切に思うのであれば…
あの方は嫉妬深い、美しい君の周りに男が集まってくるようであれば一人残らず亡き者にするだろうからな」
「あの方、ヴォルデモートの事ですか…
まぁあの人は嫉妬深いでしょうね、御忠告ありがとうございます」
「その名を恐れぬか、さすがフレーベア家の女だ…
だが君のその痣は鎖だと言うことを忘れるな」
カルカロフ校長は哀れんだ目で私を見つめると船の中へと帰って行った…
私もホグワーツ城へと戻り大広間へと向かうとハーマイオニー達がハグリッドの小屋から戻ってきていた
みんな待ちきれないのか他の寮生や他校の生徒達もぞくぞくと大広間へと集まり、ハロウィンパーティーの豪華な夕食へと手をつけた
食べ終わるとアルバスが現れ大広間に炎のゴブレットが輝いていた
「さて待ちに待った代表選手の発表じゃ!
代表選手の名前が呼ばれたらその者達は教職員のテーブルに沿って隣の部屋へと入るように…」
ゴブレットの炎が赤く火花を散らし焦げた羊皮紙が一枚落ちてきたのでアルバスは手に取ると名前を読んだ
「ダームストラングの代表選手はビクトール・クラム!」
その瞬間大広間は盛大な拍手に包まれ歓声の嵐で、スリザリンの席から立ち上がると歩いて部屋へと行ってしまった
二枚目の紙が飛び出しアルバスが読み上げた
「ボーバトン代表選手はフラー・デラクール!」
「あの人だ、ヴィーラに似た女の子!」
「綺麗な子よね、ハリーも見惚れちゃったのかしら」
私の言葉にハリーは恥ずかしかったようで顔を赤く染め俯いていた
三枚目の髪を取り上げアルバスは読み上げた
「ホグワーツ代表選手はセドリック・ディゴリー!」
セドリックの名を呼ばれ私は思わず立ち上がり手を叩いた
ハッフルパフ生は叫び総立ちになり、セドリックは笑いながら歩くと私と目が合い、ウィンクして代表選手が集まる部屋へと向かった…
「さてこれで三人の代表選手が決まった、選ばれなかった者達は代表選手達を応援してくれることを信じておる。
みんなが本当の意味で貢献で」
アルバスが突然言葉を切り代表選手が決まった筈なのに炎のゴブレットが再び赤く火花を散らし始め焦げた羊皮紙が飛び出してきた
驚きながらも羊皮紙を手に取ると"ハリー・ポッター,と少し怒った感じの声で名を読んだ…
私も含め大広間にいたみんなが一斉にハリーを見つめていた
「僕…名前を入れてない…
僕が入れてないこと知ってるでしょ!?」
「理解してるわ、でも名前を呼ばれてしまったわ…
ハリー、行かなくちゃ!」
一体誰がこんなことを…
アルバスが年齢線を張ってあったから絶対に無理な筈、ハリーが自ら入れるわけ無いし…
十七歳以上の誰かが意図的にハリーの名前を書きゴブレットに入れた?
でも学生には絶対に無理だわ、ゴブレットを騙すほどの力を持ってはいない…
考えられるのはトムね…
だけどあの人は今自ら動ける状態では無い、だとしたらヴォルデモートの配下の誰かがホグワーツに忍び込んでる可能性が高いわね…
怪しいのは一体誰…
ハリーの横で誰がやったのか考えているとアルバスが再びハリーの名を呼んだ
「ハリー・ポッター!!
ここへ来なさい!!」
「リリスの言う通り行かなきゃ!」
ハーマイオニーが困惑しているハリーを無理矢理押すとハリーはよろめきながらテーブルの間を通り、代表選手が待つ部屋へと向かった
「何でこんなことに…
リリス一体どうなってるの!?
ハリーが代表選手に選ばれちゃったけど無しになるわよね!?」
「炎のゴブレットの魔法契約があるから無しになるのは無理ね、選ばれた者は全員競わなければならないの…」
「そんな…」
私の言葉にハーマイオニーは絶句し、ロンはブツブツと小言を言っていた
「ハリーも…
何で僕に言ってくれなかったんだろう…
リリス…上級生並みの力がある君なら…
ゴブレットに名前を入れることができるんじゃないか?」
ロンの心にも無い言葉に私は思わずブチギレ頬に平手打ちを食らわした
「確かに私ほどの優秀な魔女なら出来るかもしれないわね、でも許されざる呪文を使うほど愚かな魔女じゃないわ!
友人を信じられないだなんて見損なったわ、ロナルド・ウィーズリー!」
「痛ッ…女の癖に乱暴だろ…」
「ロン!!」
見かねたハーマイオニーが私とロンの間に入ったがキレた私は素早くロンの胸ぐらを掴むとスリザリンの机の向こう側の壁へとぶん投げた
側にいたドラコとノアが目を見開いて今飛んできたロンへと目を見開いて驚いていた
「残念ながらフレーベア家の女は淑女じゃないの、そこらへんの女と一緒にしないで頂戴。
その口を閉じないならもっと痛ぶりましょうか…?」
「フレーベア!!
貴方ウィーズリーなんてことを…!
グリフィンドール十点減点です、今すぐこちらに来なさい!!
監督生はみんなを各寮へと連れて行きなさい、いいですね!」
鼻血を出しながら壁の側で気を失っているロンをハーマイオニーはオロオロしながらタオルで拭き、私はミネルバに捕まりセブルスは鼻で笑っていた
「あれはまぁあちらも悪い、だがフレーベア家の令嬢である君があのような公の場で男子生徒を投げ飛ばすのはいかがなものか。
やはりヒルデの娘だな」
「あれはあっちが悪いわ、私は間違ってないもの。
それよりも問題はハリーよ、一体誰が名を入れたのか」
「フレーベア、少しは反省なさい!
フェニス先生にお手紙を書いてもあの方なら怒るどころか笑うでしょうし。
はぁ頭が痛いです…」
頭を抱えて溜息を吐くミネルバを余所に、私はハリーの名を書いた人物が一体誰なのか考え込んでいると、代表選手達と各校長とクラウチ氏とバグマン氏が出てきた
「リリス、何故君だけいるんだい?」
「セドリック、代表選手おめでとう!
まぁ…ちょっとやらかしちゃってね…」
「ちょっとじゃないですよ、男子生徒を壁に投げ飛ばしたんですからね!
校長、リリスの件でお話が…」
ミネルバのゲンコツをサイド食らうとセドリックは驚き、隣にいたハリーは少し笑っていた
「今から怒られるからセルロッタと共にグリフィンドールに戻っててくれるかしら?
もし貴方を傷つけようとする輩がいたらこの子が鋭い牙で噛み付くから安心して」
「また帰ったら話を聞くよ、同じ寮生に噛み付くのはどうかと思うけど…
小さなボディーガードだね、わかったよ」
セルロッタをハリーへと預けるとご機嫌なようで甘く鳴いた
「マクゴナガル先生から話は聞いた、セブルスとアラスターもわしの部屋で話そう。
その方がゆっくり話せるじゃろ」
セドリックとハリーと別れるとアルバス達と共に校長室へと入った
部屋に入るなり私の杖をアルバスは眺めて調べていた
「言っとくけど私はやってないわ」
「わかっておるが念の為にの…
残念じゃがハリーは何者かの手によって四人目の代表選手になってしまった…」
「誰かはわからないけどヴォルデモートの配下の人間が紛れ込んでる事が判明したわね…
何を企んでるかまではわからないけど用心しなければ」
「それは君もじゃよ、リリス…
ヴォルデモートにとって君は喉から手が出るほど奪いたい相手じゃからな。
ホグワーツ内だからと言って油断する事のないよう、わしらも君達を守るつもりだが…今回の件は予想外すぎた…」
溜息を吐くと私の杖を戻して自分の杖をこめかみに当てると記憶を憂の篩へと流していた…
「ダンブルドア、油断大敵だ!
怪しい奴がいるからな、要人に越した事ない!」
「アラスターの言うとおりじゃな…
セブルス、悪いがリリスを寮まで送ってくれるかの?」
「ダンブルドア先生にお話したいことがあるのでまだ寮へ戻るには…」
「ふむわかった、では皆は下がって構わん。
セブルスだけ廊下で待っていてくれるかの?」
セブルスは頷くとムーディ先生とミネルバと共に部屋から出て行った
校長室にいるフォークスを撫でアルバスは疲れたのか椅子へと腰掛けた
「ハリーが長期休みのときから傷跡が痛むそうよ、ヴォルデモートと何か関係があると私は思ってるんだけど…
ハリーはそれぐらいで貴方を心配させたくなくて相談してないけどアルバスに言った方がいいかと思って」
「ふむ、そうか…
リリスの指の方はどうかな?」
「たまに熱くなるときがあるけどそれ以外は別に何ともない、ただハリーが心配だわ…
シリウスもこちらに帰ってくると手紙を貰ってたし、何かわかったら私にも教えてね。
ハリーのことは任せて!
ヴォルデモートの思い通りにはさせないから」
「ホホホッ、リリスが居てくれて心強いの。
だが忘れてはならぬ、君もまだ子供で狙われているということを…
マクゴナガル先生から聞いたがウィーズリーを投げ飛ばしたようじゃの。
ウィーズリーが何を言って怒らせたのかは予想が付くが暴力はよくない、わしが怒ったから罰則はなしとマクゴナガル先生には伝えておこう。
さぁもう寝る時間じゃ、外にセブルスが待っておるから行きなさい」
「さすがアルバス、おやすみなさい」
一礼し校長室からでると不機嫌そうな顔をしたセブルスが待っており、グリフィンドールまで連れて帰ってくれた…