許されざる呪文
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ドラコのイタチ事件があってから二、三日は何事もなく平和に授業が過ぎて、今からムーディ先生の防衛術の授業が始まるところだ
ハーマイオニーの隣に座りみんなのように机に本を出して待っていると義足の足音が聞こえ一斉に振り向くと、ムーディ先生が教室へと入り教台へと立った
「教科書など必要ないルーピン先生から手紙を貰っている、お前達は闇の怪物と対決する為の基本をかなり学んだようだがお前達は遅れている!
魔法使い同士が互いにどこまで呪い合えるものなのかお前達を最低線まで引き上げる!
呪いは力も形も様々でわしが教えるべき反対呪文だ、お前達の方に備えがなければならん。
さて、魔法法律により最も厳しく罰せられる呪文が何か知っている者はいるか?」
ムーディ先生の問いに珍しくロンが手を挙げ、先生はロンに答えるように指を刺した
「パパが一つ教えてくれたんですけど、"服従の呪文,です…」
「その通り、この服従の呪文は魔法省を手こずらせたからな。
"インペリオ!服従せよ!,」
教台の上に置いてあったガラスの瓶の蜘蛛へと魔法を放つと瓶から飛び出し、空中ブランコのように揺れたりタップダンスを踊り始めた
それを見たハリーや他のみんなは手を叩き笑い合っていたが、私とムーディ先生だけはその呪文の恐ろしさを知っていたので笑っていなかった
「おもしろいと思うか?
わしは思いのままできる、窓から飛び降りさせることや水に溺れさせることも…
昔多くの魔法使いが"服従の呪文,に支配され、だれが無理矢理動かされているのか…
誰が自らの意思で動いているのかそれを見分けるのが魔法省にとって一仕事だった…油断大敵!!」
服従の呪文がどれほど恐ろしい魔法なのか笑っていたみんなはわかったようで静まり返っていた…
「他の呪文を知っている者はいるか?」
珍しくネビルの手を挙げていたのでムーディ先生は答えるように言った
「一つだけ…"磔の呪文,です」
「ロングボトム、正解だ!
この魔法を見やすいようにせぬばな、エンゴージオ!肥大せよ!」
ムーディ先生は蜘蛛を大きくさせると"クルーシオ!苦しめ!,と魔法をかけた瞬間、蜘蛛はワナワナと痙攣し激しく身を捩りはじめた
蜘蛛に集中してみんな気づいていなかったがネビルが尋常でないほど恐怖に満ちていた目をしていたので、思わず蜘蛛へと"レデュシオ!縮め!,と魔法を放った
「ムーディ先生、もうよろしいかと。
ネビルが今にも倒れそうなほど顔色が悪くなってます」
「ふむ、フレーベアの言う通りだな。
磔の呪文は苦痛、これもかつて盛んに使われた…
フレーベア、最後の呪文をお前に答えて貰おう」
「"アバダケダブラ,です、最後にして最悪の呪文…死の呪いです」
私へと頷くとムーディ先生は杖を振り"アバダケダブラ,と唱え緑の閃光が走り、蜘蛛は傷一つなく仰向けにひっくり返り死んでしまった
教台に死んでいる蜘蛛を私は見つめ私の両親やハリーの御両親もこの呪文でこうやって殺されたのかと一人物思いにふけていた…
「よくない…
しかも反対呪文は存在せず、防ぎようがない。
これを受けて生き残った者はただ一人、その者はわしの目の前に座っている」
ムーディ先生はハリーを見ると他の生徒も一斉にハリーを見つめた
「反対呪文がないがお前達が知っておかなければならないからだ?
最悪の事態がどういうものなのか、お前達は味わっておかなければならない。
油断大敵!!
"アバダケダブラ,"服従の呪文,"磔の呪文,は"許されざる呪文,と呼ばれこのうちのどれか一つの呪いをかけるだけでアズカバンで終身刑を受けるに値する。
お前達が立ち向かうのはそういうものなのだ…
そういうものに対しての戦い方をわしはお前達に教えなければならない、備えが必要だ!
しかし何よりもまず常に絶えず警戒することの訓練が必要だ、さぁこれを書き取れ」
私たちはシーンと静まり返った教室で許されざる呪文についてノートへと書き込み、授業が終わり教室からでるとみんな一斉に話し始めた
まるで何かのショーを見たかのように先ほどの授業の話をし始めたが、私とハリーはみんなのようにはなれなかった…
ハリーとハーマイオニー・ロンと共に黙って歩いていると壁に向かって目を見開いているネビルがぽつんと立っていた
ネビルの様子がおかしいことに気づいた私は肩を叩いた
「リリス、面白い授業だったね!
夕食の出し物は何かな、僕お腹がペコペコだ」
「ネビル、貴方医務室に行くべきだわ」
どうやら先ほどの許されざる呪文を見た事による何か精神的なダメージなのか言動がおかしくなっているネビルを心配し医務室へと連れて行こうとすると後ろからムーディ先生がやってきた
「ロングボトム、わしの部屋にお前の好きそうな本があった。
おいで」
「ムーディ先生…
ハリー、私ネビルが心配だから付き添うわ!」
「うん、わかったよ。
また後で」
ハリー達と別れるとネビルの手を握り、ムーディ先生の部屋へ向かった
部屋の中は見たことない魔法道具ばかりで叫び声が聞こえる箱など変わった物がたくさんあった
ネビルと共にソファーへと座るとムーディ先生は温かい紅茶を出してくれた
「ロングボトム、スプラウト先生がお前は薬草学がとてもよくできると言っていた。
この本は気にいるだろう、お前にやろう」
"地中海の水生魔法植物とその特性,と書かれた本をネビルは受け取ると"ありがとうございます,と小さな声でお礼を言い、本を捲っていた
「ネビルの好きそうな本ね、よかったわね」
「フレーベア、生徒たちの噂話でお前があの悪戯っ子のジョージ・ウィーズリーと付き合っていたと耳にしたが本当なのか?」
「短い時間でしたけど付き合ってました、でも今は別れてますよ。
確かフェニス姉さんとお知り合いですよね?
フェニス姉さんが若いうちはいろんな人と付き合ってみるのもいいと助言されちゃいました 」
「あやつらしいな、校長からお前のことは聞いている。
フェニスにしごかれ天才的な魔女だと、どうだ将来は闇祓いになる気はないか?」
紅茶を飲んでいた私は思っても見なかった勧誘に咳き込んでしまった
「将来のことはまだ考えてないので正直わかりません」
「お前ほど優秀な魔女なら欲しい人材だ、四年生だからそろそろ将来について考えるべき年齢ではある」
「そうですね、ムーディ先生の言う通り将来のこともそろそろ考えなくちゃいけないですね。
ネビルなら薬草学の先生とか向いてそうだわ」
「僕が先生!?
それは絶対無理だよ、リリス!」
「私より薬草について物知りなネビルなら大丈夫よ!
貴方なら優しくて生徒に評判のいい先生になるわよ」
ネビルは私の話に無理だよと首を横に振っていたがムーディ先生が肩を叩いた
「ロングボトム、お前はもう少し自分自身に自信を持つことだ。
そうすれば教師の道も歩くことができよう、元気になったようだ夕食を食べに行け」
「ムーディ先生、ありがとうございました!
さぁネビル、行きましょう」
「うん、ムーディ先生ありがとうございました」
ネビルと共に頭を下げて教室から出ると大広間へと向かい、元気になったネビルに安心した私は一緒に夕食を食べた
「リリスのおかげでなんだか元気になったよ、一緒にいてくれてありがとう」
「私は何もしてないわよ、ムーディ先生のおかげよ。
その本よかったわね」
「ムーディ先生って怖い先生だと思ってたけど優しいんだね」
「まぁあの見た目じゃみんな怖がっちゃうわよ」
コンソメスープを飲み干し食べ終わったので席を立ちあがると、セドリックとぶつかってしまった
「おっと、ごめんよ!
リリスだったのかい、久しぶりだね!
四年生になってから会うのは初めてだね、一段と綺麗になったね」
「貴方も相変わらずイケメンね」
「今日はいつもの三人といないなんて珍しいね、リリスさえ良ければ僕と散歩しないかい?」
「フフッ、いいわよ。
ネビル悪いけど先にグリフィンドールの塔に戻ってて!」
「うん、わかったよ。
リリスまた後でね」
ネビルと別れるとセドリックと私は中庭へと歩き始めた
外は暗くなっていたが星々が夜空を輝き、中庭のベンチへと腰を下ろした
「一番に君に報告したくて…
実は代表選手に立候補しようかと思っているんだ」
「凄いじゃない、セドリックなら優勝間違い無いわ!
貴方がホグワーツ代表に選ばれたら応援するわ」
「ありがとう、選ばれたら嬉しいんだけどまだ決まってないからね。
リリスは大切な友人だから一番に言いたかったんだ」
「フフッ、ありがとう。
私もセドリックは大切な友人よ!
選ばれるようにおまじないしてあげる」
そっとセドリックの頬にキスをするとセドリックは驚き顔を真っ赤に染めていた
「リリス…!!」
私はクスっと笑うとベンチに横たわり、セドリックの膝へ頭を置き寝転んだ
「別に意味はないわよ、ただのおまじない。
セドリックと久しぶりにゆっくり話せてなんか嬉しいかも」
「僕も嬉しいよ、リリスは…
別れたことに後悔とかはないの?」
「ジョージとのことね…
付き合って楽しかったのは本当よ、でも喧嘩してお互い友達に戻る方がいいかなって思っちゃったのよね」
「僕達はまだ子供だからいろんな人と出会って経験するべきさ。
リリスは年下なのに凄く大人になったね…
寒くなって寝れないようだったらいつでも僕の所においで、今みたいに膝貸してあげるよ」
私の頭をそっと優しく撫でるので少し瞼が重くなってきた…
「セドリックは相変わらず優しい先輩ね…
ジョージと寝ることが出来なかったら…
セドリックの膝…貸してもらいにくるね…」
ウトウトしていた瞼が閉じてしまいいつの間にか眠ってしまった…