クディッチ国際大会
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今回の長期休暇中はフェニス姉さんとアンナと共にハワイで一週間ほどバカンスを楽しみ、マカダミアナッツのチョコを大量に買い占めみんなにお土産として送った
一週間海を楽しんだ私は日焼けして健康そうな小麦肌に日焼けし、ハワイで買った透明感のある淡い水色の花柄のマキシワンピースを着ていた
今年のハリーの誕生日はチョコと一緒に、普段着れそうなTシャツを何枚かプレゼントとしてあげた
屋敷でまったりとお茶を飲みながら、三年生であったことを2人へと話し始めた
フェニス姉さんの予想通り、シリウス・ブラックは無実でペティグリューが裏切り者だったと伝えると驚きはしなかった
「ピーター・ペティグリューのような小心者が一番悪に染まりやすいものなのよ。
あっ、そう言えばグラディスのジジイがリリスの分のクディチワールドカップの決勝戦のチケットを用意したらしいから行ってきなさい。
私は群がるの好きじゃないからアンナとここでまったりしてるから」
ソファーにだらしなく横に寝転ぶとフェニス姉さんはハワイで買ったチョコレートを美味しそうに食べていた
「また勝手に決めちゃって…
でも久しぶりにノアに会えるのね、楽しみだわ。
そう言えばハリーもロンのお父さんがチケットを手に入れたから行くって手紙に書いてあったわね、それならハリー達とも会えるわね!」
「モリー達も行くならジョージもいるんじゃない、貴方達別れたばかりだけど大丈夫なの?」
「私は気にしてないし付き合う前のときみたいに接するつもりだから問題ないわ」
「ふーん、まぁリリスがそれならいいけど。
ノアからしたら願ってもないチャンスだわね、まぁ若いんだからいろんな人と付き合ってみたらいいのよ♪」
すると誰かが玄関のドアをノックしたのでアンナが出迎えると前より少し背が伸び、一段と男前になったノアとノアのお父さんがお見えになった
ノアの後ろにはグラディス家の屋敷しもべ妖精ソルトが一緒に同行していた
ノアのお父さんはノアを少し歳を取った感じで似ており褐色肌の茶髪で緑色の瞳は同じだが、唯一違うのは髪型で長い髪を三つ編みに編んでいるのがお父さんの方だ
二人はフェニス姉さんと私に深々と頭を下げると挨拶をした
「フェニス様、お久しぶりですね。
私の父がクディチワールドカップのチケットを取りましたのでリリスをお迎えにあがりました。
リリスに会うのはホグワーツに入学する前だね、これまたフェニス様やヒルデに似て美しくなられた!
幼い姿のリリスが懐かしいよ」
「アデルさん、お久しぶりです!
今回はクディチワールドカップのお誘い、ありがとうございます。
ノアとは一年生の時に会って以来だから、今回のお誘いは凄く嬉しかったわ!
ソルトも一緒に行くのね、嬉しいわ!」
ノアとお父さんのアデルさんへ挨拶すると屋敷しもべ妖精のソルトへと抱きついた
「リリスお嬢様!
私なんか卑しい者に抱きついてはなりません、貴方様が穢れてしまいます!」
「ソルト、リリス様は一般的なお嬢様とは違いますからそのような事気になさらなくて大丈夫なのです。
試合を観戦している間、私のお嬢様をよろしくお願いしますね。
リリス様のお支度は私がしておきましたので安心してください」
アンナは指を鳴らすと私の鞄をソルトへと手渡していた
「リリス様のことはこのソルトにお任せくださりませ!!」
「さすがアンナ、用意周到ね。
悪いけどロゼとセルロッタのことアンナに頼むわね」
「もちろんです、リリス様こそお気をつけて行ってらっしゃいませ」
アンナの側でセルロッタが少し寂しそうに鳴いたので頭を撫でてやると、ノアにエスコートされながら屋敷を出て門の側に止めてあった馬車に乗った
馬車の中は凄くゆったりしていてノアとアデルさん・ソルトも中に乗ると馬車は動き始めた
本当はマグルにバレないように魔法省の考案で移動キー(ポートキー)を使って国際大会に来なければならないのだが、フレーベア家の令嬢である私を連れて来るグラディス家は特別に許しを貰えたらしくもちろんマグルからは見えないように魔法がかけてある
しばらく飛ぶと霧が立ち込める人里離れたキャンプ場へと着き、馬車から降りると様々な国の魔法使い達がテントを張っていた
アデルさんとソルトがテントを張ってくれたので中へと入ると中は凄く広く、寝室・バスルーム・キッチン中庭までついていて快適になっていた…
「屋敷よりは狭いけど4人だから大丈夫かな?」
「十分すぎるわノア!
様々な国の魔法使いが来ているからテントもさまざまね、そう言えばブルガリア・ナショナルチームのビクトール・クラムは貴方と同じ学校の生徒よね?
クディチのワールドカップのメンバーに入ってるなんて凄いわね」
シックな黒い革張りのソファーへとノアと共に座り、ソルトが美味しそうな紅茶とお菓子を出してくれた
「クラムは僕と親友さ、あの若さであの箒の技術は感服だよ!
あの子は凄くいい子だよ、僕はクラムのチームのブルガリアを応援するつもりさ」
「じゃ私もブルガリアを応援するわ、ノアの親友が出場しているんですもの!」
「クラムは凄くいい子なんだ、今年はリリスと一緒にいる時間が長いから今度僕の親友を紹介するよ。
そう言えば、僕のお爺様がリリスはホグワーツで彼氏が出来たけど別れたって聞いたよ。
ジョージ・ウィーズリーって子はどんな男なのか見てみたいかな、リリスの元彼だからね」
「ジョージはノアが思ってるほどの人じゃないわよ、それに今はもうただの友人よ」
ノアがジョージの事を知っていたのには驚いたが、フェニス姉さんがおそらく話したのだと推測できた
するとゴーンと大きな音が鳴り響いた
「始まるようだ、二人ともスタジアムに行かないと!
ソルト留守番を頼んだよ」
「お任せくださりませ!」
テントから出てソルトと別れるとノアとアデルさんと共に暗い森の小道を歩いて進んだ
すると巨大なクディチ競技場が目の前に現れ、大勢の魔法使い達で溢れかえっていた
紫色の階段を上がると最上階の観客席が見えると、そこには私の親友のハーマイオニーとハリー・ウィーズリー家のみんながいた
側に大臣のファッジとドラコの家族も見え前に書店であったときのようにアーサーさんとルシウスさんが睨み合っていたので、見かねた私は二人の間に入った
「お二人ともお久しぶりですね、みなさんと貴賓席で一緒に見れるなんて最高ですね。
クディチワールドカップなんですから、お互い楽しく観戦しましょうね」
「リリス嬢!
まさか貴方様が観戦に来られるとは…フェニス先生は御一緒ではないようですな」
「リリス!
その…ジョージの件は申し訳ない、私のバカ息子が君に似合う筈なかったのに…。
私達が居ても大丈夫だろうか?」
「アーサーさん、謝らないでください。
ジョージとは友人ですし、何より私がいけないんですから…
今日の試合は私の幼馴染の親友が出てるんです、もちろんみんなで観戦しないと!」
ハリー達へと手を振り、ジョージと別れた事を知っているアーサーさんはこの場にいない方がいいかと気にしていたので宥めた…
「今日は私達と一緒なのだよ、ルシウス・アーサー。
久しぶりに会うね、息子のノアだ」
「ノア・グラディスです。
リリスの幼馴染で仲良くさせて貰っています、皆さん観客席がご一緒のようなのでよろしくお願いします」
アデルさんがノアをその場にいたみんなへと紹介するとノアはロンの隣にいたジョージへとニコッと微笑んでいた
「これはこれはフレーベア嬢、フェニス様のように大人な女性に随分となられましたな!
このような美しい女性になられたのなら殿方達が黙っておられませんな!
ルード・バグマンです、以後お見知り置きを」
派手なローブを身に纏った魔法ゲームスポーツ部の部長であるルード・バグマンさんが私達の所へ勢いよく飛び込んでくると私の手を握り握手してきた
「ゴホンッ!
ルードそろそろ始めなければならないのでわ?」
「そうでしたな大臣、フレーベア嬢失礼するよ」
ようやく手を離してくれたのでノアとアデルさんとルシウスさん達の隣の観客席へと腰を下ろした
バグマンさん"ソノーラス,を唱え開会式の挨拶をすると観衆達は興奮のあまり叫び、貴賓席から見える巨大な画面にブルガリアとアイスランドの名が現れた
するとブルガリア・ナショナルチームのマスカットのヴィーラの登場に歓喜しノアやアデルさん達は影響なく普通に座っていたが、チラッとハリーとロンを見るとヴィーラの虜になり今にも観客席から飛び降りそうな格好でデレっとしていた
まぁ普通はヴィーラ見たらそうなるわよね…
呆れていると空に彗星が現れ三つ葉のクローバーの形を作られレプラコーンが現れ大量の金貨を降り注ぎ、観客席にいたみんなは金貨を拾うのに必死だった
アイルランド・ナショナルチームのマスカットが終わり、両チームのメンバーの紹介が始まりエジプトの審判がピッチへと入ってきた
「試あぁぁぁぁぁぁぁい開始!!」
バグマンが叫び両チーム一斉に動き試合が始まった
学校のクディチの試合を見ているがスピードが全然違って肉眼で見るのが追いつかないほど、両チーム素晴らしい選手達だった
白熱した試合に両チームのマスコットである、ヴィーラとレプラコーンが喧嘩をし始めていた
美しかったヴィーラは鋭い嘴をした鳥になり鱗に覆われてた長い翼が肩から飛び出し火の玉を投げていた
「あっちも大変そうね…
危ない!ノア、貴方の親友の顔にブラッジャーが当たったわ!
アイルランドのビーター、酷いわ!」
「あれは痛いね、クラムの鼻が折れたかも…」
私もノアも心配して観ているとアイルランドのシーカーがスニッチを見つけたようで急降下し、その後ろを血を流しながらもクラムがピッタリと張り付いていた
二人とも地面に激突する間際にクラムがスニッチを掴み、血に染まったローブを風に靡かせながら高々と手に持っている金のスニッチを突き出していた
スコアーボードがブルガリア一六〇点
アイルランド一七〇点と点滅していた
「アイルランドの勝ち!
クラムがスニッチを捕りましたが勝者はアイルランド!
なんたること、だれがこれをよそうしたでしょうか!?」
バグマンの解説に会場にいた観客達も度肝を抜かれていた…
「ノア、貴方の親友のクラムは素晴らしい選手ね!
アイルランドのチェイサーが上手かったからクラムは自分のやり方で終わらせたかったのね…
とても勇敢な人だわ」
「親友の僕にとって君の言葉は嬉しいよ、クラムに言ったら喜ぶよ」
ノアと共に盛大な拍手を選手達へと送るとバグマンの閉会の言葉でクディチワールドカップは終わった…
クディチが好きなハリーとロンはまだ興奮が治らないようでハーマイオニーに"またね,と手を振るとチラッとジョージと目があったので微笑んだが何故か機嫌が悪かったのか無視されたのでノアとアデルさんと共にテントへと戻りソルトが用意してくれた晩御飯を頂いた…
お腹いっぱいになった私はお風呂に入らせてもらい我が家では下着姿で寝ているがさすがにそれではいけないので、アンナが用意してくれた淡いピンクのミニキャミワンピのネグリジュを着てシースルーの同じ色のカーディガンを羽織ってお風呂から出た
「まぁ、リリス様!
素敵なネグリジュですね、お似合いですよ!
さぁ温かい珈琲が入りましたからお飲みください」
「ソルトありがとう、頂くわ」
ソファーに座っていたノアの隣に座り、ソルトが淹れてくれた珈琲を飲んで身体を温めた
「リリス、今夜はアイルランド勢がお祝い騒ぎをしているから少し賑やかだけどすまないね」
「勝ったからそれは仕方ないです、アデルさんのおかげで素敵な試合を観戦することができました!
誘ってくださりありがとうございます」
「喜んでくれたならよかった!
これはまだ秘密なんだがホグワーツでトライウィザード・トーナメント(三大魔法学校対抗試合)があるんだ。
だからダームストロング校のみんながそちらにお邪魔するから、ノアをよろしく頼むね」
「ホグワーツに行ったら君をクラムに紹介するよ」
「そんな大イベントがあるなんて…
フェニス姉さんから聞いてなかったからびっくりだわ、ノアとホグワーツで同じ時間を過ごせるなんて夢みたい!」
「僕もだよ!
クラムにリリスを紹介したいし、君の友人達とも仲良くなりたいしね」
「私の一番の親友はハーマイオニーよ、ハリーやロンもだけどやっぱり女の友人は堅いからいいわよね。
ドラコは知ってるから紹介しないでいいわね、セドリックは凄く性格がいいからノアと合うかもしれないわ!
あとはリーにジニーに…まぁホグワーツ生はみんないい子だから心配ないわ」
「リリスはみんなと仲良しなんだね、少し妬けちゃうよ。
三大魔法学校対抗試合でクリスマスにダンスパーティーがあるんだけど、僕はリリスと踊りたい。
僕のパートナーになってくれないかい?」
「もちろん、ノアから誘ってくれるなんて嬉しいわ!
今年の学校はイベントだらけね、楽しみだわ」
「よかった…」
「ノア、リリスが了承してくれてよかったね。
断られたらどうしようかとずっと悩んでいたんだよ」
「ノアは大好きな幼馴染よ、断るわけないじゃない!」
私の言葉に嬉しいような悲しい複雑そうな表情でノアは笑っていた
「さぁそろそろ寝る時間だよ、ノアの隣の部屋がリリスだからね。
おやすみ二人とも」
アデルさんとソルトに"おやすみなさい,と言うとソファーから立ち上がり私とノアは自分の寝室の部屋へと入りフカフカのベットへと横になり、疲れたのもあっていつの間にか眠ってしまった…
しばらく寝ていたが外が何やら騒がしく、人々の叫び声が聞こえ私は目を覚まし部屋から出るとアデルさんとぶつかりそうになった
「おっとすまない、緊急事態だ!
リリス悪いけどノアとソルトと共に外に出なければならない、預かった君にケガさせる訳にはいかないからね」
「お父様、リリス!早く外へ!!」
寝ていたはずのノアが杖を持ちソルトと共にテントの入り口に居るのが見え、キャンプ場にいる魔法使い達が逃げ惑う姿が目に映り私は驚いた
アデルさんに引っ張られテントの外に出ると森の方へと逃げ惑う人達と黒いフードを被り仮面を付けた輩達が火をつけたり、マグルへと魔法を放ちキャンプ場の管理人の家族達を痛ぶっている姿が目に入り思わず杖を出した
「マグルの家族になんて事を…
幼い子供にまで!!
あの者達を止めなければ、私も加勢します!」
「ダメだ、君はまだ子供だ!
私は魔法省の者達とあの家族を助けなければならない、リリスはノアと共に森へ逃げるんだよ!
忘れてはいけない、君は"連れ去られた女の子,でもあるのだから…
ノア、己の命に変えてもリリスをお守りするように!
さぁ早く!!」
アデルさんと共に行きたかったがノアとソルトに引っ張られた私は森へと向かった…
逃げ惑う人達の中にパーシー・フレッド・ジョージ・ジニーとあと二人見たことないがイケメンな男性がいるのが目に入り、ノアとソルトを呼び止めた
「待って、ウィーズリー家のみんなだわ!
みんな大丈夫!?」
「リリス、無事だったのね!!」
ジニーが泣きながら私に抱きつき怖かったのか震えていたので優しく背中を撫でてあげた
「ロンとハリー・ハーマイオニーを見なかったかい?
一緒に逃げていたのにいつの間にかはぐれてしまったんだ!」
「ごめんなさい、見なかったわパーシー…」
「リリスってジョージと付き合っていた子だよね!
僕は長男のビル!
「本当にフレーベア家の御令嬢と我が弟が付き合っていたのか、冗談かと思ったよ。
僕はチャーリー、よろしく!」
ハンサムで長身長髪の赤毛をポニーテールにしているのがビルで、赤毛の短髪で傷や火傷が身体中にあるのがチャーリーのようだ
「ロンのお兄さん達ね、リリシャーロ・フレーベアです。
チャーリーは前にノーバートの件でお世話になったわね、またゆっくり話ましょう。
今はロン達を探さなくちゃ、ノア行きましょ!」
「リリス!
君はここにいた方がいい、危険だ!」
それまでずっと黙っていたジョージが私を行かせないように腕を掴んできた
「私は大丈夫よ、ジニーが震えているから守ってあげて!
ノア、行きましょ!」
抱きしめていたジニーをジョージに渡し腕を振り払うとノアとソルトと共にハリー達を探す為森の奥へと向かった
「君の元彼さんはまだ君のことが好きなようだね…」
「そんな事ないわ、それよりも一体何処にいるのかしら?」
杖に灯りを灯し森の中を隈無く探していると突如巨大な髑髏が現れ、口から蛇が這い出ている刻印が現れ思わず立ち止まってしまった…
「あれは"闇の印,…
ハリーが危ないわ!」
「リリス、待って!!」
ノアの静止する声を無視し走ると空き地からハリー・ロン・ハーマイオニーが飛び出し、それを魔法省の魔法使い達が杖を向け放とうとする前に三人へと杖を向け"プレテゴ・マキシマ,と唱え麻痺呪文から三人を守った
伏せていたハリー達の目の前に守るように魔法省の人達へと杖を向けた
「まだ子供のハリー達に魔法を放つとはどう言う神経をしているのかしら、魔法省は能無しの集まり集団なのかしらね…」
「リリス!ハリー!!
みんな無事か、君が守ってくれたのかすまない…」
アーサーさんが真っ青な顔でハリー達を抱きしめると立ち上がらせ、魔法省の人達から守るようにしノアがバーティ・クラウチさんを睨み杖を向け立ちはだかっていた
「どけアーサー、そしてフレーベア家の小娘…
でしゃばるなら容赦はしない、誰が闇の印を出した!?」
「僕達はやってない、誰かがあそこにいたんだ!」
「白々しいことを…お前達は犯罪の現場にいた!」
「もしハリー達が闇の印を作ったとして何の為に?
ハリー達は無実よ!!」
クラウチさんにハリーはやってないと言ったが信じてないようで、思わず私は声を荒げてクラウチさんへと睨んだ
「バーティ、フレーベア家の御令嬢に先程の言葉はいささか許し難いのだが…
少し君は天狗になりすぎているのではないかい?」
姿現しで現れたアデルさんがノアの隣に立ち、いつもは優しいのだがどうやら少し怒っている様子だった
「アデル・グラディス…」
「まぁお二人さん、落ち着くんだ!
"失神交線,が犯人に当たった可能性がある、見てみよう!
ここに誰かいる、気を失っているな…
これは…なんと!まさか…」
ハリーが指差した木立の陰を調べに行ったエイモス・ディゴリーさんがクラウチさんの屋敷僕のウィンキーを抱いていた
それを見た私達も魔法省の役人達も一斉にクラウチさん見つめ、ウィンキーを見たままクラウチさんは信じられないのか固まっていた…
「まさか…こんなはずはない…」
「ウィンキーは杖を持っていた」
「一体誰の仕業だ、今事をしでかすとわ!」
バグマンさんが姿現しで現れクラウチさんらとエイモスさんへと怒り散らしていた
「ウィンキーさ…バグマン…
エネルベート!活きよ!
今しがた闇の印が打ち上げられた、お前が見つかり杖を持っていた!」
「あたしはやり方をご存知ないでございます、あたしはただそれをお拾いになっただけです!
やり方をご存知ありません!!」
エイモスの問いかけにウィンキーは泣きながら否定し、持っていた杖がハリーの杖だと言うことに私は気がついた
「その杖…ハリーのだわ!」
「本当だ、僕の杖だ!
森に入ったあとなくなっていることに気づいたんだけど、どこで落としたのかはわからなかったんだ」
ハリーの話を聞いたエイモスさんは"プライオア・インカンタート,と唱え、ハリーの杖に直前呪文を放ち杖からは闇の印が飛び出し"デリトリス消えよ,と唱えると消えた
「ふむ…お前は現行犯だ、しもべ!」
「あたしはやっていません!
しもべ妖精のあたしは杖の使い方を知りません!!」
「ウィンキーの言う通りです、屋敷しもべは杖を使えない。
それに闇の印を作れる魔法使いは限られているとエイモスさんもおわかりなはずでわ?」
「エイモス、君は私が召使いに常日頃から闇の印の創り出し方を教えていたと言いたいのであろう…。
闇の魔術を行う者をどれだけ嫌悪してきたか君は忘れたわけではあるまい、私のしもべを咎めるのは私だ!」
エイモスさんへとクラウチさんは叫ぶとエイモスさんは口籠もってしまった…
「通常ならウィンキーを連行し尋問したいだれうがこの件は私に処理を任せて欲しい、必ず罰する…
ウィンキー、私はテントにいるように言いつけた!
ところが従わなかった…
それは"洋服,に値する!」
"洋服,とクラウチさんが叫んだ瞬間、ウィンキーは足元で泣き崩れしがみついて許しをこいていた
それを見たソルトは私の側でカタカタと恐怖のあまり震えていた…
「洋服だけは!洋服だけはおやめください!!」
「主人や主人の名誉への忠誠を忘れるようなしもべに用はない!」
ウィンキーの泣き叫ぶ声がその場に響き、見かねたアーサーさんがハリーの杖をエイモスさんから受け取り、ハリーへと返した
「私は子供達を連れてテントに戻ろう、リリスとアデル達も我が家に来るといい。
では失礼するよ…」
アーサーさんとアデルさんは頷くと私達の手を取り、アーサーさんとハリー達と共に暗い木立ちの間を歩いた…
「ウィンキーはどうなるの、あんな扱いあんまりだわ!
あんなやり方はムカムカするわ!!」
「私もそう思うわ、我が家にも屋敷しもべがいるけど私は家族として接しているからあんな酷い扱いは嫌いだわ…
でもあれはああする以外、どうする事も出来ないのが現実よ。
それにしてもハリーは本当に巻き込まれて体質ね、今年も絶対平和には過ごせないわよ」
「僕もそう思うよリリス…
さっきは助けてくれてありがとう!
幼馴染のノア・グラディスさんもありがとうございます」
「お礼はいらないよ、僕こそ君に会えて嬉しいよ。
ノアで構わないよ!
ハリー・ポッターにロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャー…
リリスから親友だとよく聞いているよ!」
「これまたイケメンな年上男だね、リリスの新しい彼かい?」
ロンの空気を読めない発言に隣にいたハーマイオニーがすかさず頭を叩いていた
「僕はリリスの彼氏じゃないよ。
こないだまで君のお兄さんが彼氏だったじゃないか、でも別れてしまったようだがね…
リリスは綺麗で聡明な魔女だから様々な名家の男性達から狙われているからね、まぁ僕もその一人だけどね♪」
「ノア、アーサーの息子さんを揶揄うんじゃないよ。
君が誘ってくれて嬉しいよ、でなければ侮辱したクラウチを私は八つ裂きにしていたからね…。
そう言えばルイーザが亡くなってから君とも会っていなかったね」
どうやらアデルさんとアーサーさんは友人だったようで、知らなかった私は驚いて石に躓きそうだった
「アデルのその腹黒さは学生の頃と変わらないな…
みんなは知らないだろうけど、私と妻のモリーとアデルは同級生でね。
寮は違ったが友人なんだよ!」
「そうだったんですね!
ノアのお母さんはお亡くなりに…?」
ハリーも驚いたようで母親がいないことに気がついたのかアデルさんへと問いた
「ノアが産まれてすぐに病気で亡くなってしまってね、私はノアがいるにも関わらず病んでしまってね…
見かねたフェニス先生が私とノアをフレーベア邸で幼いリリスと一緒に見てくれたのがきっかけで二人は幼馴染になったんだよ。
本当フェニス先生には頭があがらないよ」
ノアのお母さんが亡くなっていたのは知っていたがアデルさんが病んでしまったのは初耳だったので私は驚いていた
「ちなみに私とアデルが学生の時にフェニス先生は防衛術の教授でホグワーツにいたんだよ。
大半の大人が未だに"フェニス先生,と呼んでいるのはそう言うことなのさ!
あのお方を名前意外で呼んだらそれこそ…恐ろしいからそれ以上は言わないでおこう」
「ってことは…
あんなに綺麗なフェニス・フレーベアは一体何歳なんだ!?」
話を聞いたロンが思わず頭を抱えながら叫んでいた
「フレーベア先生はダンブルドアと同い年だよ、私が学生の頃と顔が変わってない。
まぁあのお方はダンブルドアと同じで私たちとは次元が違うのさ。
さぁ!狭いが我が家のテントだ、入ってお茶でも飲もう!」
ウィーズリー家のテントは少し古びていたがアデルさんとノアは顔色一つ変えず、気にしていないのかアーサーさんに促されるまま中へと入った
すると破れたシャツを着たチャーリーが鼻血を出しているパーシーへとティッシュを押し込み、ビルは腕からかなり出血しているようでジニーがタオルで押さえていた
フレッドはジョージと共にソファーに座ったまま犯人はどうなったのかアーサーさんへと聞きたくて仕方ない様子だった
「とりあえずみんな無事さ、あの印を創った奴を捕まえれたの?」
「バーティ・クラウチのしもべ妖精がハリーの杖を持っているのを見つけたがあの印を実際に創り出したのが誰かはわらなかった。
ソルトお茶を淹れてくれたのかい、すまない」
いつの間にかソルトがウィーズリー家のキッチンを使って温かい紅茶をみんなへと淹れてくれていた
「クラウチさんのしもべが?」
鼻へとティッシュを詰めてもらっていたパーシーが驚きのあまり立ち上がっていた
「別にあれが悪さをしたわけでもないのに何でみんな大騒ぎするんだ?」
「言ったでしょ!
ロン、あれは"例のあの人,の印よ、闇の魔術の興亡で読んだわ」
「ハーマイオニーの言うとおり。
闇の印はヴォルデモートやデス・イーター(死喰い人)が誰かを殺す時にあの印を打ち上げるの…
それが打ち上げられたのを見たからみんなパニックになっていたのよ」
私は血だらけのビルの腕へと杖を振ると傷口を治し血を止めた
「リリス、ありがとう!
まぁ誰が打ち上げたかわからないが、デス・イーター達があれを見たとたん怖がって逃げ出したさ。
今夜僕達が見たあの仮面野郎はアズカバン行きをなんとか逃れた連中さ」
ビルの言葉にハリー・ロン・チャーリー・フレッド・ジョージは頷いていた
「そうだと言う証拠はないからね…
まぁその可能性は強いがね」
「連中にとって今日は同窓会気分だったんだろうね、でも闇の印が浮かび真っ先に逃げるとはなんて間抜けな奴らか…」
「アデルの言う通り、例のあの人が力を失ってアズカバン行きを逃れた奴らだ。
あの人が戻ってくるとなったら僕らより奴らは怖いだろうね…
あの人を裏切ったも同然だからね」
「なら…闇の印を打ち上げた人は…」
「ヴォルデモートを裏切った者達へと示す為か、又は死喰い人を支持するためにやったか…
印を創り出した者がわからない今、それを追求する手立てはないわ。
ハリー、闇の印はデス・イーターだった者しか創れないの。
今回は貴方に危害がなかったからよかったけど、貴方は狙われていることを忘れてはダメよ?」
「わかった、気をつけるよ!
でもそれはリリスも同じだから、お互い気をつけないとね」
「僕が君を守るよ、リリス…
なんたって君は僕の大切な"幼馴染,だならね」
ハリーと話しているとノアが私を抱きしめ頬へと触れるだけのキスをし、それを見たジニーとハーマイオニーが"キャー,っと甲高い声で叫んだ
私は気づかなかったがジョージが怪訝そうな顔で見ていた…
「さて、紅茶も飲んだことだし私達はそろそろお暇するよ。
先程の騒ぎがフェニス先生の耳に入る頃だからね、ソルト馬車を持ってきてくれるかい?
アーサーお邪魔したね、リリス・ノア帰ろうか」
ソルトはアーサーさんに一礼するとその場から消え、どうやら乗ってきた馬車を取りに行ったようだ
「アーサーさんお邪魔しました、ハリーまた新学期に会いましょう!」
「うん、またね!」
ハリーへと手を振るとノアが私の手をぎゅっと握りテントの外の馬車までエスコートしてくれた
馬車に乗りアデルさん達と共にフレーベア邸へと戻ると、門からアンナが泣きながら飛び出してきた
「リリス様、お身体は大丈夫ですか!?
死喰い人が現れ闇の印が創られたと聞いたときは私の心臓が止まるかと思いました!」
「大丈夫だから泣かないで、ノアが守ってくれたから傷一つないわ」
「アデル、死喰い人達はさぞあの印を見て逃げ惑っただろう?
傑作ね、まぁあの印を打ち上げたのはクラウチのしもべ妖精でないのは明白ね。
まぁ貴方とハリーが無事でよかったわ、アデル・ノア・ソルト手間とらせちゃったわね」
「リリスに怪我なく私もよかったです、夜遅いので私達は失礼します。
今年はホグワーツで私の息子とも仲良くしてくれたら嬉しいよ」
「リリス、また新学期に会おうね!
ホグワーツで会える日を楽しみにしているよ」
「えぇ、ノア!
またホグワーツで会いましょうね」
手を振りノアはアデルさんと共に帰ったので私達は屋敷の中へと入り、アンナが温かい紅茶を淹れてくれた
「目もさえてるだろうし、お茶にでもするかしら。
リリス、貴方のクリスマスパーティー用のドレス用意してるからね。
ジョージとは別れたから貴方だれをパートナーにするつもりなの?」
「用意してくれてありがとう、ノアと行く約束をしたわ。
それよりもアデルさんとロンのお父さんが友人だと知って驚いたわ!
しかもノアがこの屋敷で過ごしているとき、アデルさんは病んでしまっていたと聞いたの…」
「アデルはスリザリンでアーサーとモリー・ルイーザはグリフィンドールでみんな同級生だったのよ。
ルイーザは先祖にかけられた"血の呪,が現れノアを産んだあと身体がもたなくて亡くなったのよ、ルイーザを心から愛していたアデルは心を病んでノアを育てることすらできない程だったから私が手を差し伸べたのよ。
一人も二人も育てるのは別に苦じゃなかったからね、アンナなんか貴方達を双子のように可愛がってたわよ」
「そうだったの、幼い記憶の中のアデルさんは今と変わらない感じだったから気づかなかったわ…」
「グラディスのジジイもあの時は私に泣きついてきたぐらいだからね。
まぁ前を向いて歩けるようになったから安心したわ!
二人とも綺麗だったからノアもイケメンな子に育ってよかったわ、あれはモテるわよ」
「そう言えばクラムとノアは親友だって言ってたわ、今日の試合を見たけどシーカーとして素晴らしい選手だったわ!
フェニス姉さんも観に来ればよかったのに」
「私は私で日本の温泉に遊びに行かせてもらってたからいいわ、温泉はいいよ!
肌がスベスベになって化粧のノリも違うわ!」
「リリス様、お土産の温泉プリンです。
美味しいのでお食べください」
アンナがトロトロの美味しそうなプリンを持ってきてくれたので手に取り、朝方までフェニス姉さんとアンナとの会話は尽きなかった…
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