別れ
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あれからあっという間に演奏会の日になり私は1人部屋で準備に取り掛かっていた
長い髪をサイドで結び少し緩く髪を巻き、いつもより濃いめに化粧をするとフレーベア姉さんの用意してくれたドレスを見に纏った
鏡に映る自分を見ると胸元が強調されたドレスに用意してくれていた煌びやかなダイヤのネックレスが引き立てて凄く素敵なドレスだった…
「現代に帰ったらフェニス姉さんにお礼を言わなきゃいけないわね」
パンプスを履いて部屋を出るとみんなもう大広間へと行ってしまったようで誰もおらず、私もスリザリンの寮を出て大広間へと向かった
歩いていると賑やかな歌と楽器の音が聞こえ、ホグワーツの生徒達の歓声が聞こえてきた
大広間の扉へと近づくと黒のドレスローブに身を包んで髪をかき上げたトムを見つけ側へと近づいた
「待たせちゃったかしら、今日は一段とカッコいいから女の子達が騒がしいわね」
「リリシャーロ以外興味はない、漆黒の髪に純白のドレスが引き立って一段と美しいね。
胸元が少し強調しすぎだがフレーベア先生らしいね」
「さすがスリザリンの美男美女、リリスにはやっぱりトムじゃないと無理だね」
アブラクサスがスリザリンの五年生の先輩とともに腕を組んで現れた
「エミリー・ノットよ、こんばんは。
リドルの隣にはフレーベアが相応しいってスリザリン生の中ではもっぱらの噂よ、さぁ中で踊りましょう」
白銀のしなやかな髪に深い緑色のロングドレスを着たアブラクサスのパートナーのエミリー・ノットに挨拶をすると4人で大広間へと入った
大広間にはさまざまな楽器を演奏者達に美味しそうな料理と氷の女神像の彫刻で幻想的な部屋へとなっていて、天井から降る淡いピンク色の結晶に見惚れていた
するとトムに腕を引っ張られ腰に手を当てたくさんの生徒と先生達が踊る中へと誘導された
「リリシャーロ、せっかくなんだ踊って楽しまないと」
「強引なんだから、でもそれに賛成!」
トムにリードされつつ演奏に沿ってトムとの時間を楽しんだ
こうやってヴォルデモートの貴方と時を過ごしてみて思ったのは現代では恐れられる魔法使いも学生のときは私と同じでただの子供ね…
顔よし学力よしダンスまで完璧とか女の子達にはモテモテね
踊りながら見つめているとそれに気づいたトムが私へと微笑み耳元で"僕に惚れたかい?,と囁いてきたのでわざと足を踏み、痛がっていたが何事もなかったかのように私は平然と演奏に沿って踊った
何曲か踊り少し疲れたのでトムが飲み物を取りに行ってくれた
私は壁にもたれ大広間で踊っているみんなやケーキを美味しそうに食べ鼻にクリームをつけディペット校長とアルバスが食べているのには思わず笑ってしまった
すると頬に冷たいグラスが当たり思わず"きゃっ,と甲高い声を上げ振り向くと飲み物を取って戻ってきたトムが笑っていた
「トムびっくりしたわ!」
「可愛い声を出すじゃないかリリシャーロ、ベリーとカシスのジュースにしたよ。
ここは人が多いから中庭に行こう」
グラス受け取った私はトムに手を引っ張られ中庭へと向かった
中庭には私達だけしかおらず噴水の側のベンチへと座ると自分の目の前にグラスを掲げ相トムと目を合わせるとジュースを飲んだ
「んッ、美味しい…
ジュースありがとう、トム。
それにしても貴方ダンスも上手だったのね」
「アブラクサスに教えて貰ったんだ、僕は孤児院出身だからダンスなんて教えてもらわなかったからね」
「そうだったの知らなかったわ…」
トムは孤児院出身だったんだ…
デス・イーターを引き連れ闇の帝王として君臨し何人もの人を殺した魔法使いってことしか私は知らない、過去に飛ばされたのは貴方に出会い貴方のことを知る為でもあったのかしら…
「ダンブルドアが僕の所へやってきて自分が魔法使いだと知り、今はホグワーツでの生活が最高さ。
それにあの日君と出会って僕はまた世界が変わったように感じた。
リリシャーロ…なんでかわからないが君が僕の前から居なくなるような予感がするんだ。
君はずっとホグワーツにいるよね?」
トムの言葉に私は思わず口を閉じ飲み干したグラスへと目をそらした
「フレーベア姉さんも言ってたけど私は本来身体が弱く外に出ることすら難しかったの、今回は体調がいいから特別にホグワーツの生徒として学ばせて貰っているから約束はできないわ…」
トムに引っ張られ抱きしめられた私の唇へとキスを押し付けると舌を入れ嫌がる私を離さないよう舌を絡ませてきた
濃厚な大人のキスに私は息ができず苦しんでいると左手の薬指が熱く痛みを感じ思わず太ももにガーターベルトに挿してあった杖を抜き取りトムへと突きつけた
「はぁ…はぁ…ッ…トム、一体何をしたの!?」
熱く痛みが感じる左手を見ると薬指に蛇の模様が描かれており、見覚えのある生まれたときからある蛇の指輪のような痣だった…
過去へと飛ばされたときは消えていたはず…
現代で私の薬指に蛇の指輪のような痣をつけたのはトムの仕業だったのね…
「キスの最中に酷じゃないかリリシャーロ、君は綺麗で人柄もいいからね。
僕以外の男性目を向けて欲しくないからそれは僕のものだって印さ、別に命に関わる魔法じゃないよ。
ただ君が僕の元からいなくなっても何処にいるかわかる魔法だから」
「なるほどね、束縛激しい男性は嫌われるわよトム…」
「魅力的なリリシャーロがいけないんだよ、僕以外見るのは許さない」
魔法をかけ満足そうにトムを私は睨むと中庭の向こう側に光る狐が座っているのが見え、過去へと飛ばされるきっかけになったあの狐に向かって走り出した
「リリシャーロ、どこに行くんだ!?」
呼び止めるトムを振り切り追いかけると私に気づいた狐は森の方へと向かってかけていくので逃したくなかった私は杖を振ったがきかず、仕方なくドレスの裾を持ち上げ全速力で走った…
すると大きな湖まで走ると光る狐は止まり私を待ち構えていた
「はぁ…はぁ…はぁ…
貴方魔法は効かないし、一体なんなの…」
ようやく追いついた私は息を整えつつ光る狐を捕まえようと手を伸ばそうとしたとき、追いかけてきたトムが"リリシャーロ!,と叫び思わず振り返った
「トム、私帰らなきゃいけないの…
だからお別れよ」
「やはり君はこの時代の者じゃないのか、フレーベア家に君の名はなかった。
アブラクサスが私に嘘を言ってきたから怪しんでいたんだ…
あの時姿現しのように突然君が現れたのはその変な動物の魔法のせいなんだね?」
「さすがトム、あんな嘘じゃ騙されないよね。
アブラクサスは悪くない、だから怒らないで…
貴方と出会えて楽しかった、それは本当よ。
でも貴方と私は異なる時間を生きているの…」
「リリシャーロは僕と生きるんだ!」
トムが杖を向け魔法を放ったが光る狐が私の肩に乗り魔法を打ち消したようで、トムは驚き私は杖を空へと向け"オブリビエイト,と唱えた
「さようならトム…」
「忘却呪文か…
リリシャーロ!僕は…忘れない…絶対にだ…」
トムへと別れを告げ私は光る狐を抱きしめ再び光へと包まれた…