過去への誘い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
"おい、大丈夫か!,
どこかで聞いたことのある声の主が私の身体を揺らし、頭がクラクラするがゆっくりと目を開けた
「意識はあるから大丈夫そうだな、その服からして君はホグワーツ生じゃないな…」
不思議な狐が口に咥えていた杖を何故かトム・リドルにそっくりな男性が手に持って、警戒しつつ私を見下ろしていた
「トム!?あの日記は破壊したからもう現れないはずなのになんで…」
トムが目の前にいることに驚いた私は上半身を起こしたがトムに首に杖を突きつけられたので両手を上げた
「君の事は知らないのに何故君が僕の名前を知っている?
君は一体何者だ…」
日記のときのように若く美男子のトムの背後から白銀の髪を長く三つ編みに編んだイケメンが手を振りながら現れた
「おーいトム、次の授業は休講になったからってこらこら美しい女性に杖を向けない!
美しいお嬢さん、とりあえず君はそのよくわからない服を直すべきだね。
そのピンク色の下着が私の目のやり場に困るからね」
少しルシウス・マルフォイに顔が似ているスリザリン生に言われて私の身体を見ると、着物がはだけてブラジャーとショーツが丸見えの状態になっていたことに気づき慌てて着物を直した
着物になれてないからはだけちゃってたわ、最悪…
それにしても一体どう言う事なの?
目の前にいるトムは日記の記憶のトムじゃない…?
私を知らないようだし…
夢じゃないし…
日本にいたのになんでホグワーツにいるのかしら?
あの不思議な狐のせいかしら…
とりあえずホグワーツにいるのならアルバスに会って話さなくちゃ!
頭の中で今の状況を整理していると警戒していたトムの気が緩み、突き出さしていた杖を下ろしトムはため息をついていた
「休講ならちょうどいい、アブラクサス。
ここで本を読んでいたらこの女が急に現れたんだ、ホグワーツは姿現しができないのにだ。しかも僕の名前を知っていた…」
「へぇ…それは興味深い…
お嬢さん、君の名は?」
「リリシャーロ・フレーベア、着物を着ているけどイギリス人で魔女よ。
私も貴方にお願いがあるわ、アルバス・ダンブルドア校長先生に今すぐ会わせてほしいのだけど?」
私の質問に銀髪のイケメンとトムは顔見合わせて困った顔をしていた
「校長はアーマンド・ディペットだよ、ダンブルドア先生が校長だなんて頭打ってるんじゃないかい?大丈夫?」
アブラクサスと呼ばれていた男は私の頭にケガがないか見てくれたがどこもケガしていなかったので、手を掴み私を立たせてくれた
ディペット校長は確かアルバスの前任の校長だったはず…
目の前に学生のトムがいるってことはもしかして過去のトムの学生時代に来ちゃったのかしら…!?
過去に戻れる"逆転時計"(タイムターナー),を使ってもいないのに…
もしかしてあの不思議な狐が原因かしら…?
とにかく戻る方法もわからないから、とりあえず今の校長とアルバスに話さなくてわ…
「怪しいと睨んでるのなら私の杖は貴方が持っていていいわ、でも今すぐディペット校長の元へと連れてってほしいの」
「フレーベア家の者か、あの"稀代の魔女,に顔も似ているし別に怪しくはないんじゃないかい?
困っているレディを無視するのは紳士としてどうかと思うよトム…」
「わかった、念のため杖は僕が持っておく。
ディペット校長の元へ君を連れて行くよ」
トムは私の杖をローブのポケットに入れるとアブラクサスの言い分を渋々受け入れ、二人は私をホグワーツの校長室へと案内してくれた
校長室に入ると若いアルバスとは大きな顎髭を生やしたディペット校長が椅子に腰掛けていた
「ディペット先生、ホグワーツ内で不審な女が姿現しで現れたのでお連れしました」
「リドルとマルフォイありがとう、ホグワーツ内では姿現しが出来ないはずじゃ。
それにまだ幼い君がその魔法を使えるとは思えん…
話を聞こう、小さなお嬢さん」
ディペット校長は杖を振ると私に温かい紅茶を出してくれた
「トム、杖は私が持っておくから出しなさい」
アルバスは持っていた私の杖を渡すようにトムに言い、先程とは違い素直にアルバスへと杖を渡していた…
「私はリリシャーロ・フレーベアと言います。
今からお話しすることはそこの二人には聞かせたくないので…申し訳ありませんが退席させていただきますか?」
私の言葉にトムは苛立ったようだがディペット校長は二人を部屋から出してくれたので、椅子に座りディペット校長とアルバスに過去から来たことを話始めた…
「私はこの時代とは違う時代から来ました、私は日本にいたんですがそこで光る狐を追いかけていたらこの時代に来てしまったようです。何故かはわかりませんが…
私はフェニス・フレーベアの孫でヒルデ・フレーベアの娘です、元の時代に私が帰れる方法はきっとあの不思議な狐が鍵かと…
でもまたいつ現れてくれるかは私にもわかりません」
私の話を聞いたディペット校長は長い髭に手を当てて何やら考え込んでいる様子だった…
アルバスは私の元へと進み私の頭をそっと撫でてくれた
「君の話を信じよう、髪の色は違うがフェニスに似ている。
校長、リリシャーロをしばらくホグワーツで預かってはいかがかな?
君もホグワーツ生なのだから時代は違っても君の居場所はある」
「ふむ、帰るためのその不思議な狐が現れるまでホグワーツの学生として学ぶのを許可しよう。
さて、あの二人とみなには何と説明しようかのう…」
アルバスの提案にディペット校長は頷き棚に置いてあったボロボロの組分け帽子を手に取った
「フェニス・フレーベアの親族でずっと日本の病院で入院していたが体調がよくなったのでこちらに短期入学するとでも言っておいたらよいかと。
本当の事は伏せるべきかと…
校長、ちょうどフェニスが来たようだ」
足音が聞こえ次の瞬間校長室の扉が勢いよく開き、赤いタイトな短いワンピースを着たフェニス姉さんが現れた
「ホグワーツに今すぐ来いってフォークスを差し向けたから来てあげたわよアルバス、ディペットじーさん」
「連絡をしてくれていたのか…
娘がおるのにすまんの、突然で驚くかとおもうが…
この少女は未来から来た君の孫じゃそうだ」
「へぇ〜、確かに私にそっくりね…
逆転時計を使わずに過去へと遡る魔法なんて聞いたことないわよ?
その話が完璧に信じられる訳でもない、貴方がフレーベア家の者だと証明できる?」
過去でも若いフェニス姉さんは私を少し警戒しているようだったので耳元で"ヒルデ・フレーベアはグリンデルバルトとの娘で貴方はあの日一度だけ寝て出来た娘ですよね?,と小さな声で伝えると、驚き納得してくれたようで警戒心を解いてくれた…
「この子の言う事は本当のようね、私とアルバスしか知らないあの事を知っているわ…
未来からね…
神隠しにでもあったのかしらね、日本は魔法とはまた違う不思議な現象も起こるみたいだし。
まぁフレーベア家の子なら私も一役買ってでてあげるわ。
貴方が未来から来たのならいつかは帰れるはずよ、しばらくホグワーツにいなさい」
「リリシャーロ、よかったの。
さぁ帽子に寮を決めて貰おう」
アルバスがディペット校長から組分け帽子を受け取り、私の頭に被せてくれた
「ふむ…フレーベア家の者が過去に誘われたか…
この時代に来たのには意味があるだろう…
君の寮は決まっている…
スリザリン!!」
スリザリンの名を聞いた瞬間フェニス姉さんは喜んでいたが、私はトムと同じ寮なので最悪だと落ち込んでいた…
過去のトムは知らないが秘密の部屋での出来事で私はトムに犯されたばかりなのだから…
向こうは知らなくてもこちらは気まずいよね…
「寮も決まったなら制服に変えなきゃね」
フェニス姉さんは杖を振ると私が着ていた着物を変えスリザリンのマークが入った制服とローブを着せてくれた
「今から全校生徒を集め君を紹介しよう、悪いがフェニスにもいてもらう。
リリシャーロは一人部屋にしておこう」
「ディペットじーさんの命令に従うわよ、リリシャーロ似合ってるわよ」
フェニス姉さんへとお礼を言いアルバスが私の杖を渡してくれたので、ローブのポケットへと杖をしまい大広間へと向かった…
広間には各寮の生徒達が集まっており、スリザリンのテーブルには先程会ったトムとアブラクサス座っていた
ディペット校長とフェニス姉さんの間に立っていた私と目が合った…
「ゴホンッ、皆に新しい生徒を紹介しよう!
リリシャーロ・フレーベアじゃ、昔ホグワーツで教鞭を取っていたフェニス先生の親族で病気で日本の病院にいたが体調が良くなってきたので短期的にホグワーツで学ぶことになった。
寮はスリザリンじゃ、仲良くしてあげておくれ」
「リリシャーロ・フレーベアです、リリスと呼んでください。
よろしくお願いします」
ディペット校長が説明してくれたので挨拶をし頭を下げた
「私の可愛い親族だから虐めちゃだめよ?」
フェニス姉さんが生徒達に釘を指すように言うと男子生徒が一斉に叫び目をハートにさせて喜び叫んでいた
「辞めたあとでもフェニス先生は人気者じゃな、さぁみな寮へと戻るがよい。
リリシャーロも行きなさい、トム!この子を頼むよ」
ディペット校長に呼ばれたトムは笑顔で返事をすると私の手を掴み、スリザリンの寮へと案内してくれた
玄関ホールから地下へと続く階段を降りて城壁に向かって合言葉を唱えると扉が出現し、地下室へと行くと大理石に囲まれ古代の城のような幻想的な空間が広がっていた
談話室には大きな黒革のソファーがありランプは緑色で統一され、窓は湖の内部に面していて水中人や大イカなどの生物が見えグリフィンドールとは違う空間に私は思わず見惚れていた
談話室に入った途端にスリザリン生のみんなから
"あのフェニス・フレーベア嬢と仲いいのかい?,
"親族だから似ているのね!,
"フェニス先生は辞めた今でも人気なんだよ!,と口々に話され、どうやらこの時代のフェニス姉さんはホグワーツ生に人気だったのだと感じさせられた…
「リリシャーロが困っているだろ、もう消灯時間だ。
みんな部屋に戻るんだ」
トムが手を叩きスリザリン生に言うと監督生でもないのにみんな素直に命令を聞き部屋へと帰り、談話室にはトムと先程出会ったアブラクサスがソファーへと優雅に座ってトムは私を寮へと行かせないように腕を掴んでいた
「君がフレーベア家の親族なのはあの女が証明したが、何故見ず知らずの君が僕の名を知っていたのか説明してくれるんだろうな?」
学生とは言えさすが未来の闇の帝王…
まぁ納得する訳ないわよね…
「フェニス姉さんが貴方がホグワーツ生の中で秀才だとよく話してくれていたわ、ダンブルドア先生とは友人だから写真で貴方を見たことがあったから顔を知っていたの」
「フェニス・フレーベアとダンブルドア先生は学生のときからの友人だ、別に怪しい点はないが?」
アブラクサスは私の話を信じてくれていたがトムはまだ私を怪しんでいた…
「何故あのときフェニス・フレーベアと一緒にいなかった?」
「ホグワーツを見て探究心に火がついてしまってフェニス姉さんと迷子になってしまったときにトムに出会ったの。
今日は疲れたからもう休ませてもらうわ」
トムの掴んでいた腕を振り払うと女子寮へと向かった…
部屋へと入った私はベットへとダイブし枕へと顔を埋もれため息を吐いた…
ふと左手へと目を向けると生まれつき左指に指輪のように蛇のような痣があったはずなのに何故か過去にきてから消えていることに気がついた…
「過去に飛ばされ左指にあったはずの痣が消えてる…
何か関係があるのかしら?
日記のトムがあの時代に生まれていなかった私を見て私をリリシャーロ・フレーベアと認識したのはもしかして今のこの現状が原因なのかしら…
はぁ…訳がわからないわ…」
どうして過去へとやってきたのか紐解いていこうとしたが疲れたのもあっていつの間にか寝てしまった…
私が寮へと戻ったあと…
「君が特定の女性に興味を持つなんて珍しいね、確かにリリシャーロは美人だが何かまだ気になることがあるのかい?」
「なんでかわからないが気になる…
それに絶対アレは姿現しのように急に現れた、あの女は何か隠してる」
「まぁフレーベア家の者だから魔力は高いだろうけど、才能までは見てみないとわからない。
気になるなら様子を見てみればいいさ」
「そのつもりだアブラクサス、あの女何か隠しているからね…」
トムとアブラクサスの二人がこのような会話をしていたなど疲れて寝てしまった私は知る由もなかった…