クロの正体
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朝早く目が覚めた私はロゼに肉とフルーツが入った籠を持たせクロに届けるように伝えると制服へと着替えた
するとハーマイオニーも目が覚めたようで二人で試験の為に一緒に少し勉強した
ハリー達と朝食を食べ終え朝からビッシリ試験がつまっていた…
変身術・呪文学・魔法生物飼育学・魔法薬・天文学・魔法史・薬草学・防衛術では障害物競争のような今まで受けたことのない試験で、グリンデローやレッドキャップ・ピンキーパンクをかわし最後はボガートが現れた…
授業でボガートと対面してなかった私は自分自身が一番何が怖いのかわからなかったので何がでるか少し緊張しながらトランクを開けた
するとボガートはボロボロの私の姿に変わった…
「なるほどね、何もできず弱い自分が一番怖いってわけか…
フフッ、もっと強くならなくちゃいけないわね。
リディクラス!」
呪文を唱え杖を向けると私の姿からクマのぬいぐるみへと変えると試験会場から出た
そして最後の試験である占い学へとハリーとロンと共に受けた
ハリーの次が私だったのだが名前を呼ばれたので部屋に入ると鞄を持ったハリーと入り口で出会ったのだが、トレローニー先生から荒々しい太い声がでて私もハリーも思わず驚き立ち止まった
「ことは今夜起こるぞ…
闇の帝王は夜もなく孤独に朋輩に打ち棄てられて横たわっている、その召使いは十二年間鎖に繋がれていた。
今夜真夜中になる前、その召使いは自由の身
となりご主人様のもとに馳せ参じるであろう。
闇の帝王は召使いの手を借り、再び立ち上がるであろう…
以前よりさらに偉大により恐ろしく…
今夜だ、真夜中前…
召使いがそのご主人様のもとに馳せ参ずるであろう…」
トレローニー先生はガクッと頭が下がり呻くような声を出すと勢いよく頭が上がり何ごともなかったかのように私たちへと咳払いした
「ゴホッ、ごめんあそばせ。
さぁさぁお入りになって、フレーベア!」
「トレローニー先生、先程様子が違ってましたが大丈夫ですか…?」
先程のトレローニー先生はいつもの先生ではなかった、まるで何か別の感じ…
まさに未知なる予言者のようだった…
私は心配して先生へと問うと"大丈夫ですわよ,と先程のことを覚えてないのか椅子に座り水晶を磨いていた
「先生がさっき闇の帝王が再び立ち上がりその召使いが帝王の元に戻ると言ってました…」
「ポッター、"名前を言ってはいけない人,が再び立ち上がるなど冗談でも言ってはいけませんわ。
暑さで坊やも頭がパーになっているのでわ?
あたくし、そこまでとてつもないことを予言するほど厚かましくございませんことよ!
フレーベアの試験がありますから出て行きなさいませ!」
私もハリーも先程の予言を先生が無意識に言ったのだと悟り、目で"早く出ていくべきよ,とハリーに伝えると教室から出ていった
私は椅子に座ると水晶玉を覗き込んだ…
「フレーベアはあのイツキ・ヤマトの子ですからきっと"内なる目,で見えるはずですわ!」
父はその時代の中では有名だったようだが、母もグリンデルバルトの血が流れているからそういった力があったようだけど…
今まで私自身は見えたことないからわからないのよね…
じーっと眺めていると水晶玉の中に黒い渦が立ち込めだした…
だがその中央で一筋の光が現れ黒い渦は消え去り、そこにはパトローナスを完全に使いこなし牡鹿を出しているハリーが映っていた…
「黒い渦はおそらくディメンターかしら…
ハリーがパトローナスを唱え牡鹿を出して祓う場面が映ってます」
「まぁまぁ!素晴らしい、さすがフレーベアですの!
試験は終りにいたしましょ」
トレローニー先生は私の見たものを羊皮紙に走り書き、私は鞄を持つと教室を出た…
ハシゴを降りて螺旋階段を下りながら先程のトレローニー先生の予言について考えていた…
いつものトレローニー先生は正直言って才能ゼロの先生なんだけど、あれはわざとでもなく突然身体に何かが降りたったような感じだったわ…
あの予言がもし本当なら、今夜何かが起こるやね…
大広間へと向かうとハリー達は先に夕食を食べていた
「リリスお疲れ様、さっきのトレローニー先生はなんだか変だったよね…」
「いつものトレローニー先生ではなかったわね、もしあれが予言なら今夜何か起こるわね」
「何が起こるかなんて明白よ、バッグビーグが負けたから処刑されちゃう…」
ロンの隣にいたハーマイオニーが涙目で私にハグリッドからの手紙を渡してきた
"控訴に敗れた、日没が処刑だ。
お前さん達にできるこたぁなんにもねえんだから来るなよ、お前さん達には見せたくねぇ…,
ハグリッドの手紙を読んだ私は罪のない魔法生物への処罰に助けられない自分に悔しくて思わず唇を噛んだ…
「一番悲しんでいるのはハグリッド、友人を一人になんてさせれないわ」
「さすがリリス、僕らと同じ考えだ!
まさかのハーマイオニーがマントを取りに行ってくれたんだぜ!」
ロンの言葉に真面目なハーマイオニーからしたら信じられない行動に驚きつつホットドッグを齧り付いた
「だってハリーじゃスネイプ先生に怪しまれちゃうでしょ、仕方なくよ」
「最近のハーマイオニーは狂ってるよ、マルフォイを引っ叩くしトレローニー先生の授業を飛び出すしさ」
「勉強のやりすぎよ、試験も終わったし少しはのんびりできるからいいんじゃない?
さぁ夕食を食べ終わったらハグリッドの所へ行きましょう!」
夕食を食べ終えた私達はグリフィンドールの塔に帰らず誰もいない小部屋に隠れるとみんながいなくなるのを確かめ透明マントを被るとこっそりハグリッドの小屋へと向かった…
小屋をハリーがノックするとハグリッドがドアを開けてくれたので部屋に入ると透明マントを抜いだ
「お前さん達か、見えなんだったから驚いたぞ。
来ちゃなんねぇだろうが!」
私達を見たハグリッドは急いで扉を閉めた
「ハグリッド、力になれなくてごめんなさい」
「リリスが謝ることはねぇんだ、お前さんが医務室で倒れている時に魔法省に手紙を出してくれとったのは知っちょるから。
ルシウス・マルフォイが連中を脅したんだ…
ダンブルドア先生もバッグビーグの為に動いてくださったが無理だった」
ハグリッドは涙ぐみながら震える手で私達に紅茶を淹れてくれた
「バッグビーグはどこにいるの?」
「あぁ、俺のカボチャ畑さ。
あそこに繋いでやったんだ、新鮮な空気を吸わせてやりたかったからな…
お前さん達に見せたくねぇ…
それにここにはファッジやダンブルドア先生が来る、許可なく外にいるのが出てるのがバレたら…
ハリーとリリスは特にまずい、おっとそういやこいつを渡すのを忘れておった!」
ハグリッドは戸棚にらあった箱からスキャバーズを出すとロンへと渡した
「スキャバーズ!!生きてたのか!!」
「ちゃんと飼い主なら見張っとかないとな」
「ちょっと誰かに謝るべきなんじゃない?」
「あぁ今度クルックシャンクスに会ったら謝っとくよ」
「私によ!リリス、ロンの態度どう思う!?」
「まぁ見つかったからよかったじゃない、スキャバーズが見つかったんだから喧嘩しないで」
また喧嘩しそうだった二人を宥めていると急にハグリッドが立ち上がり窓の向こうに釘付けになった
「連中が来おった、お前さんらはここにおったらいかん!
裏口から出してやる!」
ロンは手の中で暴れるスキャバーズをポケットに押し込むと私達は裏庭へと出た
「でもハグリッド!!」
「ハリー、気持ちは嬉しいが早くマントを被って行くんだ!」
ハリーは仕方なくみんなにマントを被らせるとカボチャ畑に繋がれているバッグビーグを見た…
そのときハグリッドの小屋を誰かが叩く音がしたのでバレないようにそっとその場から離れた
城へと向かう芝生を登ったときハグリッドの小屋へと目を向けるとドサっと斧が何かを斬る音が私達の耳に入った…
ハーマイオニーはガタガタ震え"信じられない,とショックのあまり目から涙が溢れていた…
透明マントの中で泣いているハーマイオニーをそっと抱きしめた
「リリス、どうして…
あの人たちはこんなことができるの…」
「本当…
罪のない魔法生物を殺すなんて酷すぎるわ…」
「痛ッ!このバカネズミめ!
じっとしてろって…アイタッ!
こいつまた噛みやがった!!」
「ロン、静かにしないと!
ファッジ達に気づかれちゃうわ!」
泣いていたハーマイオニーがあまりにもロンが騒ぐので泣くどころではなくなったのか怒っていた
「まったく、こいつめ!
一体どうしたんだ?
スキャバーズ!ダメだ!!」
ロンの手からすり抜けたスキャバーズを草むらから飛び出してきたクルックシャンクスとセルロッタが追いかけたのだ
「だめよ、クルックシャンクス!」
「セルロッタ!?」
透明マントからロンは飛び出し、ハーマイオニーと私とハリーもロンを追いかけた
ロンはスキャバーズを無事に捕まえたようだが足元にいたクルックシャンクスとセルロッタが牙を剥いて威嚇していた
「捕まえた!!
お前達向こう行けよ!!
スキャバーズは食べさせないぞ!」
ロンが二匹の猫に向かって怒り散らしていたので私達はロンの元へと走っていると背後から何かがジャンプした
それがセルロッタの友人のクロだと気づいたのはロンの腕をクロが噛み付いたときだった
「クロ!?」
「うわぁ!?ハリー!リリス!ハーマイオニー!!
助けて!!」
咄嗟に杖を出せずロンはクロに咥えられ、暴れ柳の根元の穴へと引きずって行ってしまった…
「ロン!!」
「ハリー、危ない!!」
杖を出し真っ暗な中光を照らすと太い枝がハリーを投げ飛ばした
「痛ッ…くそッ、早くロンを助けないと!
リリス、さっきの犬を知ってるの!?」
「ハリー大丈夫!?
あの犬はセルロッタの友達で私がクロと名前をつけてあげたの、まさかロンに襲い掛かるなんて…」
「話は後よ、暴れ柳をどうにかしないとロンの元へ行けないわ!」
倒れていたハリーを立ち上がらせると、横にいたハーマイオニーは攻撃してくる枝をどうするべきか悩ませていた
するとクルックシャンクスとセルロッタが殴りかかる枝の間をすり抜け木の節の一つに前足を乗せたると暴れ柳は動きを止めた
「クルックシャンクスもセルロッタもあの犬の仲間か…
行こう、ロンを助けないと!」
ハリーは根本の穴へと入ったので私とハーマイオニーも続いて入り、クルックシャンクスとセルロッタも私達の跡をついてきた…
長く狭い通路を通るとようやく穴から出て、壊れかけの部屋へと出た…
なんだか見たことのある屋敷だと思ったらホグズミードの叫びの屋敷の中だと言うことに気づいた
「ここ叫びの屋敷の中だわ…
一体ロンはどこかしら?」
「どうやら私達の猫が行き先を知っているみたい…」
足元を歩いているクルックシャンクスとセルロッタは私達の前を歩き廊下を飛び出すと壊れた扉の部屋へと向かったので、私達は警戒しつつ着いていくことにした…
埃まみれの部屋へと入るとくたびれたソファーに血だらけの手でスキャバーズを握りしめていたロンがいた
ハーマイオニーはすぐさまロンへと抱きつき、ハリーと私も駆け寄った
「ハリー、リリス!これは罠だ!
あいつが犬なんだ…
あいつは…アニメガースだった!!」
ロンは私とハリーの背後を指差し震えていたので私達は振り向くとドアの影の中に立っている男に気がついた
それはあのシリウス・ブラックだった…
まさかクロの正体がシリウス・ブラックだったとは思いもしなかった私は驚き動くのが遅かったため、シリウス・ブラックがロンの杖でエクスペリアームスを唱え私とハリー・ハーマイオニーの杖を奪い取られてしまった…
「君達なら友を助けに来ると思った、君の父親も私のためにそうしたに違いない…
君のおかげで飢えずにすんだ、礼を言うよリリシャーロ…」
「まさかクロの正体が貴方だとは思いもしなかったわ、警戒心の強いあの子が貴方と仲良くしていたからご飯をあげていただけよ…
杖がないからって見くびらないで頂戴…」
杖を取られてしまった私はハリー達の前でアニメガースで白豹へと変身し、ハリー達を守るかのように前に出てシリウス・ブラックへと威嚇した…
「リリス、貴方アニメガースに変身できるの!?」
「白い豹…
僕が一年生のときヴォルデモートから助けてくれたのと一緒、あれはリリスだったのかい!?」
ハーマイオニーとハリーは私の変身に驚いていた
「君の母親のヒルデは黒豹だった、懐かしいな…
今夜はただ一人殺す…」
「誰も殺させはしない!」
後ろにいたハリーがシリウス・ブラックに飛びかかり何故か抵抗することなくハリーに首を絞められ笑っているのを見た私は違和感を感じ変身を解いた
床に押し付けたシリウス・ブラックから奪い返した杖を私とハーマイオニーに手渡すと、自分の杖をブラックへと向け睨みつけていた
「お前は僕の両親とリリスの両親を殺した!」
「ハリー…私を殺すのか?
しかし君がすべてを知ったら…」
「すべてだと?
お前は僕の両親とリリスの両親をヴォルデモートに売った!
それだけ知ればたくさんだ!!」
「聞いてくれ…
聞かないと君達は後悔する…
お願いだ、話を聞いてくれ…」
「お前が思っているより僕はたくさん知っているんだ、お前は聞いたことがないだろ?
僕の母さんとリリスの母さんのあの叫びを…」
ハリーがこんなにも怒っている姿を見たロンとハーマイオニーは驚き、私もどうするべきか動かずにいるとクルックシャンクスとセルロッタがブラックの胸の上にジャンプし飛び乗ったのだ
まるでハリーの攻撃からブラックを守るようにするその姿に、私はやはり確信した…
私に危険がないからシリウス・ブラックと知りながらセルロッタは仲良くなったんだわ!
フェニス姉さんの言葉も気になる、本人も何かを伝えたいようだし…
ここは話をシリウス・ブラックの話を聞くべきだわ…
私はアニメガースの変身を解いた
「ハリー、落ち着いて!
私に危険があるならセルロッタはシリウス・ブラックに牙を剥くはず…
それに何か知ってるようだし、話を聞くのもいいんじゃないかしら?」
「僕と君の両親を殺した奴と話なんてするわけないだろ!?」
「前にも言ったはずよ、私は自分の目で見たものしか信じないって…
シリウス・ブラックが本当に私達を殺したいのならチャンスは何度もあったでしょ!?
聞く価値はあると思うわ!」
私を睨みつけるハリーを説得するため目を逸らすことなく話しかけていると誰かが階段を上がる音が聞こえた
「ここよ、私達は上にいるわ!
シリウス・ブラックよ!早く!!」
ハーマイオニーが急に叫びドアが勢いよく開くとリーマスがハリーの杖にエクスペリアームスを唱えた
するとハリーへシリウス・ブラックから退くように杖を向け杖を奪われたハリーはハーマイオニーと私の側へと走り、リーマスは倒れていたシリウス・ブラックを起き上がらせるとお互いに抱き合っていた…
「奴を見つけた!ここにいる!!」
「あぁ、わかっている…」
「なんてことなの!?
信じてたのに…先生はその人とグルなのね!
私…誰にも言わなかったのに…
先生は…先生は狼人間なの!!」
ハーマイオニーが叫んだ瞬間、ハリーとロンは驚いたがリーマスの事を知っていた私は驚きはしなかった
「私が狼人間であることは否定しない…」
「僕に近寄るな、この狼男め!!」
リーマスはソファーに座っているロンを心配し近づこうとしたのだがロンが叫び、その言葉に私は許せず杖をロンへと向け睨みつけた
「ロン、さっきの言葉は私の友人のリーマスに言った言葉かしら…?
リーマスはなりたくてなった訳じゃないのよ、もし貴方の大切な人が噛まれて狼人間になったとき同じようにさっきの言葉を言えるのかしら!!」
「なんでリリスが怒るんだよ!!
狼男と友人ならリリスもそいつらの仲間なんだな、この裏切り者!!」
ロンの顔へと杖を振ると後ろにあった壁が木っ端微塵に切り刻まれ壊れ、ロンは恐怖のあまりガタガタ震えていた
「ロナルド・ウィーズリー、私は言ったわよね…
私の大切な友人を侮辱するなと…
その閉じない口をあの壁のように切り刻んであげましょうか?」
「リリス、僕の為に大切な友人に杖を向けるのはやめなさい…
ハーマイオニーはボガートが変身したものとスネイプ先生の授業で気づいたんだだね。
リリスの言っていた通り、君は賢い魔女だよ」
「リーマスも私にとっては大切な友人の一人よ、怒らずにいられるわけないでしょ!」
「ほら落ち着いて、リリス。
私はシリウスの手引きはしてない、説明するから話を聞いてくれないかい…ハリー!」
リーマスは奪い取ったハリーの杖を返し自分の杖をベルトに挟むと丸腰だと手を上げハリー達に話を聞くように説得した…
「ブラックの手助けをしていないなら…
どうして居場所がわかったんですか!」
「忍びの地図さ!
私はあれを作った一人でムーニーだよ」
ハリーはそのことに驚愕していた
「私は君達がこっそり城から抜け出すのを地図で見た、透明マントを被っていても忍びの地図には顕れるんだよ。
ハグリッドの小屋からでて来た君達の他にもう一人いたんだ、私は目を疑ったよ!
ロン、ネズミを見せてくれないか?」
「僕達以外誰もいなかったさ!
なんだよ…スキャバーズになんの関係があるんだ?」
「大ありだ、頼むから見せてくれないか?」
ロンの手の中で暴れるスキャバーズをクルックシャンクスとセルロッタは威嚇するように鳴き叫んだ
「それはネズミじゃない、魔法使いさ…
アニメガースだ、名前はピーター・ペティグリュー…」
リーマスの言葉にハリー達は驚き私はスキャバーズを見つめ考え込んでいた…
「馬鹿馬鹿しい、ピーター・ペティグリューは死んだ!
こいつが十二年前に殺した!!」
「だがこざかしいピーターに出し抜かれた!
今度はそうはさせない!!」
「待ってくれ、みんなに説明しなければ!!」
スキャバーズに襲いかかろうとしたシリウスをリーマスが止めた
「もし…ピーター・ペティグリューがアニメガースならみんなそのことを知っているのでは?魔法省が記録していて登録簿には7人しかアニメガースがいなかったはずです…」
「正解だ、ハーマイオニー…
だがリリスはどうかな、未登録のアニメガースだろ?
私が学生時代、未登録のアニメガースが三匹ホグワーツを徘徊していたことを知らなかったのだよ。
話はすべてそこから始まる…」
リーマスは自分が噛まれた幼い頃の話をし始め、そして学生時代にセブルスが暴れ柳でハリーのお父さんが助けた話を聞かせた…
するとリーマスの背後から"その通り,と声がしたと思ったら透明マントを脱ぎ捨て杖をリーマスに向けるセブルスが現れた
「暴れ柳の根元でコレを見つけましてな、ポッター役に立った。
君の部屋に行くと君の机の上の地図を発見したのだよ…
我輩は校長に繰り返し進言したが…
君が旧友のブラックを手引きし城に入れるとわ、これがいい証拠だ…
この古巣を隠れ家に使うとはさすがの我輩も夢にも思い付かなかった」
「セブルス、君は誤解している!
説明させてくれ、シリウスはハリーを殺しに来たのではない!」
「今夜またアズカバン行きが二人でる、ダンブルドアがどう思うか見物ですな…
ダンブルドアは君が無害だと信じきっていた、わかるだろ?
飼い慣らされた人狼さん…」
二人の会話を黙って聞いていたがセブルスの"人狼,と言う吐き捨てられた言葉に私は瞬時にセブルスへと杖を向けた
「セブルス、私の大切な友人になんて事を言うのかしら?
セブルスでも言っていいことと悪いことがあるわよ…」
「ほう…我輩に杖を向けるとは…
君はポッターを守るのではなかったのか?」
「ハリーはこの命に変えても守るわよ、けど今はリーマス達の話を聞くべきだと理解しているわ。
話の邪魔をするのなら貴方に攻撃しなければならないのだけれど?」
「ヒルデの娘でフェニス先生の孫だからと、少し思い上がっているぞ。
我輩に勝てると思っているのか…?」
「別に思い上がってないわよ、本気でやり合ってセブルスが平伏す姿を見るのもいいわね」
本気でやり合う覚悟の私に気づいたハーマイオニーは少し落ち着きを取り戻したようで、セブルスへと話を聞いていいのではと提案していた
「あの…スネイプ先生…
リリスの言うとおり…
話を聞いてもいいのでは?」
「ミス・グレンジャー…
君らは許容されている境界線を超えた、しかもお尋ね者の殺人鬼や人狼と一緒とは…
少し黙っていたまえ!」
「でも、もし誤解だったら…」
「だまれ、このバカ娘!
わかりもしないことに口を出すな!!
復讐は蜜より甘い、お前を捕まえるのが我輩であったらどんなに願ったことか…
我輩が人狼を引きずっていこう、吸魂鬼がこいつにキスをしてくれるかもしれん…」
私の大切なハーマイオニーとリーマスを侮辱した瞬間、"エクスペリアームス,の呪文を唱えセブルスは吹き飛んで壁に激突すると血を流しながら床へと気絶した…
「こんなこと君達がしてはいけなかった、私に任せておくべきだった…」
「貴方に任せたらそれこそセブルスは聞く耳を持たないわよ、それにしてもまさか三人まで攻撃するとは思わなかったわ」
私以外にハリー・ハーマイオニー・ロンがセブルスの杖を奪おうとしたので、魔力の威力が凄すぎたようで壁には大きな穴が空いていた
「リリス、ハリー…ありがとう!
ロン、ピーターを渡してくれ。さぁ…」
リーマスはロンにスキャバーズを渡すように伝えたがギュッと渡さないように握りしめていた
「ロン、スキャバーズをよく見て。
指が一本ないわ…
フェニス姉さんの話ではピーターは指一本しかその場になかったと…
それに十二年も生きれるネズミをなんてこの世にいないわ」
「リリスの言うことは正しい、あいつは私が追い詰めたとき…
"私がジェームズとリリー・ヒルデとイツキを裏切った叫ぶと道路を吹き飛ばしてその場にいた人間を殺しネズミに変身すると下水道に逃げ込んだ…」
「嘘だ!
リリスのご両親と僕の両親の…
ブラックが"秘密の守人,だった!!」
「私が殺したも同然だ…
最後の最後になってあの四人にピーターを守人にするように勧めたのは私だ…
私が悪いのだ…
二人が死んだ後ピーターの隠れ家に行く手筈になっていた、だが胸騒ぎがした私は行くともぬけの殻だった。
しかも争った跡がなくすぐに君達のご両親の所へ向かった、家が壊された四人が亡くなっているのを見てピーターが何をしたのかを…」
ハリーの罵声にシリウス・ブラックは涙を流しながら話し、リーマスはそんな彼の背中を優しく撫でた
「それを証明する道はただ一つ、そのネズミをよこすことだ。
もし本当にネズミだったら魔法で傷つくことはないから安心してくれていい…」
リーマスの話を聞いたロンは納得しスキャバーズを手渡し、シリウス・ブラックはセブルスの杖を拾うとスキャバーズに向けた
二人が三つ数えて杖を振ると青白い光が迸り、薄汚れた太った男が現れた…
セルロッタとクルックシャンクスは毛を逆立てて威嚇し、スキャバーズが男に変身したのでロンは驚いていた
「やぁピーター、しばらくだったね。
ジェームズとリリー・ヒルデとイツキが死んだ後、何が起こったのか今話していたんだが君はキーキー喚いたから細かい所を聞き逃したかもしれないな…」
杖をピーターに向けたままあの優しいリーマスが笑いながら黒いオーラを放ち、ピーターはビクビク震えていた
「君はブラックの言う事を信じたりしないだろうね?
あいつは私を殺そうとしたんだ!
ハリー…ハリー…君はお父さんにそっくりだ!
リリス…君はヒルデに瓜二つだ、優しく聡明な君ならわかってくれるだろ?」
ピーター・ペティグリューがハリーに近づこうとしたので咄嗟に私はハリーを守るように間に入ると杖を向けた
「ハリーとリリスに話しかけるとはどういう神経だ!?
ハリーとリリスに顔向けできるか!
両親の話をするなんてどの面下げてできるんだ!?」
シリウス・ブラックが怒りながら杖を向けるとピーターは壊れたピアノの側に逃げたがリーマスが逃さないように挟み込んだ
「君がジェームズとリリー・ヒルデとイツキをヴォルデモートに売ったんだ!」
「そんなつもりじゃなかったんだ、でもあの恐ろしい闇の力の前では…
シリウス、君なら抗えたか?」
「友を裏切るくらいなら死ぬべきだった!」
シリウス・ブラックは叫ぶとピーターが壊れたドアから逃げようとしたので咄嗟に私とハリーは逃さないようにドアの前に立った
「ハリー、リリス…
君の両親達なら私が殺されることを望まなかっただろう、きっと私に情けをかけてくれただろう…」
ピーターが私達に赦しを求めてきたがシリウス・ブラックとリーマスが引き離し杖を向けた
「ヴォルデモートがお前を殺さないなら我々が殺す!!
さらばだピーター…」
「やめて!!」
二人がピーターを殺そうとしたときずっと黙っていたハリーが駆け出し、ピーターの前に立ち塞がったので私は驚いた…
「殺してはだめだ、殺しちゃいけない…
こいつを城まで連れて行こう、吸魂鬼に引き渡すんだ!
こいつはアズカバンに行けばいい…殺すことだけはやめて!」
「ハリー、最高な選択だわ。
ピーター・ペティグリューを連れて行けばシリウス・ブラックは無罪になる、貴方にとっても私にとってもそれがいいと思うわ…」
「君達はなんて慈悲深いんだ…
こんな私に…ありがとう…」
「お前の為じゃない、僕の両親とリリスの両親は…お前みたいな者の為に二人が殺人者になるのを望まないと思っただけだ…」
ハリーの言葉を聞いたリーマスとシリウス・ブラックは互いに顔を見合わせると、リーマスが細い紐を杖から出しピーターを縛った
「念のために縛り上げるだけだよ、私が繋がっておこう…」
「僕も手伝います!」
片足をケガしているロンが手を上げシリウス・ブラックが手錠を取り出すとピーターの両腕をリーマスとロンの腕と繋げ逃げないようにした
セブルスは気絶しているだけだったので、私は攻撃してしまった申し訳なさに"モビリコーパス,と唱え身体を浮かせ城まで連れて行くことにした
クルックシャンクスとセルロッタが先頭を歩きそれに続いて私達も抜け道を通り暴れ柳の穴まで戻ってきた
「そのハリー…リリスに聞いたかもしれないが…
私は君の名づけ親でもあるんだ、つまり…
君の両親が私を後見人に決めたんだ。
もし…君が叔父さんや叔母さんと一緒に暮らしたいというなら無理だが…
私の汚名が晴れたら…君がいいのならなんだが…」
「え…?貴方と暮らせるの!?
住む所はありますか!?
僕はいつ引越っせます!」
ハリーに断わられると思っていたシリウス・ブラックはまさかの返答に驚き、先程まで怖かった顔が笑顔になり輝いていた
「ハリーにとっては最高な話だわね、なおさら殺さなくてよかったわね」
「最高だよ!
リリス…さっきは君に酷い態度を取ってしまった…
それに君は…ずっと僕を助けてくれてたんだね!
一年生の時、禁じられた森で白豹に助けられた、あれは君だったんだね!」
「あの時はほら、ハリーと喧嘩してる時だったから側にいれなかったでしょ?
だからアニメガースで変身してたの。
謝らなくて大丈夫よ、ちゃんと話聞いてくれたしそれでお互い様よ。
友人の貴方達に杖を向けてしまったし、あの時はリーマスの事を悪く言われてキレちゃったの。
ごめんなさい」
ハリーと仲直りした私はハリーにとってシリウス・ブラックが名づけ親で無実だった真相を知りお互い喜んだ
外に出ると校庭はすでに真っ暗で暗い中を城に向かって歩いていると急に雲が切れ満月の月明かりが私達を照らした
リーマスがふいに立ち止まり手足が震え始めその場に蹲り、今日の脱狼薬を飲んでいないことに気が付き叫んだ
「リーマスは脱狼薬を飲んでないわ!
みんなリーマスから離れて!!」
「逃げろ!早く!!
私に任せて逃げるんだ!」
ロンがピーター・ペティグリューとリーマスと手錠で繋がれたままだったので助けようとしたが、シリウス・ブラックが私達をリーマスから守るように飛び出した
リーマスは頭と身体が伸び毛が見る見る生えて手は鉤爪が生え狼人間へと変身し手錠を捻じ切っててしまい、ハリー達は恐怖で体が震えていた
すると狼に変身したリーマスがこちらに気づき吠えた瞬間、シリウス・ブラックがクロに変身しリーマスの首に食らいついた…
二匹の牙と爪を使った戦いに私は目を奪われていたのでペティグリューがリーマスの杖を奪ったことに気がつかず、ロンが爆発とともに地面に倒れた
「ロン!エクスペリアームス、武器よ去れ!」
ペティグリューに杖を向けるとリーマスの杖が空中を舞い、その瞬間ペティグリューはネズミに姿を変え草むらの中へと逃げ出した
「リリス、あいつが逃げた!
ペティグリューが変身した!!」
「ロンしっかりして!
ちッ、あのネズミ!」
倒れたロンを抱きしめていた私はハリーの叫び声で気づいたが動けず、セルロッタが草むらの中へと飛び込み追いかけて行くのが目に入った
「私じゃ治療できないわ、シリウスはどこに行ったの!?」
振り返るとリーマスが森に向かって逃げ出して走る姿が目に入り、クロに変身しているシリウスは血を流しながら校庭の方へとふらつきながら走って行った
半目のロンを魔法で浮かせるとハリーとハーマイオニーの手を握った
「ピーター・ペティグリューをセルロッタが追いかけてる、私は変身してあいつを探し出すから貴方達はロンとセブルスとシリウスを連れてダンブルドア先生の元に行くのよ!
たぶんリーマスは森に向かって行ったから大丈夫だと思うけど、念のために出会ったら逃げる事!いいわね!!」
二人の返事を聞く前にアニメガースで白豹へと変身すると草むらの中を駆け出し、セルロッタを追いかけてた…
森の中へと入るとセルロッタが蹲っていたので変身を解いて抱きしめた
「セルロッタ、あのネズミにやられたのね…
可哀想にペティグリューに蹴られたようね、追いかけてくれてありがとう。
でも森から出た方がいいわ、狼になったリーマスがいるから…」
どうやらお腹を蹴られたようで杖を振り治してやると歩けるようになり喜んでいたが振り向くと背後に狼になったリーマスが私をじっと見ていた
瞬時に変身しリーマスへと唸ると狼になったリーマスは私と分からず鋭い爪で引っ掻いてきたので避けると、蹴りを入れられると私は吹き飛ばされ木にぶつかり口から血を吐いた
ッ…なんて力なの…
側にいたセルロッタへと噛みつこうとしたのので痛い身体を動かしリーマスの腕へと噛み付くと殴られ、頭から血を流しつつももう一度噛みつき爪を脚へと突き刺さすとリーマスはその場から逃げ出した…
ようやく安心した私は変身を解くと肋骨が折れているのか息をするのも痛く、頭を打った衝撃で目が霞その場で気を失ってしまった…