返事と告白
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翌朝まだ眠い瞼を擦りながら着替えて大広間へと向かうと、何故かいろんな寮生が私を見ては笑い何かを言っているようだがお腹が空いていた私は気にもせずグリフィンドールの席へとついた
「貴方昨日は私のベッドで寝てたのよ、起こしても起きないから先に行ったの」
「ハーマイオニーごめんね、そこのパンケーキ取ってくれる?」
ハーマイオニーの目の前にある大量のパンケーキを指差すと二枚お皿に入れてくれたのでメープルシロップを掛けて手を合わせた
「おいおい、リリス!
ハッフルパフのセドリック・ディゴリーに告られたって本当かい?」
「朝からその話でみんな持ちきりだぜ、リリス!!
でッ、オッケーするのかい?」
フレッドとリーが私の両隣に座るとニヤニヤ笑いながら聞いてきたので、どうやら朝のみんながコショコショ話していたのはそのことのようだ…
「なんでみんな知ってるのよ、まだ返事はしてないわ。
2人とも邪魔よ、お腹すいたから食べさせて頂戴」
肩を組んでくる2人が邪魔で振り払うとパンケーキへとフォークを刺した
「僕としてはあんな奴よりももっとかっこいい男を知っているけどな、例えばジョージとか!」
私にだけ聞こえるように耳元でフレッドが呟いたので"確かに,と思い頷いた
「まぁ好奇心旺盛なフレッドと比べてジョージは冷静で慎重な性格よね、それでいて周囲を気遣える。
モテる男だと思うわ」
「うわぁ〜お、リリスよく僕達のこと理解してる…驚いたよ」
「顔はそっくりだけど双子でも中身が違うから見分けれるわよ、なんでジョージがそこででてくるのよ?」
「嫌…それは…」
フレッドは言ったらいけないがどうするべきか悩んでいるとタイミングよく私のロゼが大きな箱を持って私の元へと飛んできたので箱を受け取るとフェニス姉さんからだった
手紙には"注文していたものができたわ,と書かれており、こないだリーマスの就職祝いのプレゼントをローブと服にしようと決めたので、箱の中身はどうやらそれが入っているようだ
「リリス、その大きな箱はなんだい?」
「リーでも教えられないわ!
ご馳走様、私用事があるから2人ともこの席で食べていいわよ。
ハーマイオニーまた後でね!」
三人に手を振ると箱を持って早くリーマスの元へ届けたくてロゼを肩に乗せ食べかけのパンケーキをあげ走って大広間を出た
防衛術の教室の扉をノックし開けると授業の準備をしているリーマスが私に驚き振り向いていた
「朝からどうしたんだい、リリス?」
「リーマス、遅くなったけど貴方にプレゼントよ!」
「本当にプレゼント用意してくれたのかい?
構わなかったのに…」
「リーマスがよくても私がダメなのよ、開けて見て!」
手に持っていた箱をリーマスへと渡すとリーマスは"ありがとう,と言いながら中を開けると。深緑色のローブと黒のスーツを見たリーマスは目を輝かせて喜んでいた
「こんな素敵な服を貰っていいのかい?」
「当たり前よ、反対に私のプレゼントを受け取らないなんて答えはないんだから」
「嬉しいよリリス、大切に使わせて貰うよ。
そういえばディゴリーに告白されたと風の噂で耳にしたけど付き合うのかい?」
「リーマスまで知ってるのね、セドリックは好きよ。
でもそれが恋愛として好きなのかはよくわからないわ」
「リリスは男女問わずいろんな人達を好いているからね、偉大な魔女のフレーベア先生でもその辺は教えなかったのか。
仕方ない、目を閉じてごらん」
リーマスに言われるまま私は目を閉じた
「リリスの好きな男性達を頭に浮かべてご覧、もしその人に好きな人ができて君から離れていくことになったら…
自分が嫌な気持ちになる人はいないかい?」
リーマスの言う通りに頭の中で大好きな友人達を思い浮かべた…
ハリー・ロン・ドラコ・ノア・パーシー・フレッド・リー・リーマス・セドリック…
別に彼女ができても嫌な気持ちはしないわ、むしろできたら祝ってあげたいぐらいだし…
でも、ジョージはどうかしら…
フレッドはなんとも思わないけど、もしジョージに彼女ができて今のように話せなくなったら…
今まで側に居てくれるのが当たり前だったから全然気づかなかったけど、少し嫌な気持ちになるかも…
何故ジョージだけ嫌な気持ちになるのか考えているとリーマスは勘づいたようで私の手をそっと握り見つめてきた
「どうやらリリスはわかったようだね」
「でも…まさか…私が…」
あのジョージを好きだったなんて…
私自身信じられないわ…
「今の君の心の中にいる相手に戸惑っているようだかそれが"異性として好き,と言う気持ちさ、君は美しく聡明で偉大な魔女だ。
だがまだ子供なんだ、いろんな人と出会い恋をするのもいい経験さ」
リーマスの言葉を飲み込むと私はリーマスへと抱きついた
「ありがとう、リーマス…
私…どうやら好きな人がいたのにずっと気づけていなかったみたい…
教えてくれてありがとう、セドリックへの返事は決まったわ!私伝えなきゃ!」
「フフッ、言っておいで」
「いってきます、リーマスありがとう!」
リーマスへとお礼を言い部屋から飛び出すと廊下を歩く生徒達に当たらないように走った
すると中庭のベンチに座っているセドリックを見つけた
「セドリック!」
「そんなに慌ててどうしたんだい?」
「私…貴方に伝えなきゃ…!
私…貴方のこと…友達として好きなの。
だから貴方とは付き合えないわ、ごめんなさい!!」
息を切らしながら深々と頭を下げるとセドリックは私に頭を上げるように肩を叩いた
「なんとなく答えはわかってたんだ、そんなに謝らないで…」
「セドリックは優しくてハンサムだけど…
私…貴方に告白されて"好き,と言う気持ちと向き合ったことで自分の気持ちに気づいちゃったの」
「もしかしてそれは双子の…」
「おい、リリス!!」
セドリックと話していると背後から大きな声で私の名をジョージが呼び、腕を引っ張りバランスを崩した私はジョージの腕の中に倒れてしまった
「ウィーズリー、これまた少し強引なんじゃないかい?
リリスが危ないじゃないか」
「ディゴリー…
悪いがリリスは僕のだ、君になんて渡せない!」
まさかのジョージの言葉に私は驚き、警戒心剥き出しのジョージにセドリックは笑いながら溜息を吐いた…
「僕は今さっきリリスに振られたばかりさ…
あんまり束縛が酷いと嫌われてしまうよ、さて僕は図書館に行かないといけなかったんだ。
リリス、気持ちに気付いたならちゃんと伝えるのも大切だよ」
「セドリック、ありがとう…」
セドリックは私に微笑むとベンチに置いてあった本を持ってその場を後にした…
ジョージが力強く抱きしめていたのだがそっと離してくれた
「あのハンサムボーイを振ったのか…」
「セドリックは友人として好きだったから…
あのね、ジョージ…
私!」
ジョージへと告白しようと見上げた途端、唇にキスされ驚きのあまり目を見開いてしまった
逃げようとしたがジョージに後頭部を抑えられ強引に舌を中へと入れられ私の舌を絡ませ大人なキスに息苦しかったが止まることはなかった…
「んッ!?ッ…んぐッ…ッ…!」
「リリス…好きだ…」
濃厚なキスに耐えられずジョージの腕の中で息を整えていると告白され、私は思わず涙を流した
「ジョージ…本当?
私も…貴方のこと好きなの…
だけどいきなりこんなハードなキスは驚いたわ」
「えッ…君が僕を好き…!?
それ本当!?」
「グスッ…嘘な訳ないわよ、貴方に告白されて嬉しくて涙が出てるんだから」
「マジか…リリス!愛してる!!」
涙を拭いていた私を空高く抱き上げると、ジョージはお姫様抱っこをし嬉しかったようでその場で回っていると、中庭の木に隠れていたフレッドとリーがキラキラ輝く星を噴射しながら私達へと抱きついてきた
「我が弟と姫がくっつくなんて、なんて最高の日なんだ!!
ジョージ、おめでとう!!」
「お二人さんが恋人同士になるなんて驚きだぜ!!
ジョージの奴、ディゴリーに告白されたリリスの話を聞いて顔面真っ青で見てられなかったんだぜ!
よかったな、ジョージ!!」
「ちょっと、2人ともいつから見てたのよ!?」
フレッドとリーの登場に驚いた私は抱きついている2人へと顔を赤く染めながら少し怒った口調で言った
「我が最愛の弟がディゴリーから姫を奪う所からさ、安心してくれ!
ロニー坊や達には言ってないから濃厚なキスシーンは僕らとこの場にいる学生しか知らないさ!」
「照れてるリリスも可愛いな、あーぁ!
ジョージが羨ましいぜ!」
「リーとフレッド、いつまでリリスにくっついているつもりだよ!
早く離れろ!」
しっしっと手を払い私から2人を離れさせると私をようやく腕から離してくれたが右手はギュッと握ったままだった
「おいおい我が弟よ、リリスは僕らの姫でもあるんだぜ?
影ながらリリスにアプローチしてやったお兄様に対して酷いじゃないか、まぁこんだけ美人な彼女なら妬けてしまうのも無理ないけどね」
「みんな見てるからすぐに2人が付き合った話は広まるぜ、こりゃ大変だな」
フレッドとジョージはケラケラ笑い廊下からハリーとロン・ハーマイオニーが私を探していたようで走ってきた
「いつまでたっても帰ってこないから探しに来たわよ、次の授業始まるわよ!」
「なんでジョージとリリスが手を繋いでるんだ?」
ハーマイオニーの隣にいたロンが不思議がって聞いたきたのをフレッドは見逃さず、ジョージと私の手を見せびらかすように三人へと振り上げた
「なんと!
我が弟のジョージと美しいリリス姫が結ばれさっき付き合いだしたのさ!!
ロニー坊や喜べ、リリスが義姉さん(ねえさん)になったぞ!」
「付き合いだしただけで結婚してないから義姉じゃねぇだろ!」
横にいたリーが思わずフレッドへとツッコミ、まさかの話に三人は驚き、目を見開いていた
「リリス、貴方自分がジョージのことを好きだと気付いたのね!!
一年生のときからそうじゃないかと思ってたのよ、でもほら貴方って…
幅広く交友してるから"異性として好き,に鈍感だったから心配してたのよ、おめでとう!リリス!!」
「うわぁ、ハーマイオニー!?」
いきなりハーマイオニーが私に抱きついてきたのでジョージの手を離してしまい、嬉し泣きしているハーマイオニーの背中をさすってあげた
「まさかリリスがジョージのことを好きだったなんて、僕わからなかったよ。
2人の友人として凄く嬉しいよ!」
「フフッ、ハリーもありがとう!
さぁ授業に行かなくちゃ、ジョージにフレッド・リーまたね!」
「あぁ、また後でな」
みんなが見ている前で頬にキスをしてきたので少し恥ずかしかった私は頬を赤く染め、三人を引っ張って逃げるように変身術の授業へと向かった
ミネルバの授業が始まる前にいろんな生徒達にジョージと本当に付き合っているのか何度も聞かれ、これはホグワーツ中の噂話になっているだろうと予想できた
授業中、ミネルバがいつもより笑顔を私に向けてくるので思わず下を向いた
授業が終わりホグズミードに行く時間になったので私服に着替え、ハーマイオニーとロンと許可書をミネルバへと手渡し待っていると許可書がないハリーがミネルバへと直談判していた
「だめです、ポッター!
許可書がなければホグズミードは行けれません、それが規則です」
「僕の保護者は知ってますよね、先生が行ってもいいとおっしゃれば…」
「残念ですがポッター、最終決定です…」
シリウス・ブラックが逃亡している手前、許可書がないハリーをアルバスが了承するはずないわね…
落ち込むハリーにそっと手を握り締めた
「僕…みんなと行けないや」
「ハリーにいっぱいお土産買ってくるわ」
「リリス、ありがとう」
玄関ホールで落ち込むハリーに手を振り、ハーマイオニーとロンと共にホグズミードへと向かった
「許可書なんてなくてもいいのに、ハリーが可哀想だ!!」
「規則だから仕方ないわよ、それにしてもリリスの服可愛いわね!
どこで買っているの?」
ミネルバへと怒るロンをハーマイオニーがサラッと流し、私の着ている服へと話題を向けてきた
「あぁ、日本のお店で買ってるの。
フェニス姉さんのお気に入りの服屋さんが可愛くて私もそこで買ってるの。
今度フェニス姉さんにカタログ送って貰うからハーマイオニーにも見せてあげるわ!」
ミントグリーン色のフード付きパーカーに白いショートパンツを履き、黒いロングブーツを履いた私はクルっと回ると、ハーマイオニーはキラキラした瞳で"嬉しい!,と喜んでいた
すると誰かに肩を叩かれたので振り向くと、ムスっと不機嫌そうな顔のドラコが立っていた
「リリス、あのウィーズリーと付き合ってるって本当かい?」
「あらドラコも知ってるの?
えぇ、ジョージと付き合ってるの」
「フレーベア家の令嬢ともあろうお方が、あんな貧乏一家の双子の片割れと付き合うなんて身分が違いすぎるだろう?」
「なんだと、マルフォイ!!」
バカにされたことに腹が立ったロンはドラコへと殴り掛かろうとしたがハーマイオニーに止められた
「真実を言っただけなのに怒る必要がどこにある?」
「ドラコ…
少なくとも私は身分や地位で人を見て付き合い方をする人格者ではないの、貧しかろうが貴族だろうが私はジョージと言う1人の人を好きになったの。
好きな人を侮辱する権利は貴方にないはずよ、ドラコ・マルフォイ…?」
微笑みつつも怒っている私の禍々しいオーラにドラコはヤバいと勘づいたのかオロオロし始めた途端、背後からギュッとジョージが抱きついてきた
「ジョージ!?」
「マルフォイ、あんまり尖ってるとリリスに嫌われるぜ?
さっきの言葉、さすがの僕もキュンときたぜ、愛してるリリス…」
顎をクイっとあげるとみんなに見せびらかすように唇へとキスをしその場にいたロン・ハーマイオニー・ドラコは顔を真っ赤にし、側にいた生徒達は次々に口笛を吹きひやかしてきた
「ジョージ、さすがに恥ずかしいからみんなの前では…」
「マルフォイに見せつけてやりたかっただけさ、ごめんよ。
悪いがお二人さん、今日のホグズミードはリリスと回ってもいいかな?」
「問題ないわ、貴方達は恋人なんだから遠慮うしないで!
リリス、帰ったら話聞かせて頂戴ね♡
さぁロン、お邪魔虫は行くわよ!」
「えっ、ちょっと!?」
ロンの手を引っ張り無理矢理ホグズミードの"三本の箒,の店へと向かい、私もジョージに手を引っ張られていたずら専門店のゾンコへと向かった
私とジョージの様子を少し寂しそうにドラコが見ていたことに私は気づかなかった…
ハニーデュークスは大繁盛でお店の中はホグワーツ生徒達でいっぱいだった
棚には様々お菓子が並べられていてシェーマスとネビルが百味ビーンズとカラフルな大きなキャンディーを美味しそうに食べていた
「美味しそうなお菓子がたくさんあるわね、ハリーへのお土産はどれがいいかしら。
迷っちゃうわ」
「激辛ペッパーはオススメだ、食べると口から煙が出る!
綿あめ羽根ペンと爆発ボンボンもハリーなら喜ぶんじゃないか?」
「ジョージのおすすめしてくれたお菓子を買うことにするわ!
ジニーには砂糖羽根ペンとぷっくりしたタフィー(蜂蜜色)にしようかしら」
カゴいっぱいにお菓子を入れ購入するとジョージが袋を持ってくれたので店を出て、ホグズミード村を一緒に見回った
楽しい時間はあっという間に過ぎてホグワーツへと戻ると今夜はハロウィンパーティーで豪勢なディナーだった
ジョージと共に座ると私を見つけたジニーが走って抱きついてきた
「リリス、お兄ちゃんと付き合ってるってパーシーから聞いたわ!!
貴方が私のお姉ちゃんになるなんて信じられないわ、凄く嬉しい!!」
「フフッ、私も可愛い妹ができて嬉しいわ!
はいこれ、可愛い妹のジニーにお土産よ♡」
「私にくれるの?
ありがとう、大好きリリス!」
ハニーデュークスで買ったお菓子を手渡すとジニーはまた喜んでいた
「ジニーはリリスのこと好きだったから尚更嬉しいわよね」
「リリスおかえり、ジョージとのデート楽しかったみたいだね!」
「帰ってきてもリリスに引っ付いてるのかよ…」
「お前達は同じ学年だし友人だからいつも一緒にいられるだろ、僕は学年が違うから一緒にいられるときは一緒にいたいんだよ」
ハーマイオニーとハリーは笑っていたがロンだけは呆れた顔で隣に座り、ジョージは私の隣でニコニコ笑いながら一緒にご飯を食べた
食べ終わってグリフィンドールの塔へと向かったが何故かみんなが太ったレディの肖像画の前で立ち止まっていて上がれなかった…
苛立ったパーシーが上がると"誰かダンブルドア先生を呼んで!,と叫ぶと同時にアルバスが現れ、私と側にいたジョージ・ハリー・ハーマイオニー・ロンは何があったのか近づくと太ったレディは肖像画から消え去り絵は木っ端微塵に切られていた…
「あぁ、なんてことなの!?
太ったレディが襲われたわ!」
ハーマイオニーは信じられないと驚き口を抑え、壁に飾られている絵達は皆騒ぎ立てた
「フィルチ先生、城中のゴーストを集めてレディを探さねばならん」
騒ぎを聞きつけフィルチ先生にミネルバ・リーマス・セブルスまで階段を上がってきた
「ゴーストを呼ぶまでもありやせん、太ったレディはあそこです…」
猫のミセス・ノリスを右手に抱えカバの絵を指差すとそこには泣きじゃくる太ったレディがいた
「おぉ、レディ…
誰がこんなことを…」
「悪魔のような瞳でした、名前の通り真っ黒な魂…
あいつです、校長!あいつがいるんです!
この城のどこかに…
あの…シリウス・ブラックが!!」
太ったレディの言葉に私もハリーも思わず固まり、側にいた生徒達は騒ぎ立てた…
「先生方は警護を固めるのじゃ、皆は大広間へと戻らねばならん!」
アルバスに連れられ大広間へと全生徒達は集まり、アルバスは杖を振ると長いテーブルをのけて床一杯に紫色の寝袋が現れた
「今夜は気の毒じゃが皆ここで寝て貰わねばならん、さぁ眠るのじゃ」
私はハリーとジョージの隣で寝ることにし部屋は暗くなり他の寮生も寝袋へと入った
「ねぇ…ブラックはまだ城の中だと思う?」
「ダンブルドアはそう思ってるみたいだけど、どうだろう…
それにしてもどうやって入り込んだんだろう?」
「ホグワーツ内では"姿現し,はできないし今はディメンターもいるからな…」
ハーマイオニーとロンとジョージは見回りしているパーシーに聞こえないように話していた
ずっと黙って不安そうなハリーを落ち着かせるように頭をそっと撫でた
「大丈夫よ、ここには偉大な魔法使いと優秀な先生方がいるもの!
それにもう城から逃げ出してるはずよ、逃亡者なんだから捕まえられたくないはずだし。
さぁみんな寝ましょう」
「リリス、ありがとう。
僕は大丈夫だから心配しないで」
「私が隣で寝てるから安心でしょ?
さぁ寝なきゃハリー、ジョージもおやすみなさい」
「はいはい、おやすみ」
隣にいるジョージが少し拗ねている様子だったので右手を伸ばして寝袋の中に入って手を握り締めた
それに気づいたのかニヤッと笑い何も言わずに握り返したので私は目を閉じた…
ホグズミードに行ったのもあって疲れていたのか目を開け時計を見ると朝の三時でまだ外は薄暗かった
足音がしたので寝たふりをするとアルバスとセブルスの声が聞こえてきた
「新学期が始まる前、校長にお話したことを覚えておいでですか?
ブラックが本校に入るのはほとんど不可能かと…
我輩しかとご忠告申し上げました、校長が新しくお雇いになった…」
「この城の内部の者が手引きしたとはわしは考えておらん」
「フレーベアとポッターはどうなさるつもりか…」
「先生方には一段と警戒はして貰わねばならんの…」
アルバスとセブルスは足早に大広間を出て行き、私は先ほどの会話を聞いて考え込んでいた
あの話からするとセブルスはリーマスがブラックを手引きしたと考えてるようね…
いくら友人だったからと言っても私の両親とハリーの両親をヴォルデモートに情報を売った裏切り者に手を貸すほどリーマスは落ちぶれた人じゃないわ…
アルバスはリーマスが手引きしたとは考えていないようね…
私もしばらくハリーから目を離すべきではないわね、どうやって侵入したかはわからないけど警戒しなければ…
ふとあのセルロッタの友である黒い犬のことを思い出した
今日ご飯持って行けれなかったわ、セルロッタが私の元から離れてあんなにべったり引っ付いているなんて本当珍しい…
そんなことを考えていると瞼が重くなり再び夢の中へと誘われてしまった