12年後の現代
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6月19日…
オレはあっ君仕事先の美容室に髪を切りに来ていた
「結局もう2ヶ月半、なんの手掛かりもないんだ」
「こうも何もないと生きてるか…不安になるな?溝中メンバーも相変わらず捜してくれてっけど、梵天のメンバーの情報すら掴めないもんなー。タクヤもいっちんと連絡取れないって言ってたな…」
「まぁでも危ない橋だから、もうこれ以上はいいよって伝えといてよ」
「え?諦めたン?」
「いや…!オレはどんなに時間がかかってもいっちんとマイキー君を見つけるさ!!」
タイムリープして一つ確実に学んだ事は諦めなきゃなんとかなる!!
するとケータイが鳴り電話に出ると八戒からだった
「オウ、タケミっち。今日本戻ったよ!タイムカプセル開けようぜ!」
「え!?」
そっか…
今日は東卍結成日6月19日だ!!
「わかった、タイムカプセル埋めた武蔵神社にみんな集合しよう!!」
電話を切りるとあっ君のカットも終わり、髪が綺麗になった
「タクヤがさいっちんの店まだ開いて営業してるから、働いてるスタッフさん達がいるから何か教えてくれるかもって言ってたぞ!タクヤは海外に行ってるしか教えてくれなかったみたいだからな…元神水流組の山神裕翔さんも働いてるからって、タケミチなら教えてくれるかもって!」
「山本裕翔さんっていっちんの護衛してた人か!ありがとう、あっ君!」
「ここから近いから行ってみろよ、ほら地図」
あっ君からカフェの地図を受け取り、オレは美容室を出ていっちんの店へと向かった
少し歩くと白い漆喰の壁と木材を組み合わせたお洒落なカフェが見えた
看板には"Cafe maison,と描かれていて中に入ると幅広い年代の人達がランチを食べていた
机席も座敷も満員で忙しそうだった…
「いらっしゃいませ!お客様申し訳ありませんが満席でして…あ?お前…花垣武道か!?」
過去で川に飛び込んだオレにタオルを貸してくれた裕翔さんが白いシャツにネクタイを締め、黒のサロンエプロンを巻き働いていた
「忙しい時にすみません、いっちんの事聞きたくて…」
「わかってんよ…お前ら!食べたなら今日は帰れ、こいつが座れねぇから」
座敷に座っていたヤンチャそうな三人組をシシッと手で払い除けた
「裕翔君すみません、今すぐのきます!お前ら帰るぞ!ご馳走様でした!!」
ヤンキー達は裕翔さんともう1人のスタッフさんに挨拶をすると席を空けてくれた
「お昼はランチメニュー決まってるから、ちょっと待ってろ」
グラスに水を入れオレに持ってきてくれると、オープンキッチンに戻り調理し始めた
オレは小上がりの座敷に座ると、隣は子連れのファミリー達が美味しそうにランチを食べ
テーブル席には若いカップルや老人達が座ってランチを美味しそうに食べていた…
過去でいっちんがいろんな人達が集まれるカフェを作りたいって言ってたけど、やっぱりいっちん凄いな…
ちゃんと夢叶えてたんだ
一つ結びに髪をくくった眼鏡をかけたイケメンな男性がランチプレートを作って持ってきてくれた
「ランチもう終わるから、ゆっくり食べててな。俺は金扇 伍(かなおおぎ あつむ)だ、樹と裕翔と働いてる。お客さんがみんな帰ったら裕翔が話してくれるからな」
「忙しいときに来ちゃってすみません」
「かまわねぇよ、ゆっくりしていけ」
伍さんは仕事に戻ると、オレは美味しそうなランチプレートを食べる事にした
白ごはんに具沢山な味噌汁にメインはハンバーグ、そして冷奴やナスのおひたしポテトサラダに漬物フルーツなど小鉢がたくさんありバランスのいいランチメニューだった
ハンバーグを食べながら机にあったメニュー表を見ると、いっちんの綺麗な字で写真を使って綺麗に見えやすく作られていた
ハンバーグも美味しいし、野菜も新鮮だ…
これは繁盛するはずだよ!!
ランチプレートを食べ終わると賑やかだったお店はオレ1人になっていた
裕翔さんがオレの向かい側に座り、冷たいカフェオレとアップルパイを出してくれた
「裕翔、片付けは俺がするからゆっくり話しな」
伍さんは店の片付けをし始めた
「伍さんすみません!花垣武道これはサービスだ、俺の特製アップルパイだ」
「え!?これ裕翔さんが作ったんですか!前よりクオリティーが高くなってる…ケーキ屋さんのケーキみたいっスね!んッうま!!めっちゃ美味しいっス!!」
「俺のアップルパイは人気だからすぐ売り切れるんだ。今日来たのはお嬢のことだろ?」
「はい!!いっちんはなんで別れたのに…今マイキー君の所にいるんですか!?」
裕翔さんは自分の手を握りしめ、怒り狂っていた…
「基さんがお前が来たら本当の事を教えていいと言っていた…
東卍解散した後、佐野万次郎はお嬢を裏切り傷つけ別れた…親父はブチギレてたがお嬢が手を出すのを頑なに止めた、あの後お嬢はお前も知ってるように同じ高校に通いながらカフェでアルバイトし料理や経営を学び卒業と同時にこの店"Cafe maison,を出した。
"maison,はフランス語で"家,って意味なんだ…
若いヤンチャしてる輩やカップル・小さな子連れの母親や年配の人達、様々な年齢層の"家,みたいな居心地のいいカフェを目指しお嬢は夢を実現した。
店も繁盛して経営も順調に進んでいたとき、あの梵天の奴らが現れお嬢を連れ去り梵天のアジトに監禁した…
佐野万次郎がお嬢と接触しないと安心し切っていた俺らは護衛をあの時しておらず、休日に店の外の花壇の手入れをしてる時にお嬢が襲われたと店の客のヤンチャ坊主から聞いた。
お嬢は強いから梵天の奴らを全員ぶっ倒したが、店の客を幹部の1人が拳銃を突きつけお嬢を脅し大人しく梵天に連れ去られた。
"私は自分から万次郎のとこに行くから東卍のみんなには秘密に、絶対に手ェだすな,っと最後にメッセージを伝えたそうだ。
獅稀さんが街の防犯カメラをハッキングしお嬢を追跡したが、梵天のアジトの中まではハッキングできなかった…
だが梵天のアジトにお嬢がいるのは確かだ!!
ずっと手を出さずに情報を集めていた親父だが、さすがに1人娘の大切なお嬢を監禁されたんだ…
近々、神羽会会長神水流組頭である基さんが動く。
お前は堅気だ、絶対にこの件に関しては手ぇ出すな!
"佐野万次郎と梵天をぶっ殺すのは俺だ!,っと基さんがお前に伝えろってさ」
裕翔さんの話を聞いたオレは絶句していた…
オレが現代に帰ったあと、そんなことになってたとは…
いっちんのことだ、きっと別れた後もマイキー君を気にかけていたはず!!
あの強いいっちんが梵天に監禁されて逃げられないとなると…
梵天はヤバい奴らばっかってことか…
「裕翔さん…話してくれてありがとうございました」
「あぁ、別に気にすんな。それよりもお前、あの付き合ってた橘日向と結婚するんだろ?
お嬢が言ってたように…絶対幸せにしてやれよ。梵天は今やヤクザより一番ヤバい犯罪組織だ、佐野万次郎を捜したいのはわかるが…絶対手ェ出すな!半グレよりもタチが悪りぃ、マジで殺されるぞ」
「ありがとうございました!」
「おう!またな」
カフェオレを飲み切るとオレは店から出て、八戒と電話で約束した武蔵神社に向かった…