ドラケンとの14日間
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目が覚めると目の前にドラケンの逞しい上半身の裸が目に入った
抱きつかれている腕からすり抜けるとまだ目を覚さないうちに服に着替えた
歯ブラシを持って部屋の外の手洗い場へと向かった
「いっちん早起きだな、おはよ。」
「おはようございます。」
受付に座っていた厳ついおじさんが手洗い場で顔を洗っていた
「理由は詮索しないが…なんで偽ってるわけ?」
おじさんの言葉に歯を磨いていた手を止めうがいをするとやっぱ本職の人にはバレたかと笑った
「きっかけは俺の友達を不良グループから守るため、ドラケンに正体を明かさないのは俺の親との約束が関係してるんだ。族とは関わっちゃいけないって言われてて…それで男の格好してるってわけ。別にドラケンをハメるとかゲスいこと考えてねぇよ、ただある奴にドラケンを14日間側にいて守れって言われたからいるだけ。それが終わったら離れるから安心してよ。」
「ケン坊は強ぇぞ、女のお前に守られる程やわじゃねぇ。」
「アイツが強いのは知ってる、でももしもだ…相手が刃物を使ってくるゲスい敵だった場合。東京卍會副総長だろうが…死ぬぞ。」
「最近の女は物騒だね、ケン坊に危害がないなら別にいいんだよ。ケン坊はお前のこと信用してるみたいだしな…ま、バレないように気をつけるこった!ケン坊は女の裸には慣れてるからな!」
おじさんは俺の頭をぐしゃぐしゃに撫でると煙草を吸いながらでて行った
あのおっさん…
絶対初めて会ったときから気づいてやがったな!
でも言わないでいてくれたんだ、よかった…
歯ブラシを持って部屋へと戻るとドラケンは起きてテレビを見ていた
「ドラケンおはよ!」
「おう、おはよ。マイキーから電話があって早く来いって。こんな朝早く起きねぇ奴なのに…マイキーの奴、いっちん乗せて走るの待ちきれないみたいだぞ。」
「早く行かないと駄々っ子マイキーになったら面倒だな、ドラケン行こうぜ!」
返事をしてバイクの鍵を持って下へと降り、ゼファーの後ろに乗るとドラケンが走りマイキーの待つ家へと向かった
しばらく走ると立派な一軒家の前でマイキーと三ツ谷先輩がバイクに跨り俺たちを待っていた
三ツ谷先輩までなんでいるんだよ…!!
はぁ…俺厄年か?
てか、でけぇ家だな…
あれ?なんかここ見覚えあんだよね…
佐野道場と書かれた看板をじっと見ているとマイキーが私を抱き上げ、自分のバイクに乗せた
「今日はいっちん俺のバブに乗んの!」
「わかってっから、駄々っ子になんなよ!」
駄々っ子マイキーだが、今日は素直に返事をしてバブに跨った
「いっちん集会のとき以来だな!俺も今日一緒に走っから、よろしくな!」
スズキGSX400FSインパルスに乗った三ツ谷先輩が俺に話しかけてきた
「三ツ谷先輩っスよね?よろしくお願いします」
バレないように内心は動揺しているが、外面に出さないようにし落ち着いて挨拶をした
「マイキー行くか?」
「おう!」
マイキーの返事を合図に三人のバイクは走り出した
マイキーの背中にしがみついていたが、風が気持ちよくていつの間にか手を離してツーリングを楽しんでいた
よく基のバイク乗せて貰ってたから、やっぱバイク好きだな…
日差しは暑いけど、この風がいいんだよな…
「いっちん!俺のバブ、ゼファーよりいいだろ?」
「あ?ゼファー舐めんなよ、いっちんはこっちの方がいいよな?」
「えー、俺の子猫ちゃんもいいんだけど?」
ドラケンがバブに近寄り苛立った顔で問いかけてきたので、みんないいバイクだぜっと答えると三人とも機嫌が良くなりスピードを加速した
しばらく走るとファミレスに止まり、どうやらマイキーがお腹を空かしたらしい
朝から何も食べてなかった私もお腹の虫が鳴いていたので丁度いいタイミングだった
四人で店に入り席へと座るとマイキーはお子様セットに私はトマトのパスタ、ドラケンと三ツ谷先輩はハンバーグランチを頼んだ
「それにしてもいっちんとドラケンとマイキー、いつの間に仲良くなったわけ?」
「今ドラケンち泊まってるから、必然的にマイキーとも仲良くなった感じ?」
「なにその疑問系。ケンチンより俺が先にいっちんと友達になったんだけど!?いっちんは俺のだから!!」
隣に座った駄々っ子マイキーが首が取れそうな勢いで胸ぐらを掴み揺らしてきた
「泊まってんの!?ちょっ!待て待て!いっちんの目が逝ってんから、マイキーやめろって!」
「目回した…三ツ谷先輩、ありがとうございます…」
優しい三ツ谷先輩が止めてくれなかったらやばかった…
「マイキーお子様セット来たぞ。」
店員さんが四人の料理を運んで来てくれた
今回は旗がきちんと刺されているので、マイキーはご機嫌さんだった
みんなで手を合わせ、俺もパスタを食べ始めた
するとマイキーはお子様セットに手をつけずにスプーンを何故か私に渡してきたのだ…
マイキー…甘えん坊ちゃんか!?
また食べさせろってことか…
「仕方ねぇな…はい、あーんして」
マイキーは大きな口を開けて、私が食べさせると食べ始めた
初めてマイキーと俺のこの光景をみた三ツ谷先輩は食べていた手を止め、驚きを隠せないでいた
「ドラケン、これどういう状況…?」
「あ?三ツ谷見てわかんねぇの?いっちんがマイキーに食わしてんだよ。」
「それは見てわかるっての!俺が言いたいのは!なんでマイキーがこんなにも素見せてんのかってこと!!まだいっちんは日が浅いだろ?」
「まぁそれだけアイツが特別な存在だってことだろ、マイキーの中で。三ツ谷妬いてんの?」
「うっせぇ…いっちんさ!俺だけ先輩つけんのやめない?二人とも呼び捨てだろ、俺も隆って呼んでよ!」
いや…
三ツ谷先輩は学校の先輩だしな…
呼び捨てで呼ぶのはちょっと…
キラキラな瞳で見つめてくる三ツ谷先輩に私は負けてしまった…
「じゃタカくんで。」
「おう!」
「むー!いっちんは今俺のママなんだから、三ツ谷ばっか見ちゃダメ!」
駄々っ子マイキーが無理矢理私の顔を自分の方向に向かせ、口を開き食べさせてと催促してきた
はいはいとマイキーに食べさせながら自分もパスタを平らげた
お腹が満腹になったのもありお手洗いにらい行きたくなったので、眠たくてウトウトしているマイキーを押し除けトイレへと向かった
今は男装しているのでもちろん男子便所へ入り、洋式トイレがあるのでそちらに入り出来るからこういうとき便利だ
手を洗い席へと戻ろうとするとドリンクバーで小さな男の子がジュースを持って戻ろうとしたとき、厳つい不良の二人組とぶつかってしまいズボンにジュースを掛けてしまった
「あ?ガキ、俺のズボンにどうしてくれんだよ?」
男の子は泣きながらごめんなさいと謝ったが男は許さず男の子の頭を掴もうとした
「謝ってんだろうが、子供相手にイキんじゃねぇ屑が。謝ったんだから大丈夫だよ、ママのとこ戻ってな。」
掴もうとした手を俺が払い除ける、泣きじゃくってる男の子を安心するように抱き上げた側にいた男の子のお母さんに渡した
「勝手に何してんだよ!お前が俺のズボン弁償してくれるわけ?」
「弁償するわけねぇだろう?帰って自分で洗えや。お前自分より弱く小さい奴しか偉そうに出来ないタイプだろ?情けねぇな、屑が。」
俺の言葉にキレた男達は殴りかかってきたのでかわすと男達の顔面同士をぶつけ大人しくさせ、男のポケットから財布を抜き取り店員に渡した
「店員さーん、こいつらの会計これでしといて。ちょっと駐車場借りてもいいかな?会計できたら財布渡しに来て、しつけてるから。悪いけどみんなちょっと待ってて。」
3人はいってらーっと手を振り、俺は店の中なので他のお客さんに迷惑にならないよう男達をひこずって外に放り投げた
男達は顔面血だらけで鼻水を垂らしながら泣き、俺は正座しろと言うと素直に正座をした
「お前らだってあんな小さい頃があったんだぞ?ジュース溢したりご飯こぼしたり、そうやって今おっきくなったんだからな?そこわかってんの?小さな子供相手にあんな事すんな、素直に謝ってる奴を許さない大人になんじゃねぇよ!わかったか?」
すみませんでした!っと土下座して反省していたので俺も許してあげた
会計を済ませた店員が男の財布を持ってきたので本人へと返すと、男達は走って逃げ去った
店員さんが俺にありがとうございましたとお礼を言ってきたので、お礼言われることしてないよ?っと返し店から出てきた三人へと手を振った
「いっちん強いんだね!俺びっくりしたんだけど。」
マイキーをおんぶした三ツ谷先輩が驚いていた
「強くないない、あんな屑が許せないだけ。あれ?タカくんマイキー寝ちゃったの?」
「そうなんだよね…いっちんバイク乗れる?」
「乗れるけど、免許はないよ。」
バイク好きな基に教えてもらってるから、実は乗れちゃうんだよな…
でも基は後ろに乗せて走るのが好きだから最近は乗ってないけどな
「乗れるなら問題ねぇな、マイキーのバブ乗ってコイツ乗せて走れ。」
ドラケンが寝ているマイキーにヘリメットを被せて、俺にバブを運転しろと言ってきた
「いやいや。族のバイクって大切なんでしょ?他人の俺が運転しちゃダメでしょ!もし事故っても責任とれないし。」
タカくんはバブにマイキーを下ろした
「マイキーが寝る前にいっちんに運転任すって言っちゃったんだよね。俺昔からマイキーのこと知ってんけど、バブは真一郎君とマイキーしか乗ってんの見たことない。バブを乗れるいっちんはマイキーにとって特別な存在だと俺は思ってる。」
「出会って間もないのに、そんなに心許せる奴な訳?俺はそんな特別な奴じゃねーよ!仕方ねぇ、久しぶりだから事故ったら許してな!お前らの総長さん。」
俺はバブに跨りヘルメットを被るとエンジンをかけ、眠っているマイキーが落ちないよう腰に手を回させた
基のバイクもバブだが改造してあるから、マイキーのバブはどんな感じなんだろ…
ちょっと楽しみだな!
「いっちんと走れるとワクワクすんだけど!」
「マイキー落とすなよ、いっちん。行くぞ!」
タカくんとドラケンが先に走り後ろから俺もバブでついてった
やばッ!
後ろに乗るのも好きだったけど、運転すんのも気持ちいや!!
基のバブも好きだけど…
マイキーのバブも気に入ったかも!!
運転に慣れた俺は少しスピードを上げ、タカくんとドラケンを追い抜き先頭を走った
「いっちん上手じゃん。」
寝ていたマイキーが起きたようだ
「マイキーの大切なバイク運転して悪い!起きたなら変わろうか?」
「いっちんに運転してほしいからそのまま走って。」
マイキーは腰に巻きつく手に力を入れ、私の背中に甘えるように顔を押し付けた
「振り落とされないようにしといてくれよ!」
スピードを緩める事なくカーブを綺麗に曲がり、俺は運転を楽しんだ
楽しそうに運転している俺の顔を、マイキーは嬉しそうに見つめていたことなど知らないでいた…
楽しすぎていつの間にか夕方になったのでマイキーの家へと帰ってきた
三ツ谷先輩ことタカくんはルナマナちゃんの保育園のお迎えの時間があるので先に帰り、俺も帰りたいんだが…
駄々っ子マイキーが降臨しているのでバブから降りられず、いっちんといる!っと泣き叫んでいた
「いい加減離れろ!」
ドラケンが無理矢理マイキーを俺から引き離そうとするが離れず、さすがのマイキーも参っていた
「そんなにいっちん気に入ってんの?珍しいー。ドラケン困ってんだから降りなって!」
マイキーの家から見かねたエマちゃんやってきてマイキーを無理矢理バイクから引きずり下ろした
ようやくバブからおりて、駄々っ子マイキーから解放されたのでエマちゃんにお礼を述べた
「あれ?エマちゃんなんでマイキーんちいるんだ?」
「いっちん知らないの?私とマイキー腹違いの兄弟だからここに住んでんの。」
駄々っ子マイキーと可愛らしいエマちゃんが兄弟…
性格全然似てないじゃん!!
「エマちゃんは毎日駄々っ子マイキーと暮らしてんのか…毎日お疲れ様です!エマちゃんマジで尊敬する!!」
エマちゃんの手を握りマジ泣きすると、ドラケンがエマを誑かすなとチャチャを入れてきた
「エマずりぃ!いっちんは俺のだからエマでもダメ!!」
抱き着こうとしたマイキーをかわしてゼファーに乗り、エンジンをかけ走り出した
「いつから俺はお前のモンになったんだよ!エマちゃん、悪いけど駄々っ子マイキーお願いな!」
「任せて!いっちんドラケンまたねー!」
暴れるマイキーをエマちゃんは逃さないように捕まえたまま、俺たちに手を振ってくれた